探偵は盗聴器を使わない?探偵の方法については

探偵というと、世の中では調査のために何でもやるような仕事に思われがちです。

中でも、調査のためには法律も冒すのが当たり前の完璧なアウトローと思われ、「盗聴器って使ったことある?」なんて尋ねてくる方もいます。

そこで今回は、探偵業界と盗聴器の関係についてご説明させて頂きます。誤解を解くためには、事実のみを語るのが一番でしょう。

 

探偵と盗聴器の噂と真実

 

探偵と盗聴器を関連づける人達の大半は、フィクションなどから得た知識などからです。

例えば、アメリカの探偵を主人公とした名作映画『8mm』では、主人公である腕利きの探偵が盗聴器を使用して情報収集をしています。

また、日本の探偵漫画として知られる「覗屋」でも盗聴器が使用されています。

他にも、探偵が盗聴器を使用するというフィクションが幾つもあります。

これらによって、探偵が盗聴器を使っていると思われるのは、探偵たちからすると確かに迷惑です。

 

本当に探偵が盗聴器をしないのか?

 

しかし、探偵が一切盗聴器をしようした事もないのに、フィクションの世界で盗聴器が登場することはありえません。

なぜなら、探偵物のストーリーを作る人間の多くは、本物の探偵に必ず取材協力を求めているからです。

私個人も、かつて制作会社や作家から作品のために取材を受けた経験があります。

特に、職業ものとしての探偵コンテンツを作る時に、プロであるほど必ず取材をして、実際の探偵像を知ってから作品を作っています。

また、日本における探偵映画監督である林海象氏や、その作品に出演する役者は、探偵学校に通って本当に探偵の教育を受けています。

 

過去には確かに盗聴器の使用も

 

事実だけを言えば、確かに探偵業界では、かつて調査のために盗聴器を使用する探偵があちこちにいました。

ただ、そうした時代は、かなり昔の話で、私が探偵になった頃には、すでに盗聴器は探偵業界から消えていました。

 

探偵学校で盗聴器の使用方法を講師が説明

 

私が探偵になった時には消えていた盗聴器ですが、探偵学校では講師が盗聴器の使用方法についてレクチャーしていたことを覚えています。

探偵学校では、主に盗聴器の使用方法ではなく、盗聴器の発見方法について学びます。

その中で、当然のように盗聴器の仕組みや設置位置についても学ぶことになりますし、盗聴器を仕掛ける人間の行動パターンについても学びます。

そうした講義の中で、とある講師が次のような話をしました。

「盗聴器を使用する例として、室内ではなくドアの横に設置するという方法があります。

この方法で、ドアの開閉を音で感知して、対象者が出て来るタイミングを計るのです」

また、講師はこの方法はとても古いものであり、自分も経験したものの、雑音が酷くて音の開閉は確実に捉えられないこと、今ではまず行わない方法であるという説明も付け加えていました。

この講師の話が本当ならば、盗聴器は、確かに探偵業界で使用していました。

ただし、その主だった方法は屋内への設置ではなく、屋外の外壁などに設置する方法が主流だったようです。

 

盗聴器による調査を得意とすると発言した探偵

 

盗聴器発見を行う探偵は、同時に盗聴器の違法性についても熟知しています。

法律の知識が学校や研修で学ぶことが多く、盗聴発見を行うことの多い探偵なら、まず誰もが知っていると思って良いでしょう。

ところが、私が探偵になってしばらくした後、別の会社のある探偵が「盗聴器を行って調査をします」と、堂々と発言しているのを耳にしたのです。

これにはさすがに驚き、翌日、私は知り合いの先輩探偵に「盗聴器を使う調査なんて、本当に出来るんですか?」と尋ねると、その先輩は正直に説明してくれました。

 

「私自身もかつて盗聴器を使用したことがある。もちろん、違法だと分かっていたが、

当時、盗聴器を使って情報を取ることに対して、回りは否定的ではなかったんだ。

今ではとても後悔しているから、お前もそんな事は絶対にするな」

先輩のこの言葉は今でも忘れていません。

盗聴調査が実在したこと、また、かつての探偵業界では、住居不法侵入を犯さない屋外で盗聴器を使用することに抵抗を覚えない人が多かったことなど、それはまぎれもない事実だと感じました。

その後、盗聴器調査を得意としていると言っていた探偵は別件で逮捕されました。

探偵の世界は、違法調査に手を染めようとすれば、簡単に手を染めることが出来ますし、盗聴器を使用すれば、より簡単に情報が取れることも理解できます。

しかし、その結末が探偵の逮捕であるという現実は、まさしく、業界の闇を現した一例だったと思います。

 

変わりつつある探偵の世界

 

かつては盗聴器を使用した調査はあったものの、探偵業界はその過去を認め大きく変わっています。

調査方法はよりクリーンに、より依頼者に信用される企業と、その集合体である業界を目指して、違法調査とはきっぱりと縁を切る探偵が大半を占めています。

ただ、いまだに探偵が過去に行っていた違法性の高い調査は、その傷跡を多く残しているようにも感じますし、そうした傷は、フィクションの世界に登場する探偵に色濃く残されています。

しかし、そうした過去を完璧に払しょくせず、より依頼者に信用される業界になるための反省材料として活用している探偵達が殆どです。

前述の先輩が私に過去の違法調査を正直に話してくれたのも、その後に続く現在の探偵達が、過去の自分達と同じような過ちを繰り返させないためでもあります。

盗聴器と探偵の関係は、まさしく過去に犯した大きな過ちという関係です。

ですが、業界はもうあの頃とは大きく変わっていますし、依頼者が知っているダーティーな探偵像は、この業界ではもはや古いものとなっています。

 変わりゆく探偵の目的は、依頼者により信用されるためしかありません。探偵を利用される方は、やはり未だ信用のおけない探偵業界を厳しい目で見て頂き、努力を怠らない良い探偵社を選んでもらえれば幸いです。