探偵は辛いよ!夏の張り込み編

夏場の張り込みは、ある意味では真冬の張り込みよりも辛いものがあります。特に厳しいのは炎天下の日ですが、ある知人の探偵は「夏の張り込みで死にかけたこともある」と笑いながら喋っていました。

死にかけた経験を笑いながら喋れるタフネスさは凄いですが、一体どれだけ夏の張り込みがきついのか、探偵の仕事を知らない方には分かりませんよね?

そこで今回は探偵の面白話として、夏場の張り込みにの辛さをご紹介させて頂きます。

炎天下の中、エンジンを切る?

普通ならクーラーの効いた室内に逃げ込みたくなる様な炎天下であっても、探偵はあえて車のエンジンを切らなくてはならない時があります。

というと、なんかカッコイイし張り込みをする探偵の姿もスゴイ男前っぽいですね。

けど、実際はこうです。

 

探偵「はぁ……しょうがないな」

 

もちろん、こういう探偵ばかりでは無いんですけど、最近の夏の暑さときたら尋常では無いですからね、エンジンを切るのにも色々と覚悟が必要です。

エンジンを切るのは周りに迷惑を掛けないため

都心部や町中では立って張り込みを行うことも多いのですが、それ以外は基本的に車の中から張り込みを行います。そのため、車のエンジン音があまりにも五月蠅いと、近隣住民の方から注意を受けたり、不審者として通報されてしまうこともあるのです。

最近はハイブリット車が出てきたので、エンジン音で回りに迷惑をかけることも少なくなりました。しかし、新車よりも目立たない中古車を使うことの多い探偵業界では、古い作業用バンなどのエンジン音が煩い車が、まだまだ現役で活躍しています。

そんな車の乗ってしまい、周辺への警戒心が強い地域で張り込みをするとなれば、真夏でもエンジンを停止させる必要があります。

クーラーが使えない

真夏にエンジンを切ってもクーラーが使えると思っている人も居ます。

しかし、最新のハイブリット車であっても、エンジンを切った状態でクーラーを稼働させて動かせる時間は3~4時間が限界です。それが古いタイプの車となればさらに少なくなるので、バッテリー切れが恐ろしくてとても使えたものではありません。

また、エンジンを付けない限り冷却効果は望めないので、生暖かい風を浴びるだけになります。

手動扇風機が救い

炎天下の中、エンジンを切った車内はいっきに蒸し風呂状態になります。車の窓を全開にしてもあまり効果は無いので、アナログな内輪や手動扇風機が活躍します。

私が良く使っていたのは、電気屋さんで手軽に買える電池タイプの手動扇風機でした。

これを車内の天井につるして、車の窓を換気できる最低限のサイズに空けておくと、まだマシになります。

水がすぐに無くなる

真夏の張り込みでは、車内が熱いので大量の汗をかきます。

そのため喉が渇きますが、これを我慢することは出来ません。水分補給を怠れば簡単に熱中症になってしまいます。

それも、エンジンを切った車内となればさらに熱中症の危険性は高まります。水分補給はもとより、塩雨などでしっかりと補給します。

食欲はほとんど沸かなくなりますが、それでも何か食べなければ集中力が切れるので、無理をしてでも簡単な食事をとります。

徹夜の張り込みは最高の地獄

真夏の炎天下の中、エンジンを付けれない状態での張り込みを2,3日も続けると、たいていの探偵は肉体的にも精神的にかなりまずい状況に追い込まれます。

僕の知っているある探偵は、3日間の真夏の張り込みを終えた直後、近くの公園の噴水に飛び込んでいったという逸話をもっています。

しかもその場で上半身裸になり、子供たちにまじって水を浴び続けていたらしいです。

なぜ公園の水をそんなに浴びたかったのかというと、問題は汗です。真夏の張り込みはただでさえ汗をかくのに、徹夜で家に帰れないとなるとシャワーすら浴びれません。その不衛生さのあまり頭がおかしくなってしまったせいで、近くの水場に突撃したわけですね。

この話を聞いた時、探偵の恐ろしさを初めて知った気がしました。

死にそうなら、やっぱりエンジン点火!

根性があり、真夏の徹夜にも耐えられる優秀な探偵だとしても、さすがに熱中症には勝てません。

私もかつて夏場にエンジンを切り、周囲に気を使いながら張り込みを行っていましたが、あまりにも暑い日だと、そのまま1時間もすれば集中力が無くなり、まともに張り込みが出来なくなってきます。

それから30分ほどが経つと、視界が時折白くなり(私の場合は緑っぽい白でしたが)自分の意識が保てなくなっていることが分かります。

こうなったらもう限界です。無線で周囲の仲間に連絡して「一旦離れます」と告げて、交代に別の車両を置くか、その地点からの張り込みをあきらめ、点張り(建物の出入り口ではなく、そこを出て向かうだろう通路を見張ること)に切り替えてからエンジンを付けます。

この時の気分は格別です。冷たい風が顔に当たった瞬間、「ああ、生きてて良かった」と胸を撫で下ろしながら、今さっきまで自分が死にかけて事実に身震いします。

死ぬ位ならクーラーのある場所に退避

昔ながらの根性論なら、「暑さに耐えきれずにエンジンを付けるなんて何事だ!」といった具合に怒られてしまうでしょうが、今や探偵のプロ意識も昔とは変わってきています。

まず第一に、探偵は自らの安全を守らなくてはならなくてはなりません。探偵が調査を出来なければ、その調査は誰にも出来ません。だからこそ、危険を感じたならすぐに調査中止できる判断力こそ、現在の探偵が持っているプロ意識ともいえます。

ただ、そのプロ意識も誤った方向に行ってしまうと、熱中症で私の様に死にかけることもあります。また、調査上どうしてもエンジンを切る必要があり、無茶をしなくてはならない場面もあります。

真夏の調査の最中にエンジンを切った車内にいる探偵を想像してもらえれば、これから調査を依頼しようと考えている貴方も、その調査料金の値段に納得が行くかもしれません。

まとめ

ここ最近、日本の夏はどんどんと暑くなっています。

そのため、外で仕事をする人達が熱中症で倒れることも増えていますが、それは探偵も例外ではありません。せかっくの依頼を無駄にしないためにも、ぜひとも体に気をつけながら調査を行ってもらいたですね。