全国主要都市近辺にお住みの方は、町中で探偵のポスターを見たことがあるでしょう。関東圏では黒い犬のポスターでおなじみの『AG探偵社』が有名で、中にはあのポスターのマニアの方も多いと聞きます。
また、ほかにも数多くの探偵事務所のポスターが町のいたる場所で見ることができます。大手探偵事務所だけでなく、そこには小さな探偵事務所のポスターもあるかもしれません。
それにしても、なぜ探偵事務所はここまでポスターを張るのか?広告戦略としては少し古い気もしますし、ポスターを張ったからといって、これで依頼が取れるのか?また、ポスターを見て依頼をするのは変わったことなのか疑問に思うかもしれません。
そこで、今回は探偵と町中のポスターの関係についてご説明したいと思います。
ポスターは伝統的な宣伝方法
探偵業におけるポスターの歴史はかなり長いものです。
古くは18世紀から活躍しはじめた当初の探偵は、自社の宣伝のために様々なポスターを作っていました。中でも有名なのはアメリカのピンカートン社です。
ピンカートン探偵社は18始める世紀からアメリカで活躍した探偵社であり、一時期はアメリカの州軍兵士よりも多くの探偵を抱えていたと言われます。
彼らピンカートン探偵社は自社の宣伝のために瞳をモチーフとしたロゴとキャッチフレーズwe never sleep【我々は眠らない】を新聞やチラシなど、様々な場所に露出させていました。
その後も、探偵業では様々なロゴマックや印象的なデザインとキャッチーフレーズを使ったポスターやチラシが作られ続け、今日でも街頭に張られている姿を見ることが出来ます。
探偵にとってポスターは欠かせない
探偵にとってポスターやチラシが重要な意味を持ったのは、依頼者が一体どんな場所から集まるのかまるで分からないからです。ターゲット層もとても広く、男女や年齢、職業を問いません。そうした理由から、街頭にポスターを張ることで、より多くの人に自社の存在をアピールする必要があったのです。
また、探偵業はテレビなどのCMを打つことが難しい職業です。それゆえ、自社で作成し、なおかつ広範囲の人の目に触れるポスターの作製には意欲的です。そのため、インターネットが登場するまで、探偵は営業活動の一環としてポスター配りもしており、調査の終わりなどに付近にチラシを配ったり、ポスターを張らせてくれないかと頼んでいたりしたのです。
日本で有名な探偵のポスター
ポスターの配布に力を入れていた探偵の中には、探偵に興味の無い人でも知っているような特徴的なポスターを作っていた業者が沢山ありました。そのせいか、探偵ポスターのマニアなる人まで生まれ、特定のファンを持つポスターまで生まれたのです。
探偵会社AG
関東圏では誰もが見たことがあると言われる、黒いレトリバーに「探偵」の赤文字が印象的な広告。これは、探偵社AGが長年作り続けてきた宣伝用のポスターです。
AG探偵社のポスターは非常にマニアも多く、実はファンからの要望により復刻版までも作られるほどで、探偵業界から飛び出した人気を勝ち得ています。
ちなみに、ポスターに描かれている黒いラブラドールは、AG探偵社の代表が実際に飼っていたララブラドール・レトリバーで、名前は「クロ」と言ったそうです。非常に利口なワンちゃんだったらしく、匂いを嗅がせると必ず見つけ出すことから、探偵犬としても活躍しています。なお、現在は高齢になったようで、現場からは引退し、来社された依頼者のお出迎えをしているそうです。
ファミリー総合 調査事務所
ファミリー総合調査事務所は関東圏を中心としながら、全国各所にポスターを張っていることで有名です。ポスターは各種調査項目が左側に並び『探偵』『調査』の大文字が黒と赤で描かれたかなりインパクトのあるものです。このポスターを見たことがある人はかなり多く、ポスターのみの知名度はかなり高いようです。さらに、『不審者!隣近所に声掛けて』『地域の目 子供を守る 防波堤』などの防犯標語も印象的です。
ファミリー総合調査事務所がポスターを作り続ける理由は、探偵としての知名度を高めると共に、探偵業事態の知名度を高める目標もあるのだとか。特に本社のある埼玉地方ではこのポスターを見かけたことも多いのではないでしょうか?
ポスターを張る場所
探偵は無暗やたらにポスターを張ることはありません。
ポスターを張る場所では必ずその土地や建物の所有者の許可を得ておこなっています。しかし、どうやら最近は景観への影響なのか、ポスター張を許可してくれる人も少なくなってきたそうです。
ポスターを張る探偵は減っている?
ポスター張はかつての探偵業界では当たり前の様に行われていたことですが、最近ではポスターよりもインターネット上の広告戦略が重要視されています。
ネットでの集客は探偵にとってもはや欠かすことが出来ません。今や多くの人が探偵を探す時にネットを利用しているので、いかに検索上位に自社を出すのかで様々な探偵社が苦心しています。
なかでも探偵業関連のアフィリエイトは非常に盛んであり、今や大~中規模の探偵社なら、どんな所でもアフィリエイト広告を利用しています。
しかし、それでも意外とファンの多い探偵系ポスターがネットのせいで無くなってしまうと悲しいですよね。かくいう私も、AG探偵社のポスターが無くなってしまったらかなり寂しい気がします。
探偵ポスターは永遠に不滅
探偵系ポスターが減りつつある今、ポスターという方法で宣伝を行い続ける探偵社は貴重になってきました。
また、非日常的な存在である探偵の存在を初めて知った切っ掛けとしてポスターを上げる人も少なくありません。意外にもマニアックなファンが多いポスターだけに、今後もポスターを作り続けて欲しいですね。
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