金銭トラブルの調査はできない?依頼できない探偵の事情

探偵事務所で良く相談されるのが「借金をした相手が逃げたので、探して欲しい」という依頼です。

借金をした人間が、借主に知られることなく姿を消すことは「夜逃げ」として知られています。

しかし、私は過去に一度も借金問題で逃げた相手を探したことはありません。

調査員時代を含め、すでに十年近い年月を探偵業界で過ごしてきましたが、ただの一度も探したことがないのです。

借金に関わるトラブルに首を突っ込みたがらないのは私だけではありません。

私が働いていた大手探偵社も、回りの中小探偵事務所も同じく、借金問題に対しては消極的で、依頼の殆どを断っていました。

なぜ探偵業界では、借金に関連するトラブルに消極的なのか?

お金のトラブルで探偵に依頼しようと思っている方のために、依頼を断られてしまう理由と対処法についてご紹介したいと思います。

金銭トラブルにまつわる調査は、対象者を追い込みかねない

 

金銭トラブルに関する調査となると、対象者はたいていが借金を苦に逃げた人となります。

借金をして逃げるというのは、もちろん返済能力が無いからです。

しかし、借金をはじめから踏み倒すつもりで借りるような人間はむしろ少なく、計画性がなく、返せないお金を借りてしまった結果、逃げる事になるひとばかりなのです。

 

追い詰めた結果は悲惨なことに

借金を踏み倒されそうになった人からすれば、探し出してでもお金を返してもらいたいですよね。

しかし、その結果追い詰めた相手が自殺や事故死する可能性は十分にあります。

借金の金額にもよりますが、お金を借りて逃げる人は精神的にも弱いですし、逃げた先を借金取りに発見されたら、もう逃げ場はないと思い、自ら死を選ぶような人もいます。

また、怖いのは自殺だけではありません。

一家そろって無理心中をするケースや、借金取りから逃げるために事故を起こしてしまった人、または借金を返すために恐ろしい犯罪に手を染めてしまう人などがあまりにも多いのです。

 

金額が少ない場合

 

金額があまりに少ないものの、何らかの理由で探偵に頼んで回収したいと思う人もいるのです。

50万円以下の金額を回収する場合、探偵に調査を依頼したとしても、依頼費用だけで半額、もしくは同額は取られてしまうでしょう。

しかし、お金を貸した相手が元恋人であったり、友人、親戚などであり、どうしてもお金を返してもらわないと気が済まないというケースもあります。

これだけ金額が少なく、なおかつ元友人や恋人といった間柄だと、強引な取り立てもしにくいため、探偵が調査を受けてくれる可能性があります。

ただ、探偵は常に依頼者の嘘に気をつかいます。

借金の取り立てを考えた消費者金融会社の人間が、親戚や恋人や友人を名乗って、探偵事務所に依頼するようなケースもあります。

探偵としても、下手に金銭トラブルにクビを突っ込み、対象者を追い詰めたくはないので、身元の確認が取れない場合には依頼を断ることになるでしょう。

 

探偵は対象者を追い詰める仕事ではない

 

お金を取り返して欲しいと思う気持ちは探偵もよく分かります。

ただし、そのために対象者を追い詰め、さらに死亡させてしまう恐れのある金銭トラブルを、探偵は決して甘く見ていません。

探偵の仕事はあくまで調査です。

金銭の回収を代行することは絶対にありませんし、消費者金融などの苛烈な取り立てを行う借金取りが依頼者だとわかれば、100%依頼を断るしかないのです。

また、一般のかたが知り合いに貸したお金を返してもらいたいと思っても、その結果激しい取り立てをするとも限りません。

探偵は、対象者が死亡する恐れのある調査には参加できないのです。

 

探偵業界には「逃がし屋」を兼業する人も

探偵業界に近い業種の一つに「逃がし屋」と言われる人々がいます。

また、探偵業界では非常にごく一部であり、大手の協会に加盟していることはありませんが、逃がし屋を兼業している、もしくは過去に逃がし屋をしていた探偵事務所もあります。

探偵の仕事は、決して困っている人間を探し出してお金を取り立てるというものではありませんし、そんな気持ちで探偵をはじめようと思う人はいません。

困っている人を助けることでお金をもらえる。

そのような社会貢献に参加する意味では、アウトローな世界の逃がし屋も探偵も同じ立場なのかもしれません。

 

依頼が可能なお金のトラブルは?

探偵がお金がらみのトラブルを嫌っているとはいえ、お金を貸した人は困りますよね。

とくに、親戚や友人、恋人にお金をかしてそのまま逃げられてしまった人は、なんとかしてお金を返して欲しいですし、中にはお金を貸した相手がその後どうしているのか、ただ心配になっている方もいるはずです。

 

金額が少ないと依頼を受けてもらいやすい

 

貸したお金が少ない場合には依頼を受けてもらいやすくなります。

例えば、もと恋人に貸した10万円を返してもらうために本人を探したいという依頼なら、受けてもらいやすくなるでしょう。

 

連帯保証人になっている

 

連帯保証人になっており、依頼者自信が危険な状態にあるなら、探偵事務所も協力してくれるかもしれません。

ただし、連帯保証人である証拠などを提出する必要があるでしょう。

 

お金よりも身の安全が心配

お金を貸していることよりも、その身の安全を最優先する依頼者なら、人探しの調査として依頼を受けることが出来ます。

特に配偶者や兄弟であれば身元も確認しやすいので、探偵も安心して調査が行えます。

ただし、恋人や友人である場合には、出来れば本人のご家族と一緒に相談してください。

 

まとめ

 

探偵は金銭問題に関わる調査を積極的には受けませんし、積極的に受ける探偵社というのはあまり信用しないほうがいいです。

また、金銭の取り立てのため人を探すことは違法行為です。

したがって、探偵もナイーブになっているので、お金に絡んだ調査の依頼は慎重に行う必要があります。

ただし、借金はあるものの、金額が低く、対象者と関係の深い人物の依頼なら、調査を受けることも可能になります。諦めずに探偵事務所と交渉することと、正直に話すことが大切となります。