フィクションと比べないで!リアル探偵が思うフィクションと比べられて嫌なポイントとは?

探偵業界は不思議なもので、実際の仕事よりも圧倒的にフィクションの世界のイメージが先行している業界です。

そのせいか、実際の探偵の姿は見たことが無いけれど、フィクションの世界の様々な探偵達を知っているせいか、色々と大きな勘違いをされることもしばしば。こんな時、探偵はなんとなくその場をややりすごしているのですが、探偵の実情を話すと、なんだかその場を冷めさせてしまいそうで、なかなか本当のことを言えないこともあります。

しかし、やはり探偵としてはフィクションの探偵よりも、リアルな探偵こそ最高だと言いたいもの。「僕らはフィクションじゃないんだ!」と、実は声を大にして言いたい探偵は少なくありません。

そこで、今回は探偵が思う「ここはフィクションと比べられたくない!」という部分を語っていこうと思います。

名探偵=大天才ではない?

フィクションの世界の探偵といえば、誰もが思い浮かべるのが天才的な頭脳を持つ名探偵達でしょう。彼らの多くは頭脳明晰ゆえなのか、社会不適合者であり、それゆえに社会とは一線を置きながら、自分の好きな事件解決だけを行うために探偵をやっているという変わり者というイメージが一般的かもしれません。

こうしたイメージが先行しているせいか、探偵をしていると

「それじゃぁ頭良いんですか?」

なんて聞かれることが度々あります。

しかし、探偵の頭の出来は正直にいって普通です。たしかに、平均以下の頭脳だと殆ど仕事にならない業界ではありますが、かといって恐ろしいほどの大天才でなければ勤まることもありません。

 

探偵の仕事の中にも頭を使うものと、使わないものがある?

探偵の仕事の中にも頭を使うものもあれば、殆ど使わないものが細分化されています。

最も頭を使う仕事は、やはり行方調査や所在調査など、人の行方を追うための仕事です。いなくなった人間を探し出すためには、とにかく頭を使うしかありません。少ない手掛かりから、有力な手掛かりを探しだし、ついに対象者を見つけ出す瞬間は、まるで迷路を解き明かした様な感覚です。

一方、浮気調査などの尾行や張り込みでは、そこまで頻繁に頭を使いません。尾行中に相手の行動を先読みしたり、そのつど正しい判断を行う必要があるため、瞬発的な判断力は必要になりますが、その感覚はスポーツ中の人間の脳に近いです。

 

推理よりも証拠が大切

フィクションの世界の探偵は誰もかれもが抜群の推理力をもっています。

世界発の探偵と言われる「モルグ街の殺人」に登場したC・オーギュスト・デュパンから現在に至るまで、探偵とよばれる人間の殆どは推理をメインに事件を解決してきました。

所が、現実の探偵はほとんど推理をしません。推理がまったく出来ないわけではなく、むしろ、推理という脳の働きを危険視しているのです。

 

推理は現実を捻じ曲げる

推理とは、物事を推測するための理論を作る工程そのものを指す言葉です。

この推理で生み出される答えは、あくまで過程にすぎません。フィクションの世界なら、定められた証拠をもとに一定の答えにたどり着くことが出来ますが、現実では証拠は無数にあるばかりでなく、その証拠一つにしても、ものの見方は様々です。現実で推理に頼るような調査をすれば、人は簡単に答えが一つだと思い込み、そのほかの可能性を一切無視します。

この現象は「確証バイアス」と呼ばれており、探偵のみならず、調査や捜査を行うあらゆる職種で危険視されている現象です。

推理よりも、証拠を確実に積み上げ、動かし難い事実を手に入れることにこそ、プロである探偵の仕事なのです。

 

暴力は行わない?

フィクションの探偵の中で、可憐な推理で事件を解決する名探偵の他にも有名な探偵たちがいます。彼らはアメリカで生まれたとされており、リアリティのある世界観の中、時には暴力に訴え出るような非情さをみせることから「ハード・ボイルド」(固ゆで卵)の名前で呼ばれました。

ハードボイルド探偵達の人気は日本でも高く、ファンも多数いることから、現実の探偵達もハードボイルドの世界とおなじような非情さの中に生きていると思われがちです。

 

暴力はふるわない

ハードボイルドの世界の探偵たちは、時として恐ろしい暴力をふるいますが、実際の探偵はまず暴力はふるいません。

なにせ、探偵は調べることが仕事。対象者に正体を見破られてはならない仕事だけに、暴力をふるわなければならないシーンに出くわすこと自体、プロ失格なのです。

 

拳銃も持っていない

ハードボイルド探偵はアメリカ生まれ。アメリカの探偵は法律により、普段から拳銃の携帯を許可されています。

だからこそ、フィクションの世界でも拳銃を使って派手なアクションをしているのですが、自裁には派手なアクションもなにも、拳銃すら持っていません。

ところが、時折「探偵ってことは、銃を撃ったことあるんですか?」と聞かれることも・・・

そんな時、相手はフィクションの世界のハードな世界の住人的発言を期待しているので、現実の探偵は結構困ってしまいます。

 

探偵は全員が事務所をもっていない?

フィクションの探偵は、そのほとんどが自分の事務所を持っています。

ところが、実際の探偵は自分の事務所をもっていない探偵もいるため「経営者なんです!」と言われても困ってしまうことがあります。

 

探偵の中にいる「調査員」とは?

調査員とは、探偵社に勤める人達のことです。

調査員は能力的には探偵ではありますが、探偵事務所を経営している訳ではないため、業界では探偵と調査員は経営者と従業員との違いによって語られることもあります。

 

まとめ

探偵はフィクションの世界で有名ですが、やはり現実に存在する職業です。

小説やドラマ、映画で有名になるのは良いのですが、現実の探偵の存在を忘れてはなりません。また、これから調査を依頼するなら、フィクションの世界の探偵ではなく、現実の探偵達に目を向けるべきでしょう。本物探偵がいったいどんな人間なのか、興味を持って頂ければ幸いです。