探偵の張り込みは何が違う?プロである探偵の特徴

みなさんは探偵が行う『張り込み』についてどう思いますか?

一般の方からすると、ただただ眺めているだけの簡単な仕事の様に思えるかもしれません。

しかし、この張り込みが実は探偵にとっては最も難しく、辛い仕事の一つなのです。

そこで、今回は探偵の張り込みの難しさや、探偵が一体どのようにして張り込みを行っているのかについて詳しくご紹介させて頂きたいと思います。

張り込みは最も難しい?

張込みの難しさを一言で語るのは難しいです。

そこで、まずは探偵が感じる張り込みの難しさについて簡単に説明させて頂きます。

 

一点を見続けなければならない

人間は長時間に渡って同じ場所をみるように出来ていません。

ところが、探偵の張り込みは長時間に渡って同じ場所を見続ける必要があります。

張込みでは、対象者がいつ建物から出てくるかわかりません。それが出入りの多い建物となればなおの事、一瞬でも見逃せば、そのまま対象者は人込みに紛れて姿を消してしまいます。だからこそ建物の出入り口から目は離せないのですが、そもそも人間の構造上、一点を見続けることが出来ないのですから、人間の生理現象との闘いになります。

 

一瞬でも見逃せない

張込みが最もつらいのは、ほんの小さな瞬きや、わずかな視線の移動の最中に対象者が建物から出て移動してしまう恐れがあることです。

特につらいのが夜間。周囲は暗くなり、建物から出てくる人間の容姿が分かりずらくなります。また、建物の出入り口から距離が離れるほど、対象者の姿は小さくなり、わずかに目をそらしただけで、出て来たのが本人かどうか確認できません。

 

周辺からの警戒

張込み中に注意すべきは、対象者からの視線だけではありません。むしろ、その周囲の人間達や、まったく関係のない人間から怪しまれることが多いです。

張込むポイントは探偵が選ぶことは出来ます。しかし、その周辺の環境を選ぶことはできません。車や人の多い都心部のただ中ならば、大型のワンボックスをのりつけて車内で監視することもできますが、これが少し校外に移り、閑静なベットタウンの中となると、途端に怪しまれてしまいます。

かといって、車のサイズを変えてもあまり意味はありません。ある特定の建物の出入り口を見張る範囲は限られており、肉眼で視界にとらえようと思えば、どうしても住宅街の道路に路駐するしかないからです。

こうなると、車の近くに住んでいる住人が「なぜうちの前に車が?」と怪しみ、直接声をかけて確認したり、警察に通報して確認しようとすることもあります。

ただし、通報されたからといって調査が中止になるとは限りません。基本的に探偵が調査によって張り込みを行うことは法律で認められているため、警察に身分証を呈示して説明すれば、そのまま調査は続行となります。

 

睡眠時間

張込みは、調査の中で最も多く消費する時間です。

調査開始前には必ず張り込みがありますし、対象者が移動したあと、どこかの店舗に入っている最中も張り込み、続いて浮気相手と接触し、ラブホテルなどに入ったあとも、延々と張り込みが続きます。一般的に探偵といえば尾行のイメージが強いですが、このように、実際の調査では張り込みに割く時間が圧倒的に多いのです。

 

こうなると、問題なのが睡眠時間です。

調査は朝からスタートし、翌日にまで続くことがあります。こうなると、張り込み中もなかなか眠ることが出来ません。対象者がいつ移動するのか、あらかじめ予想はできますが、なんの根拠もない推測に基づいて「明日も同じ時間に出てくるだろう」と、朝まで寝ている間、予定が早まって夜明け前に外出する対象者を見落とすこともありえるのです。

 

プロの対処法

この様に、張り込みは恐ろしいほどに困難を極めます。忍耐力について言及されがちな張り込みですが、ただ耐えれば良いというには、人間の限界を超えなくてはならない場所が幾つもあるため、精神論だけでは到底太刀打ちできません。

そこで、プロである探偵たちは次の様な方法を使って、困難な張り込みを克服しています。

 

一点集中→周辺の集中へ

人間の集中力は、最長でもわずか30分と言われています。

50メートルも離れれば、わずか10㎝以内に収まってしまう建物のドア。この小さな的を1日に数時間以上見続けるのは、どう考えても不可能です。

そこで、探偵はあえて一点への集中を避けて、建物のドアを含む、周囲数十センチの光景を見続けるようにしています。その範囲の中を見続けながら、ドアに何か変化があれな、すぐにドアに視線を集中させれば、張り込みを長時間続けることが出来るのです。

 

視線を外さない→体の固定とビデオ録画

視線をわずかにでも外すことが許されない中、探偵は体を固定することと、ビデオの録画によって張り込みを成功させています。

人間の視線は眼球の動きよりも、首や体の動きによって大きく変化します。

平均的な眼球の稼働域は、左右、上下共におよそ50度前後しかありません。しかし、人間の視野は左右で160度。ということは、首と体を固定すれば、目だけが動いていたとしても、160度の角度の中に必ず対象物は収まる計算となります。

 

しかし、それでも人間の生理現象である瞬きや、疲れや疲労による視野の狭まりによって、視界に収まっていたはずの対象者を見逃すこともありえます。

そこで、ビデオカメラを使ってバックアップを行います。

視界さえ固定しておけば、何かが動けば視野で捉えることが出来ます。ただし、疲れていると、動いたものにすぐに反応できないことも。その時には、ビデオカメラを確かめ、今動いたものが何だったのか確認するのです。

 

張り込み位置→あえて出入り口を見ない

閑静な住宅街では、どうしても通報を避けられないことがあります。

そんな時には、あえて建物の入り口を見ずに、家の前を通る路地から出てくる人間や車だけを確認できる場所にポジショニングします。

こうすることで、安全な場所を取れますし、もし通報されたとしても、その様子を対象者に見られずに済みます。

 

睡眠時間→交代要員でカバー

眠らずに調査を行うことは、事故や調査のミスに繋がります。

そこで、かならず2人以上の調査員で張り込むことで、睡眠時間を交代に取るようにしているのです。

また、もしも一人で張り込むことになったら応援を呼ぶなどして対応するか、一旦調査を打ち切り、協議の上、GPSやカメラを使って、対象者の動きを後追いできるシステムを整えます。

 

まとめ

探偵の張り込みは一筋縄ではいきません。

しかし、確かな技術や知識がある探偵は、不可能と言われる張り込みも様々なアイディアで乗り越えています。

こうした苦労を惜しまないのも、依頼者の問題解決につながり、なおかつ自信の利益になるからこそ。探偵は今日もこの瞬間、どこかで張り込みを続けているのです。