探偵を目指す時、誰でも考える将来は『探偵として自分の事務所を構えること!』だと思います。
こうした夢を描く人がとても多いので、世の中には自分で探偵事務所をやっている個人事業主や一人社長の探偵が沢山あふれています。
ただし、何のノウハウもなく探偵事務所を開くことは危険です。
探偵業界で成功している探偵事務所代表の多くは、探偵学校や大手探偵社で経験を積んで独立しています。
探偵は独立して一人前?
探偵になりたいと思う時、多くの人は自分で事務所を持ち、その事務所の代表として探偵となることを望みます。
その理由は、探偵について描かれたフィクションや情報など、ありとあらゆるものが、個人として独立した探偵を描いているからです。
中には組織的な探偵社を描くものも多いですが、個人として独立した、或る意味では「浮世離れ」した探偵像にこそ魅力を感じる人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
さらに、業界の中では探偵社につとめるサラリーマン探偵を「調査員」と呼び、個人で独立した人間をはじめて『探偵』と呼ぶ習わしもあります。
それだけ、探偵は将来は独立を周りからも望まれるもので、独り立ちして初めて一人前と言われる世界でもあります。
この様な事情から、探偵になる人の中には、はじめから個人事業主としての探偵からスタートすることを望む人が多く存在するのです。
ノウハウなく開業するのは危険?
個人としていきなり独立を望む人が多い探偵業界ですが、いきなりなんのノウハウもなく独立開業するのは危険です。
むしろ、そうした行為が簡単に出来てしまうからこそ、いきなりの開業は他業界よりも危険と言われます。
個人開業が簡単すぎるゆえのリスク
探偵は一般的な日本人なら誰もが明日からでも始められます。
探偵業の届を提出するのに国家はありません。
また、開業のために必要な資金も100万円以下で収まることが殆どであり、現在、この日本ではキャリアが殆どない個人事業主探偵が多数存在します。
ところが、これが実は大きな盲点となっています。
探偵業が何の届も必要にならならない以上、競争率は各段に上がります。
また、資格によって業務内容が担保されない世界は、完全な実力主義社会でもあります。
知識も技術もないまま競争に挑むことは、もはや自殺行為と言っても過言ではありません。
実力主義社会である探偵業界では、営業力と調査力の二つが探偵事務所を運営するために必要な『経営力』となります。
営業力に関しては、他業種の経験を流用することでも十分通用しますが、調査力に関しては、やはり誰かから教わる必要があるでしょう。
費用がかからない分、技術が全ての世界
探偵業を開業するのに必要な費用は、他の業界に比べても圧倒的に低いです。
費用がさほど必要ではない世界の仕事は、その分だけ一個人の能力が問われる世界でもあります。
つまり、機材の性能やマニュアル化された通りに仕事をするだけで仕事を得られるようなことはまず無いです。
個人事業主として探偵をはじめるのに必要なのは、車両、撮影機材、パソコン、ネットワーク環境、そして部屋が一つ位なものです。
こうしたものは誰もが持っていますし、中には1円も費用をかけずに個人事業主として開業できる人もいるでしょう。
ただ、問題は同じような環境でスタートを切っている探偵が、この業界では何百人もいるということです。
彼らは機材の性能よりも、個人としての能力で仕事を得ています。
技術や知識はもちろん、仕事を得るためのコネクションを築くことが出来なければ、探偵業を成功させることは不可能でしょう。
探偵業の経営は楽ではない?
世間的には安定していると言われる探偵業界ですが、実際に安定しているのは大手や中規模の探偵社のみです。
業主として探偵を始める人は毎年何百人もいますが、その大半が数年以内に事業が回らなくなります。
その理由は、業界のシェアを奪い合う競争があまりにも激しいからでもあります。
探偵業界の市場規模は大きくない!
探偵業界の市場規模は年間1200億円と言われています。
他業種に比べれば、やはり大きな市場とは言えません。
もしも参入して利益をあげるとしたら、年間数兆円規模の飲食業関連のほうがチャンスは明らかに多いと言えます。
大手探偵社がシェアの過半数を独占
年間1200億円と言われる探偵業界ですが、そのシェアの大半は大手探偵社が独占してます。
大手探偵社が独占できる最大の理由は、探偵業界は全国展開することと、資本にものを言わせた広告戦略こそが最大の効力を発揮するからです。
全国に展開する必要があるのは、依頼者の絶対数が一県では圧倒的に少ないからです。
会社を運営するなら、隣県への出張は当たり前、もし会社を大きくするなら、全国に支社を展開するのが普通の業界です。
また、探偵業界は今や広告戦略こそが最も大切な世界です。
探偵社は誰かが思いつきや好奇心からフラっと立ち寄ってくれるような仕事ではありません。
口コミも期待できず、地域に根差した活動も難しく、広告を撃ち続けて依頼者を捕まえるしか、新規の顧客を手に入れることは難しいのです。
その中で、資本力のある探偵社の広告戦略にかなうものはありません。
自社メディアを運営することや、アフィリエイト広告、街頭看板、大量のポスティングなど、大手探偵社ほど資金をつぎ込み、ありとあらゆる手で依頼者を捕まえています。
探偵としていきなり開業するのはリスクが大きすぎる?
探偵としていきなり開業するのはリスクがあまりにも多きすぎます。
外見的には、誰もが簡単にはじめられる面白い仕事のように映りますが、その実態は熾烈な生存競争や、シェアの大半を持つ大手探偵社からいかに自らのシェアを守るのか、もしくはシェアの奪い合いをさけ、下請け探偵事務所として徐々に力を付けていくかなど、他の業界と同じか、それ以上に厳しい世界です。
こうした世界であることを知らずに個人として探偵業をはじめるのは危険です。
出来れば、探偵学校に入り、業界の実態を知ると共に、知識と技術、そしてコネクションを形成して、競争に生き残れる探偵として事務所を開業するほうが、より利に適っているのです。
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