個人情報保護と探偵の関係とは?

これから探偵社に調査を依頼される方の中には、探偵が行う調査そのものに違法性が無いか気になる人も多いでしょう。

そんな声の中でも目立つのは「探偵の調査は個人情報保護法違反ではないのか?」という意見です。この様な話が聞かれるのも、社会のユビキタス化(手軽に情報が得られる社会)が進んでいるからでしょう。

それに、探偵が調べるのは誰かの個人情報なのも間違いありません。だからこそ、個人情報や、個人情報保護法という言葉を知っている方は、探偵が行う調査は違法なのではと考えている人も多いです。

しかしちょっと待ってください。

実際には、調査は個人情報保護法違反になるどころか、そもそもあまり関係が無い法律なのです。

そこで、今回はこの誤解を解くために、個人情報保護法案の実態について詳しく解説させて頂きたいと思います。

個人情報は?

個人情報保護法案は、簡単に言ってしまえば個人情報の不正な流出を防ぐための法律です。

しかし、法律はおろか、この法律が守る「個人情報」について良くご存じでは無いかもしれません。

その定義は複雑ですが、まずは実際の法文から見ていくことにしましょう。

【個人情報の定義】

第二条  この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

(個人情報の保護に関する法律より引用)

上記の文章を読んでも今一理解できないですよね?

そこで、個人情報の定義について簡単にまとめてみると「生存する個人のプロフィールを特定できる情報」という事になります。

つまり、個人情報はある人物の名前や住所、生年月日、勤務先などを特的できる可能性のある全ての情報を指す言葉なのです。

となると、生年月日や本名だけでなく、ブログ上の文章や、ツイッターの投稿なども個人情報に含まれる可能性もありますから、実はインターネットをしているだけで、実に沢山の「個人情報」に触れていることになります。

個人情報は、まったく特別なものではありませんし、秘匿されている訳ではありません。

しかし、より本人を特定しやすいプロフィールを持っている人間は、個人情報の取り扱いに注意しなくてはならないのです。

個人情報保護法は何のためにあるの?

個人情報を守るために作られた「個人情報保護法案」ですが、この法律の目的を理解している人は殆どいません。

しかし、その名前だけが先行して人々の間に伝わってしまったせいか、相手に名前を聞いたり電話番号を訪ねようとするだけでも「それは個人情報保護法違反だ!」と仰られる方も珍しくありません。

ただ、個人情報保護法案は、個人のプロフィールを調べることを禁ずる法律ではないのです。

【個人情報保護法案の目的】

第一条  この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。

(個人情報の保護に関する法律より引用)

上記の分を簡単にすると『個人情報保護法案とは、個人情報を扱う業者に対して、その取扱いについてのガイドラインをまとめることにより、個人の情報を保護することを目的としている』となります。

ここで重要なポイントは、個人情報保護法が「取り扱い業者」に対して施工されている法律であるという点です。

取り扱い業者とは、電話会社やクレジットカード会社など、大量の個人情報をデータベース化して扱っている会社を指します。

みなさんも経験があるでしょうが、こうした会社は契約時に得た電話番号やメールアドレスを使って営業活動を行う他、サービスの管理にも利用しているので、社内のサーバーには大量の個人情報が保存されています。

しかし、大量の個人情報を持っている会社は、ほんの小さなミスで何万人という個人情報が流出してしまいます。

また、お金に困った社員がデータを盗み出して、名簿屋などに情報を売ってしまう可能性もあるので、セキュリティを強化しつつ、その取扱いには細心の注意が必要となります。

つまり、個人情報保護法案とは、業者に預けられている個人情報を、業者側にしっかりと守ってもらうための法律なのです。

探偵の調査は個人情報保護法違反には当たらない

探偵は他人の個人情報を調べますが、個人情報保護法には抵触しません。

また、探偵はもともと守秘義務によって依頼者の情報をもらせないので、個人情報保護法における「当該事業者」にも当たりません。

しかし、世間では個人情報や、個人情報保護法違反に対する正しい認識を持っていない人が多いせいで、調査そのものが違法であると勘違いしてしまう人が多いのは残念です。

ですが、誤解を恐れてもいけませんし、そもそも疑われるのなら、探偵側からしっかりと説明をする必要があるかもしれません。

また、いくら調査が合法だとしても、探偵業も個人情報と非常にかかわりの深い仕事です。調査中に何処から漏れたのか分からない怪しい名簿などに出くわすこともあります。

である以上、情報を取り扱う仕事の一旦を担っている人間として、個人情報の取り扱いに関する知識を高めている探偵が多いのです。

まとめ

個人情報を調べるのが探偵の仕事ですが、調査そのものは違法ではないので安心してください。

また、多くの探偵は個人情報や、個人情報保護法案に関する正しい認識を持っているので、違法行為を犯すこともありません。

探偵の調査は本当に困ってしまった為のものです。誤った認識のせいで問題解決をあきらめてしまう人が減るように、これからも探偵業に関する正しい知識を普及させて行こうと思います。