その存在はトップシークレット!闇にうごめく企業探偵とは?

 

一般の人からすれば驚くべき話でしょうが、世の中には探偵と名乗らない探偵たちも大勢います。

その代表格と言われるのが、企業内で調査業務や内偵業務をメインに行う、

通称「企業探偵」たちです。

しかし、彼らは100%表舞台に立つことはありません。

むしろ、探偵のほうが世間では名前が知られており目立つ位です。

   そこで、今回は彼ら「企業探偵」が一体どんな存在で、どんな仕事をしているのか、私の知る限りの情報を提供させて頂きます。

 

企業探偵の仕事

 

企業探偵の主な仕事は、社内の極秘事項を守ることです。

その仕事は、企業を国家と捉えた場合には公安やCIAのような立ち位置となり、その詳細をしる人間は社内でも極わずかなものとなります。

企業探偵が存在する会社は、例外なく大企業です。

しかも歴史ある会社が多く、誰もが名前をしる企業であることは間違いありません。

このような大きな企業では、社内では様々なトラブルが起きます。

情報漏えいをはじめ、お家騒動、社内不正や内部告発など、内々に処理したい問題が多数おきます。

これらの問題を全て社外の人間に依頼していては、会社の信用は一気に失われます。

ビジネスの世界は信用が第一。

社内でおきるトラブルは、社内の人間で処理できるなら、内密に片づけたい願いから、社員の中で素質のある人間を見つけ出し、企業探偵として育成するのです。

 

社外でのビジネストラブルを行うことも

 

企業探偵の仕事は社外にも及びます。

大きな取引であればあるほど、取引先の内定調査を行ってリスクを確認する必要がありますが、帝国データバンクのような公開調査しかできない会社の情報では、相手の会社のリスクを計りか損なう恐れが高いです。

よって、企業探偵がより深い調査を行い、取引相手のリスクをチェックします。

また、他の企業で、自社に利益となる情報を漏えいさせたり、内部告発を行った人間を保護するような仕事も行っていると聞きます。

彼らは、会社の利益のためなら、かなり際どい事も行うことが多いらしく、中には盗聴器を使用して情報を集めることもあると言います。

 

 企業探偵との遭遇

 

私がはじめて企業探偵の存在を確認したのは、勤める大手探偵社に、とある企業から依頼された社内調査でした。

とある大手の子会社に努める依頼者の話によれば、ライバル企業であるB社に自社の新製品の情報が洩れている可能性があるとのことでした。

しかし、車内のセキュリティ班によるチェックは白。

情報漏えいを行った可能性のある社員も、そのようなデータ漏洩の痕跡もなく、最終的には社内に盗聴器が仕掛けられている可能性を考えたのです。

そして、社内に盗聴器が仕掛けられていないか調べた結果、会議室の中にあるテーブルの下にあったコンセントタップが盗聴器であることが判明しました。

この会議室は普段から鍵はかけられていません。

さらに、社外の人間の出入りも頻繁に多い部署だけに、外部の人間が会議室に侵入し、コンセントタップ型盗聴器を仕掛けることは可能だと社員の人間は判断しました。

ただ、私がその現場を見て感じたのは、これは外部の犯行ではなく、ライバル企業であるB社の人間が、この会社の人間を協力者に仕立て、コンセントタップを仕掛けた可能性が高いと感じました。

 

企業探偵の目的は「自社の利益」を守ること

 

公安やCIAの目的が「国益を守ること」であるのに対して、民間の公安ともいうべき企業探偵の目的は「自社の利益を守ること」です。

そのためなら、企業探偵は盗聴器を使用することも、ライバル会社の人間と接触し、情報漏えいを促すことや、内部告発を誘うようなことすらします。

現在では、もはや企業スパイとして法で裁かれるべき仕事ですが、企業探偵はそう簡単に証拠は残しません。

また、企業スパイとして立件するには、証拠のほぼすべてを被害を受けた側の企業が集めなければなりません。

盗聴器一つが見つかったからといって、指紋は当然残っていません。また、監視カメラも設置されていない社内では、犯人捜しなどほぼ不可能です。

また、企業内で何等かの工作にたずさわった協力者は、企業探偵が引き抜き、自社で雇い保護することが多いです。

ただ、その後は使い棄てとなるのが基本で、一度裏切った人間を社内でもう一度信用しようとすることはありません。

 

企業探偵はどこで技術を学ぶのか

 

企業探偵はかなり特殊な知識や技術、そして機材を使用します。

ところが、大手企業といえど、そんな特殊なノウハウは持ち合わせていません。

 そこで、彼らは主に探偵の養成学校や講習などを利用して、調査に関わる様々な技能を身に付けています。

 

探偵講習会に参加する社員たち

 

探偵講習会は、探偵になりたい人達だけでなく、探偵としての技術を学びたい全ての人々に開放されています。

料金さえ払えばだれでも受けることが可能であり、その中には、大手企業がこれから企業探偵として育てたい人材も混じっています。

 

影すらない探偵達

 

企業探偵の存在は絶対に公にはされません。

彼らが行っている行為はかなり違法性が高く、なおかつ極秘裏にやらなければ、まったく意味のないものばかりだからです。

そのため、企業探偵のいる会社であっても、自社にいる企業探偵の顔も知らなければ、そんな組織すらあることも知らない人がいます。

 

企業探偵とセキュリティ部門の違い

 

一般的に誤解されがちなのは、企業探偵と社内のセキュリティ部門は明らかな別組織です。

セキュリティ部門は、会社における「警察組織」であり、社内の情報漏えいを守る=治安を守ることを目的としてます。

つまり、その行動は表だっており、危険な仕事は一切ありません。

一方の企業探偵の目的は、セキュリティシステムではなく、その一線を越えたトラブルを解決すること、もしくは自社の利益を守るために、他社の利益を奪うことを目的としている、いわば「スパイ」です。

それゆえに、尾行や張り込み、撮影、そして聞き込みの技術が必要となるため、探偵学校などに入学して、その技術を学んでいくのです。

 

まとめ

 

   企業探偵の存在は、いわば都市伝説のようなものです。その正体を性格に知る人間は少なく、いたとしても、私のようにその痕跡を見つけたものの、深入りを躊躇った人間か、もしくは、知り過ぎるがあまりに多くを語れない人達ばかりです。

「探偵というのは職業ではなく、生き方だ」という言葉がありますが、私たち探偵と企業探偵が似通った存在であることは、とても複雑な気持ちです。