カメラを使えて一人前!探偵学校での撮影訓練風景

探偵学校で学ぶ撮影技術は、一般的な撮影技術とは大きく事なります。

ストロボやレフ版もなければ、スタジオもありません。狙う相手も静物でもモデルでもなく、私達と同じ人間。

しかもバレることなく撮影することが求められているため、その技術も非常に特殊なものとなっています。

撮影機材の使い方

はじめに教わるのは、撮影のために使う機材の種類です。

私が通っていた学校でまず渡されたのは、市販のコンパクトビデオカメラです。

今でもビデオカメラは安いものではありませんが、当時のコンパクトビデオカメラはかなり高額の商品。

そのため、新品などはまず貸してはもらえません。ただ、その擦り切れ方は相当使い込まれたもので、人目見て現場で使用されていたものだと思いました。

ビデオカメラの使い方は誰でも簡単に覚えられます。

探偵事務所の中にはメイン機材として一眼レフ、もしくはコンパクトデジタルカメラ使用している所もあります。

その場合はビデオカメラよりも習得に時間が掛かります。

 

ビデオカメラの撮影方法を学ぶ

続いて行われたのがビデオカメラを使った撮影方法です。

探偵が行う撮影部分は特殊です。

カメラを真正面に構えることはまずありません。

私の目の前で講師は、まずビジネスバックを肩にさげ、バックの隙間からカメラのレンズだけを覗かせるように構えたのです。

少し離れて正面から見ると、バックの中に手を入れているように見えますが、近づくと確かにカメラがバックの中から覗いています。

その状態で液晶パネルを展開し、バックの中を覗きながら撮影を行うのです。

他にも、デジタルカメラを両手で多い、腰の正面や横で構える方法をも教わりました。この場合は、出来るだけ両手を組んで立っているように見える方法が好ましいとのことです。

他にも、カメラの構え方は幾つもあります。

現場では、バックの中に穴を開けてレンズだけをのぞかせる方法が一般的。最近ではスマートフォンとリンクさせられるので、傍目から見るとスマホを覗いているだけにしか見えません。

 

尾行訓練中に行う撮影訓練

探偵学校では、まず撮影だけを行うような訓練はありません。

探偵にとっての撮影とは、常に尾行や張り込みとセットで行うからです。

そのため、学校では尾行訓練と同時に撮影訓練もスタートします。

尾行中の撮影で一番はじめに私が躓いたのは次の三つです。

私が困ったポイント
  • 画面のブレ
  • カメラの隠し方がわからない
  • ズームが間に合わない

この三つのポイントは、私自身がはじめての訓練で感じたポイントです。また、多くの人がいずれ必ずこのポイントで難しさを感じることが多いかもしれません。

 

画面のブレ

尾行訓練が始まる前に、各々には一台づつ訓練用のビデオカメラが配られました。

当時は初めてさわるカメラで、なおかつ初めての撮影。上手くやれるかどうかわからず、とにかく緊張していました。

そして案の定、尾行が始まった直後から連続してトラブルにまみれることになります。

歩きながらの撮影はブレが連発

対象者役の講師が建物から出てくるシーンを撮影し終えたあと、すぐに尾行に入りました。

その最中、尾行中の対象者をなんとかカメラで抑えようとするのですが、撮影中にどうしても対象者を抑えることが出来ません。

むしろ、画面はとにかく上下に揺れており、対象者を抑えるためには立ち止まり、しっかりと対象者を抑えるしかありません。

 

画面を見ていると、対象者が離れていく

しっかりと撮影をしようと立ち止まっている間、視線の先は常に液晶画面にあります。

すると、その間に自分と対象者の距離はどんどんと離れていき、対象者が人込みにどんどんと紛れていってしまいました。

これはまずい・・・・そう思って撮影を中断。すぐさま対象者を追いかけ、人込みの中からなんとか見つけることに成功しましたが、本番ならこんな事は絶対に許されません。

人の多い場所で対象者と距離を開けてしまうと、そのまま対象者を発見するまでの間、近くのビルにはいったり、路地に入って見失う可能性があるからです。

撮影に夢中になるがあまり、対象者を一時的に見失うことはその後も連続しました。

特に、駅の改札口を抜ける瞬間は、事前に講師に撮影しろと言われていたポイントであったので、周りの訓練生のほぼ全員がその場で立ち止まり、画面を注視しながら撮影していました。

ところが、その改札は利用者の多さで有名なあの新宿駅です。

画面を注視している間に、あっという間に改札を抜けた対象者に間を離されてしまった私達は急いで対象者を追いかけましたが、何名かはそのまま対象者を見失ってしまいました。

それだけ、尾行中に画面ばかり注目するのは危険なのです。

 

カメラの隠し方がわからない

訓練中の私は常に撮影に気を付けていました。

しかし、そのせいで犯してしまった大きなミスがあります。

それは、撮影に夢中になるがあまり、カメラを時々隠しわすれてしまうという事です。

この部分は、あとに講師に言われてはじめて気が付いたのですが、回りの訓練生を見ていても確かにカメラが目立過ぎていたり、反対に目立たないように隠すあまり、姿勢が不自然になっている人が多かったのです。

という自分も、自分では気が付いていないだけで、はたから見ればかなり怪しい動きをしていたそうです。

こうした部分は自分一人ではどうにもなりません。

講師に見てもらったり、カメラの撮影の動作を鏡の前で行いながら、徐々に修正していくしかないのです。

ズームが間に合わない!

尾行訓練中にやっかいだったのが、ズームをするのが間に合わず、対象者がとても小さくなってしまう。もしくはズーム中のピンボケ映像しかないという現象です。

ビデオカメラの場合、ズーム中にはどうしてもピントがズレやすくなります。しかし、もしもホテルに入る瞬間にズームが遅れてピンボケになってしまったら・・・これを防ぐには、やはり訓練しかありません。

ただ、講師の方に質問すると「尾行をしていると、自然と相手の次の行動がわかる。1秒でも相手の行動をはやく読めれば、ズームも1秒早くできる」と言われました。

 

そんな馬鹿な。。。と思ったのですが、これも実際に尾行をしていると、相手が行動を起こすほんのわずか先に、次の行動が読めるようになるのです。

これが出来なければ、どんなに良い機材を使っていても、徒歩尾行中に決定的瞬間をアップで抑えることは難しいのです。

 

まとめ

撮影訓練の様子はいかがでしたか?

一筋縄ではいかず、かなり難しそうに思えたかもしれませんが、実際に訓練をしてみると面白いことも沢山あり、楽しんで撮影訓練に励んでみましょう。