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明智小五郎のモデルは岩井三郎?江戸川乱歩が弟子入りした探偵の素顔

フィクションの世界で有名な名探偵は、決して実在していなかったのではありません。

むしろ、世界には先に「名探偵」と呼ばれる人々が登場し、その後フィクションの世界に本物の名探偵が登場し始めたとみるがの正しいのです。

その中でも、日本に唯一存在した名探偵と知られているのが「岩井三郎」です。

岩井三郎の活躍は現実世界でも目覚ましいものがありましたが、ことフィクションの世界においても岩井三郎は大きな影響を与えていました。

そこで、今回は探偵の世界をより皆さんに知って頂くために、岩井三郎がフィクションの世界に与えた影響について解説させて頂きます。

 

江戸川乱歩が弟子入りしていた?

江戸川乱歩と言えば、日本で最も有名な推理小説作家です。この名前を知らない日本人は居ないと言われ、乱歩の作品を読んだ事が無い人でも、乱歩の影響を受けた作品を多く目にしてきたはずです。

中でも、ミステリアニメとして知られる「名探偵コナン」の主人公・江戸川コナンの名前は、江戸川乱歩からとられている事でも有名であるため、ミステリファンでなくとも江戸川乱歩の名前を知っている人が多いでしょう。

その江戸川乱歩が本格的に小説を書き始めだした頃、本人自らある探偵事務所に訪れ、執筆のために探偵になりたいと願い出たのです。

 

岩井三郎事務所

当時日本で最も有名な探偵事務所であった岩井三郎事務所は、現在の様な民事のみを専門的に扱ってはおらず、刑事事件から巨額の詐欺事件(シーメンス事件)などの政界を揺るがす様な案件まで扱う、本物の名探偵が在籍する事務所でした。

その所長である岩井三郎は、元警視庁の警視。自由な捜査手法に憧れを抱いて探偵をこころざし、日本初の私立探偵事務所と言われる「岩井三郎事務所」を立ち上げました。

この事務所には大変優れた探偵が多数所属しており、中には当時では珍しい女性探偵も在籍していたとされています。

 

この様な著名な探偵事務所なら、かならず探偵小説のヒントが得られると考えた為、乱歩は自ら探偵社を訪れたとありますが、実際の所は、乱歩自身の探偵への憧れが大きな原動力であったとも考えられています。

江戸川乱歩は幼少期の頃から探偵小説を愛読しており、探偵への憧れは相当のものだったと言われています。

また、当時岩井三郎の活躍は松崎天民『探偵ロマンス』(大正4年刊)という本に纏められていました。

この本では、岩井三郎の活躍をもとに当時の人気小説家達がノンフィクションの体裁で仕上げたもので、大いに話題を博し、江戸川乱歩もこの本を読み、ついには岩井三郎事務所への面接を決めたそうです。

 

岩井三郎と乱歩の出会い

岩井三郎事務所に江戸川乱歩が訪れたのが1919年。乱歩が25歳の時でした。

この以前に、乱歩は兄弟らとの共同経営で古書店を経営していましたが、なぜか同時期に岩井三郎事務所に就職を志願し、面接に向かったといいます。

その理由は定かではありませんが、それから1年後に兄弟が経営していた古書店が潰れてしまった事からも、経済的な苦しさがあったのかもしれません。

また、兄弟三人による共同経営であったことや、東京に上京したてであった事から、以前より就職をしたかった岩井三郎事務所にダメ元で押しかけたのかもしれません。

しかし、乱歩のその期待は岩井三郎との初面接で大いに裏切られる事となります。

 

初面接で追い返される?

岩井三郎事務所に訪れた乱歩は、なんとか本物の探偵になろうと勢い混んでいたのでしょう。初面接の際に以下のように発言したという記録が残されています。

 

乱歩「探偵には推理力が必要だ。私は推理の才能はあるから、使ってみてください」。

 

確かに、推理小説の世界から見た探偵はそうなのでしょう。しかし、本物の探偵であり、なおかつ日本一と名高かった岩井三郎は乱歩の申し出を一度断り、そのまま追い返してしまったと言います。

ちなみに、乱歩の経歴はけっして悪くはありません。転職回数こそ多いものの、早稲田大学経済学部を4番目の成績で卒業。家柄も元武家の役人家系で、いわゆるエリートの端くれです。

そんな乱歩を簡単に追い返してしまった岩井三郎は、乱歩に対して「考えておきましょう」の一言だったそうです。

岩井三郎がこの様な発言をしたのは、実際の調査の現場では、推理に頼る思考ほど危険なものは無いと知っていたからです。

 

調査に推理力は必要ではないが・・・

岩井三郎が解決した事件を見てみると、そこには際立った推理力は無く、その殆どが地道な聞き込みや取材、そして尾行や張り込みによる証拠探しでした。

当時は科学捜査の手法も殆ど確立されておらず、探偵であろうが警察であろうが、その手法はあまり変わりません。

証拠を得るためには、推理を働かせるよりも、証拠を確実に積み上げながら、最終的に欲しい情報(真犯人や犯罪の確証)を得る慎重さこそが、岩井三郎にとって最も大切にする能力でした。

 

その点を見逃していた乱歩は愚かかもしれませんが、現在、探偵業界に入って行く人たちもあまり変わりません。

探偵業界とは、実態よりもフィクションのが先行している世界ですから、「推理力に自信があります!」といって入社希望をする乱歩の様な人が時折現れると聞いた事があります。

 

明智小五郎=岩井三郎?

その後、なんとか岩井三郎事務所に入社できたと言われている乱歩ですが、そこでの活動は公の記録として残されてはいません。

しかし、その間の活動を元にして作られたと言われているのが、かの有名な名探偵「明智小五郎」です。

 

明智小五郎のモデルとなったのが岩井三郎であっという話は有名です。

顔だちや立ち居振る舞い、または調査における姿勢などを参考にした様です。また、そのアシスタントを務めていた小林君は、岩井三郎の部下であった乱歩自身であったのではという説もあります。

 

日本の名探偵は実在した

フィクションの世界だけで語られていた名探偵ですが、その多くは実在の人物をモデルにしています。

岩井三郎がもし居なかった、日本の探偵業界はおろか、推理小説の世界も今とは大きく変わっていたかもしれないと考えると、やはり事実は小説より奇なりという言葉を思い浮かべずには居られません。

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