調査対象者とは?

調査対象者とは、依頼者が調査して欲しい人物を指す言葉です。

探偵社ではこれを「対象者」「マル対」「一対」などと略して呼ばれています。

調査ではかならず調査対象者が存在しますが、それは依頼者が居て初めて存在します。

これが報道関係の仕事の場合、依頼者は自社であるため、記者の判断で調査対象者を決めて調査を行います。

一方、探偵社は依頼者が調査対象者を決め、探偵は依頼者の代理人として調査を行うので、探偵が調査対象者を決める事はできません。

調査対象者の種類

調査対象者は依頼者によって決められますが、調査の内容によって以下の様な依頼者との関係性を持つ事が多いです。

浮気調査の場合

浮気調査の場合は依頼者の妻や夫、もしくは彼氏や彼女が必ず調査対象者となります。

これがもしも婚姻関係や恋愛関係に無い人間を調査対象者に設定しようとしても、ストーカー規制法違反に抵触する恐れがあるので探偵社に依頼する事は不可能です。

ただ、依頼者が夫婦どちらかの親、もしくは兄弟であり、調査の事実を依頼者が知っている場合は、依頼者が本来の依頼者の代理人であるという位置づけになるため、ギリギリ浮気調査の範疇に入ってきます。

結婚調査

結婚調査の場合、依頼者は結婚予定の人物とその家族や友人となります。

そして調査対象者はその婚約者と家族、友人となります。

ただし、家族や友人、知人まで調査が及ぶとしても、主な対象者は婚約者である事が多いです。

所在調査

所在調査における調査対象者の種類はどの調査よりも遥かにバリエーションに富んでいます。

かつての恩師、昔の友人、元同僚、生き別れた兄弟などなど、調査対象者と様々な関係性をもった依頼者が探偵社に訪れます。

ただ、最近は「元恋人」「元婚約者」などを対象者として調べて欲しいという依頼に対して、各探偵社は警戒心を強めています。

その理由は2013年に発生した逗子ストーカー殺人事件。

この事件ではストーカー犯が探偵に元恋人を探して欲しいと偽の依頼を行い、ストーカー相手を探しださせ、その調査報告書を持って依頼者を襲ったという痛ましい事件でした。

この事件の後、探偵業界内では「元恋人や元配偶者を探したとい」う所在調査の依頼そのものがストーカー規制法違反に当たる可能性があるとして、身元の紹介や関係性を証明できる証拠などを提出してもらう会社もあります。

また、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害によって離婚した加害者が探偵を使って被害者を対象者として調べさせようとする事例も相次いでいます。

行方不明者捜索

行方調査捜索における調査対象者は、警察署に届け出がなされている行方不明者のみです。

調査対象者となりえる人物は家出した少年少女、仕事のストレスで行方を眩ませたサラリーマン、働けなくなり自殺を考える老人など、ありとあらゆる人物が調査対象者となりえます。

ただし、探偵社が受け付けているのは行方不明者の届け出が出された人物のみ。行方不明者の届け出が出されていなければ行方調査の捜索を行う事はできません。

その理由は、探偵社が行う行方調査の半分が市民の皆さんに「行方調査の捜索にご協力ください!」といってお願して回る方法を取るからなのです。

もしもこれが行方不明の届け出が成されていない人物を同じ方法で探し出してしまうと、情報を得るために探偵社が嘘を付く事になりますし、調査対象者に多大な迷惑を掛けてしまいます。

また、行方不明者の届け出が行われて居ないと、得られる情報の数も圧倒的に少なくなってしまうため、調査対象者を探しだす事が困難になってしまいます。

ストーカー調査

ストーカー調査においては、対象者はストーカー加害者、依頼者はストーカー被害者となります。

調査対象者と成りえる人物は多岐にわたりますが、中でも元恋人がストーカー化する例が多いです。

また、友人や知人、会社の同僚や近隣住民などがストーカー化する事もあり、調査対象者が依頼者の顔見知りである事が多いです。

ストーカー加害者を調査する場合、出来る限り警察に相談して被害届等を出した後であれば、ストーカー行為を確認した後の対処も早まります。

ただ、調査対象者であるストーカー加害者が元夫や元妻、もしくは肉親の誰かである場合、ストーカー行為を行っていたとしても警察がストーカーと認めてくれない場合があります。(民事不介入の原則)

犯罪調査

犯罪調査の場合、調査対象者はその犯人となります。

ただ、窃盗罪の場合は2~4名程の人数で犯行に及ぶ事が多いので、調査の結果対象者が何名にも増える事もあります。

対象者の情報は守らなくてはならない

探偵社には守秘義務がある事は知られていますが、その対象となるのが依頼者のみならず、調査対象者の情報にも及びます。

保護の対象となる調査対象者の情報とは、その氏名、住所、連絡先、勤務先などの各種プロフィールから、調査中に判明した事柄なども含めた全ての情報になります。

ただ、調査の結果は必ず依頼者に報告しなければならないので、調査結果を完全に外部に漏らさない訳ではありません。

ただ、依頼者以外の人間には対象者の情報も守る必要があるので、みだりに人に教えるような真似はしません(警察でも礼状が必要)

これが報道機関であれば、得られた情報をメディアを通じて不特定多数の人間に公表する事となりますから、探偵の方が余程調査対象者の情報を余程大切に扱っているでしょう。

調査対象者あっての探偵

よく探偵は「依頼者が居てこそ」と言われています。

確かに、探偵は依頼者からお金をもらうために調査対象者を追い掛ける訳ですから、出資者である依頼者を大切にするのは当たり前です。

しかし、探偵業の場合は依頼者が居れば、そこに必ず調査対象者も存在しています。

となれば、探偵は調査対象者が居るからこそ依頼者からお金がもらえるとも見れる訳です。

こういう事を言うと浮気調査の依頼者の方はお怒りになるかもしれません。

ですが、探偵にとっては調査対象者は決して憎い相手という訳ではありません。依頼者も、探偵も、調査対象者もその関係は仕事とお金で繋がっているだけなのです。

つまり、誰か一人が掛けても成り立たない職業。探偵も対象者が憎くて仕事をしている訳ではありません。