理解できない!いやがらせを行う犯人の目的は?

 

いやがらせを受けている人はかなりの数がいます。しかし、その多くはいやがらせを受ける理由も、いやがらせを行う相手の名前をわかりません。では、犯人はいやがらせを行うのか?その理由について、探偵としての経験をふまえて詳しくご説明させて頂きます。

 

目的1『ストレス発散』

 

いやがらせを行う人の多くは、自分が抱えているストレスを発散するためにいやがらせに手を染めています。

ストレスというのは誰でも溜まるもの。

どこかで発散しなくては生きて行くことはできません。

しかし、いやがらせのような悪質な方法でなくとも、ストレス発散は出来るものです。歌を歌う、体を動かす、本を読むなど、ストレス発散の方法が数ある中、なぜ彼や彼女達はいやがらせでストレスを発散するのでしょうか?

反社会的な活動ほど快楽がともなう

 

ストレス発散の方法の中でも、反社会的な行動ほど快楽が伴うものはありません。

社会道徳的に行ってはならない行為に伴う快楽は、一般的に「背徳感」と呼ばれています。

背徳感は、危険を伴う行為を行うことによって出るアドレナリンが行為の快楽を高める働きを持つものではり、道徳心が強く、真面目な人間ほど出るアドレナリンの量は増加します。

 

まじめな人間ほど、悪戯でストレスを発散したがる

嫌がらせでストレスを発散するひとは、決して根っからの悪党ではありません。

私が見てきた加害者は、一般的な主婦やサラリーマン、公務員、真面目な進学校の学生などが多く、良く言われるような反社会的な立場に立つ人々ではないのです。

彼らがいやがらせに手を染めるのは、真面目でストレスをため込みやすい性格のせいです。

また、運動などへの苦手意識が強い人や、何か新しいことへ挑戦することを躊躇うコンプレックスを抱えています。

性格的にはネガティブであり、自尊心が低く、自信が見られるような人はまずいません。

こうした人間ほと、嫌がらせを安易なストレス発散方法とします。

まじめであるがゆえに、背徳的な活動で得られる高い快楽と、その手軽さにはまってしまう人は、やはり弱い人達だといえるでしょう。

 

目的2『他人の不幸によって得る幸福感』

 

いやがらせをする人間の心理の根底にあるのは、他人の不幸によって得られる幸福感です。

このような心理作用はどんな人間にも備わっており、被害者である依頼者にも多く見られます。

 

他人の不幸は蜜の味

人間は自分よりも不幸な人間を見ると安心します。

こころ平穏とは、環境に大きく依存するもの。自分が不幸であると思う人間はその思い込みからストレスをさらに強めて行きます。

職場や金銭問題、人間関係、恋人や配偶者の有無など、ありふれたストレスは、自分と他者を比べることによって起きるストレスなのです。

こうしたストレスから逃れるためには、回りの環境に自分が適応するか、回りを自分に合わせるという2つの極端な解決方法を考える人が多いです。

どちらにせよ、それらのストレス解決方法は一時的なものにすぎず、自分を不幸だと思う限りストレスは継続して発生します。

いやがらせを行う人間は、自分を変えることよりも、回りの環境を変えることを選んだけっか、嫌がらせを行い、他人に不幸を与えます。

これにより、自分よりも不幸な人間を自ら作り出すことにより、一時的ながら優越感や安心感を得ているのです。

 

激しい嫌がらせが目立つ

他人の不幸を量産することによって自身の不幸を忘れたがる人達は、嫌がらせのなかでも本人が大切にしている資産を破壊することを目的とします。

愛車のタイヤにナイフを突き立ててパンクさせる、大事にしている鉢植えを割る、学生の自転車を倒したり、物を盗んで破棄するといった行為がこれに当たります。

さらに、行為は一人の特定の相手にとどまらず、不特定多数に対して一気に嫌がらせを行うこともあります。

駅の駐輪場で次々とタイヤをパンクさせることや、駐車場で車のミラーを連続して割ったりなど、より多くの不幸な人間を作ることを目的するような人間もいます。

 

目的2『病的な習慣』

 

いやがらせ犯は、その全てが悪意によって行動しているわけではありません。

中には自分ではやめたいのにもかかわらず、いやがらせを続けてしまうような人もいます。

 

他人の手紙を盗み続けた主婦

私が過去に行ったいやがらせ調査の中には、他人の手紙を延々と盗み続けたという主婦がいました。

実は彼女は、過去にそうした行為を自ら認めて旦那さんに告白。

自分で警察に出頭し、カウンセリングも受けていました。

ところが、引っ越し先でも再び同じような癖が再発したそうなのです。

他人の手紙を盗んでしまうことは、主婦の意志では止められないそうでした。

症状としては、万引き癖と同じらしく、急にポストに入っている手紙を盗みたくなるそうで、手紙の内容も、相手も、特に関係ないそうでした。

 

いやがらせの依存

 

いやがらせの中でも、ものを盗むという行為は報酬系に強い働きを促します。

脳の報酬系といわれる機能は、特定の行動によって対価が生まれることを学習させる機能であり、もの手に入ることで出る快楽物質により、行動をパターン化、反復させるようにします。

報酬系は本来、仕事をする=お金が手に入る といった生活になくてはならない機能ですが、まれに盗みを行う人間にも強い報酬機能が働くことがあります。

盗みは、他人のものを盗むという背徳的な好意+物が手に入るという二重の快楽を与えます。

この快楽を脳がいったん覚えてしまうと、そこからなかなか抜け出すことが出来ず、ついには常習的な窃盗犯を生み出すに至ります。

 

目的3『恨みによるもの』

 

特定の人間に対してのみ、執拗にいやがらせが行われる場合には、被害者は加害者から強い恨みを抱かれている可能性があります。

個人への恨みをもっていたとしても、その大半はいやがらせにまで発展しません。

また、恨みをぶつけるためには正々堂々とした直接対決を好む人も多く、陰湿ないやがらせをわざわざ好む人はいません。

しかし、恨みを抱いた結果嫌がらせに発展する人は、どうしても嫌がらせでしか目的を達成できない理由が潜んでいます。

 

自身の無さ

いやがらせとは、相手に直接危害は加えられないものの、自分も危害を加えられる可能性はありません。

それにより、体力的、頭脳、容姿、経歴やステイタスなど、自分に自信が無い人ほどいやがらせによって問題を解決しようとします。

こうした理由から、嫌がらせは年配の男性、もしくは中年の女性が多いと考えられます。

両者は肉体的な衰えにより自信を無くしており、恨みを抱いたものの、自分では敵わないことを必然的に理解しているのです。

しかし、それでも自分の復讐心を達成させたいと考え、嫌がらせという方法で問題を解決しようとします。

 

強すぎる恨みは逆恨みが大半

 

いやがらせをするほどの強い恨みを抱く加害者ですが、その多くは、被害者には特に何の非も見当たらず、加害者が一方的に逆恨みをしているだけです。

加害者が逆恨みをするのは、加害者自身になんらかの精神的な疾患があることが多いです。

いわゆる被害妄想と呼ばれるものに近く、他人から見ると大したことが無くとも、本人にすると、まるでいきなり殴りかかられたかのように激怒するのです。

 

妄想に取りつかれた強すぎる被害者意識

強すぎる被害者意識をもったいやがらせ加害者達は、もっとも危険ないやがらせ犯でしょう。

彼らは自分のことを一方的に攻撃された被害者だと考えているため、嫌がらせを行うことに何の躊躇もありません。

また、強すぎる被害者意識をもつ加害者にとって、いやがらせはただの序章にすぎません。

なぜなら、自分が嫌がらせをしたことで、相手からも嫌がらせをされる妄想を常に抱くようになるからです。

彼らは精神的に強くありません。

だからこそ強い被害妄想に取りつかれ行動にでますが、やった分だけやり返されることを常に恐れているため、今度はいやがらせをされる被害妄想に取りつかれるからです。

 

嫌がらせが嫌がらせでなくっていく

 

被害妄想に取りつかれて嫌がらせを行い、今度はさらに強い被害妄想に取りつかれはじめた加害者は、もはや嫌がらせ程度では我慢できなくなります。

もともと臆病な人間なかれらも、妄想の中で被害を受け続けることで、次第に直接的に被害者と接触し、文句や怒鳴り声をあげていくでしょう。

これも、彼らにとっては自分の身を守るために必要な行動だと思い込んでいますが、本物の被害者からすと、本当に良い迷惑なのです。

しかし、こうした相手に注意を促しても効果はありません。

それどころか、相手は自分が攻撃されたと思い込み、さらに恨みを募らせていくでしょう。

その結果、最終的に加害者が障害事件や殺人事件を起こす、もしくは近隣住民に対して一斉に大規模な破壊活動(ドアや壁にスプレーで落書きをする、車を一斉に壊す、ドアの卵や汚物を投げつける)といった行動が起こりはじめます。

近隣住民に対する突然の襲撃や破壊活動は、事件が起これば一気にニュースになります。そのため、多くの人がこのような不可解な事件を見たことがあるでしょうが、そうした事件のはじまりには、加害者の小さないやがらせから始まることが多いのです。

 

集団ストーカー妄想や監視盗聴妄想が併発

 

最終的に危険な存在となりやすい、被害妄想型のいやがらせ犯人は、ある意味では自分自身の被害者ともいえます。

私がかつて担当した案件の中にも、加害者が強い被害妄想にとりつかれ、加害者にたいして嫌がらせを行っていました。

その人物は(仮称A)は、調査の結果すぐに判明しましたし、依頼者にも心当たりのある人物でした。

しかし、調査の結果、加害者は依頼者だけでなく、他にも何人かの近隣住民との間にトラブルを抱えていること、さらには強い被害妄想により、過去に探偵社に依頼して、盗聴発見調査をしてもらったことがわかったのです。

探偵社には、被害妄想にかられた人達から依頼を受けることが良くあります。

その大半は、近隣住民に集団でいやがらせを受けていると訴えています。

被害妄想によって生まれる、空想のいやがらせは様々です。

・窓からレーザー光線を当てられる(レーザー盗聴を受けている)・室内に盗聴器や監視カメラを仕掛けられている

・深夜に大きな声がしてドアを叩かれる

・家に居ない間に室内に誰かが侵入している

・外出するとき、近隣住民が集団で自分の行動を監視してくる

こうした被害妄想を持っている人間が探偵社に調査を依頼してくると、大抵は自分が圧倒的な被害者であることを訴えます。

また、被害者として仕返しをしてやったと自慢気に話し、彼らがいかに恐ろしい相手で、陰湿なのかという事も力説するような人もいます。

 

被害者と加害者が逆転

被害者と加害者がまるで逆転してしまい、いっこうに嫌がらせをやめない加害者を止めるのは難しいです。

仮に調査の結果証拠を掴み、警察に通報したとしても、彼らは自分のいやがらせは正当な復讐でると思い込んでいるため、警察も敵であれば、警察に相談した人間をよけいに逆恨みして、行為をさらにエスカレートさせることもあるのです。

こんな人間のいやがらせを止めるには、どうしても医師の力と、本人が自分の被害妄想を認め、治療を行う意志を見せなくてはなりません。

現在、日本の法律では嫌がらせ程度の軽犯罪では、加害者を強制的に更生プログラムに参加させることはできないのです。

 

接触は出来るだけ避ける

加害者が強烈な被害妄想の持ち主である場合、本人とはまず話が通じないと思っていいでしょう。

また、出来るだけ加害者との接触は避けたほうが良いです。

彼らは妄想によって自分が被害者である状況を常に作り出そうとします。

何を話しても逆恨みをされる可能性が高いので、極力接触は避けましょう。

 

加害者の家族に訴える

本人とは話し合いが全くできないので、出来ればその家族と直接話し合うようにしましょう。

損害賠償請求などを本人に直接行うのも危険です。

強い被害妄想を抱いている人間なら、逆恨みをする絶好の機会を与えるだけのようなもの。

被害金が支払われたとしても、嫌がらせが止まることは無いかもしれません。

しかし、被害者と話し合うことが出来ずとも、その家族とは可能です。

兄弟や親類が居ないか調べ、被害を受けていることを伝えることが肝心です。

また、その時にはご家族には自分の名前を出さないようにしてもらいましょう。

もしも名前が挙がると、さらに被害が酷くなるかもしれないからです。

   加害者に家族がいるかどうか調べるには、警察などに相談するのが良いしょう。本人に治療を受けさせるためなら、警察も家族に相談することに乗ってくれるかもしれません。

出来るだけ自分と被害者の間に人をいれることで、それ以上被害者に逆恨みされないように心がけましょう。

 

まとめ

被害妄想を強く抱いた加害者から自分の身を守るのは楽ではありません。

もし可能であれば、近隣から引っ越すことも考慮しなくてはなりませんが、被害を受けて引っ越すのはあまりにも被害者が辛いだけです。

出来るだけ加害者とのかかわりを断ち、本人に治療を促してもらえるよう、その家族や専門家に助力を求めるほうが良いかもしれません。