探偵は法律を守る?それとも守らない?怪しいけれど真面目な探偵達

人によっては探偵はかなり違法な手法を使って調査を行っていると考えているかもしれませんが、現代の探偵は法律を守ることはもちろんのこと、法律に関する知識も一般の人より多く学んでいます。

探偵は思いの他アウトローではない

探偵といえばアウトローという認識が一般的でしょうが、探偵を良く知る人間からすれば、それは大きな誤解といえるでしょう。しかし、その誤解も至極もっともな現象であることも理解できます。

探偵の仕事を見る機会は殆どありません。そんな人達が探偵を知るのは当然フィクションの世界に限られますが、フィクションの世界の探偵の多くは法律を無視する、いわゆるアウトローな要素をふんだんに持っている人物ばかりです。

これもストーリーを盛り上げるためには必要不可欠なことですが、そのおかげで探偵=アウトローというイメージが付いてしまうのは、現代の探偵にとってはデメリットが大きいかもしれません。

ただ、アウトローである探偵が好きという人もいますし、フィクションお中まで法律を守る探偵は、見ていてあまり面白くないでしょう。

 

探偵が無法地帯だった時代も・・・

現代の探偵が法律を守るようになった理由は、平成19年に施行された「探偵業法」が大きな切っ掛けとなっています。

もちろん、それまでにも探偵業界は法律を守る動きが強かったのですが、法律を無視しても依頼を遂行しようとする探偵が多かったのも事実です。

しかし、探偵業法のおかげで、現在の探偵業界では違法行為は無くなり、変わり法律を守る探偵社が大半となっています。

 

調査を成功させるために違法行為を行っていた?

探偵は依頼者を騙すために法律を冒すわけではありません、むしろ以前までは、依頼をこなすために法律を破ることが多々ありました。

難しい調査を行う時、目的を達成するために法律を冒すのは探偵だけではありません。

警察もまた同じように違法捜査に手を染めることは未だにあります。ただ、探偵が犯す違法調査は、その探偵の能力の限界を超えるような依頼を解決しようとした結果です。

 

個人情報取得のための違法調査

探偵業界ではかねてより、調査のために必要となる個人情報を手に入れるために、法の間をすり抜けるような様々な調査を行っていました。その中でも代表的なのが、個人情報を手に入れるための違法調査です。

 

電話で本人になりすます

探偵は自分の身分を明かさずに聞き込みを行うことが多いです。

ただ、それだけで違法性が発生することは少なく、公務員に身分を詐称したり(警察と名乗るなど)身分を詐称することで相手に不利益を与えた場合に罪となることが多いです。

探偵にとって身分を偽ることは当たり前のことですが、その結果、違法調査を行ったとして逮捕された探偵が出たのが平成13年。

逗子ストーカー殺人事件において元交際相手の男の依頼を受けて調査を行た探偵が、ガス会社に本人と身分を偽って電話し、被害者の個人情報を入手したことで不正競争防止法違反(営業秘密の侵害)の疑いにより逮捕されました。

この手法は、探偵歴が長い人間なら誰もが知っているものです。実際に行ったことがあるかは別として、個人情報を手に入れるために本人になりすまして電話を掛ける方法があるのは、おそらく、探偵業界の誰もが知っていたのではないでしょうか。

しかし、その手法に違法性があるか知っていたかは別の話です。不正競争防止法違反は通常ライバル企業同士の間に適応される法律でしたし、それが探偵に適応されるなど夢にも思わなったかもしれません。

 

違法性のある情報の利用

個人情報保護法が出来る前、探偵業界には様々な企業から漏れ出したリストがあふれていました。このリストを探偵業界に流していたのは『名簿屋』と言われる人達で、かれらはブラックマーケットに流れる企業流出情報を買い取り、それをリストとして様々な人々に売っていました。

こうした情報を売ることはもちろん違法ですが、使用することも違法性が高いため、今やどの探偵社も情報は自分の手で手に入れるようになりました。

しかし、効率性やより簡単な調査を行おうと、今度は探偵自ら個人情報の取得のために企業に勤める社員などから違法取得した情報を買い付ける悪質な方法に出る人物も現れはじめました。

 

過去には盗聴器を使用することも

探偵業法により、この様な探偵は業界から消えたといっても、過去を変えることは出来ません。確かに、かつては探偵業界にはフィクションと同じく盗聴器を使用していた探偵もいました。

彼らが盗聴器をしようしていたのは、調査を成功させるために他なりません。こう言うと聞こえはいいかもしれませんが、実際には、より手軽で確実な方法として違法行為を選んだに過ぎません。

 

盗聴器は室内に設置するとは限らない

盗聴器を設置するというと、室内に侵入する必要があると考えるかもしれません。しかし、実際には盗聴器を室内に設置するだけでなく、侵入することなく盗聴器を設置することが多かったのです。

例えば盗聴器をドアの郵便受けの中に盗聴器を投げ込むだけでも、狭い独身者用の室内なら音声を盗聴することが可能でした。玄関と部屋の仕切りにドアがあれば盗聴器は意味をなしませんが、事前に間取りを調べ上げることで盗聴を行っていたなんて時代もありました。

また、昔は盗聴器の使用方法について探偵学校で教えていた、なんてこともあったのも事実です。ただし、その場合は盗聴器の使用においても、住居侵入やプライバシーの侵害の可能性を出来るだけ排除した手法(路上などの公共の場所で使用する)などでしたが、それでも法のグレーゾーンに入っているのは間違いありませんでした。

これは、いわば探偵業界における黒歴史に匹敵するものです。こうした過去は否定したいものですが、事実あったものはあったものとして、多くの探偵はその過去を受け入れています。

 

探偵が変わり始める

ダーティーなイメージ通り、過去には違法調査に身を染めてきた探偵ですが、その流れも平成19年に施行された探偵業法以降、大きくその歩みを変えてきています。

また、違法な手法に手を染める探偵達が逮捕されたり、次々と業界を去ることで、業界の中によどんていた水は入れ替わり、より健全な形へと進化しています。

探偵業界は完全にクリーンなわけではありませんが、それでも変化は止まりません。大手、中小を問わず、どんな探偵社でも業界の健全化に興味を示し、各社様々な方法で健全化の道を進んでいます。

結果、健全化や探偵のあり方を巡り、探偵社間の競争や争い、議論も増えていくでしょうが、その裏には、探偵の健全化という同じ目標でもあります。過去を乗り越え、今、皆さんの知っている探偵ではない新しい探偵が今うまれようとしています。