探偵という仕事は、他業種に比べてとても秘密主義でした。
全国に数万人規模の探偵はいても、人知れず社会の陰に隠れて活躍する必要がある彼らについては、フィクションやドラマ、または事件などのニュースによってその姿を知るしかありません。
しかし、蓋を開ければ探偵もただの人間です。
超人的な能力も無ければ、非道な人間でもない、ごくごく普通の人々が、探偵として日々働き続けています。
そこで、今回は探偵という仕事について皆さんに知ってもらうためにも、今回は調査の現場で良くある面白いトラブルについてご紹介させてもらいます。
トイレにいけなくて○○を使う
張り込中の探偵は、そう気軽にトイレに行けません。
もちろんまったくトイレに行けないわけではありません。トイレや食事のための交代要員として2名体制で調査を行っている会社が殆どだからです。
しかし、探偵はどんな時でも2名体制で行動できるわけでもありません。一人が尾行から外れてしまったせいで、応援が到着するまで一人で張り込みを続けたり、依頼者の予算の関係で、たった一人で張り込みをする時もあります。
仕方なく一人で調査をする羽目になると、探偵は誰でもトイレの心配をしだします。用を足すために張り込みから離れている間、万が一対象者が出てきたら取返しが付かないからです。
では、こんな時に探偵はどうやってトイレに行くのでしょうか?
ペットボトルに・・・
私が知っている探偵の中でも、中、高年のベテラン探偵の方々はトイレに困った時「ペットボトルを使った」とおっしゃる探偵根性に溢れた方がたくさんいます。
なぜペットボトルなのかというと、探偵が張り込みを行う車内の中で唯一尿を貯めれそうなのが、ペットボトルしか無いからです。
想像するとなんとも恐ろしいですが、昔の探偵の方々からすれば「トイレのために現場を離れるなんてありえない」という人が殆どですから、まさしく根性の成せる技と言うべきでしょう。
ビニール袋に・・・
さ前述の「ペットボトル戦略」によって、一人で張り込みをする尿の問題は解決できます。しかし、問題の「大きい方」は、ペットボトルではとても間に合いません。
では、こんな時、たった一人で張り込みをしている探偵はどうしているのか気になりますよね?気にならなかったら良いですが、一応聞いてくださいね?
私が良く聞いた話として最も多いのが「ビニール袋を使う」という方法です。
ビニール袋は探偵の車の中なら必ずどこかにあります。張り込み中はゴミが良く出るので、ゴミ袋になります。また、調査中に雨などから機材を守ったり、買い物帰りの主婦やサラリーマンを装うためにも良く使われます。
そんな経緯から、非常時に探偵の手元にある「大」を処理できるアイテムがゴミ袋となることが多いのです。
ただ、やはり探偵も人間。さすがに車の中で大をするのは精神的に耐えられないという人が多く、やむなく現場を離れて付近のトイレに駆け込む人が多いです。
車内におまるを設置したツワモノも
ある一人の探偵の方は、非常時に備えて車の中に携行用の「おまる」を常備している人がいました。この方は探偵事務所の代表で、仕事がとにかく出来ると評判でしが、起業した当初はあまりの忙しさのため、何日も一人で張り込みをする日が多かったのだとか。
そこで同氏は「それなら張り込みのためにオマルを使えば効率的だ!」と、ついに車の中にオマルを設置して、簡易式のキャンピングカー状態にしてしまったそうです。
その後、一人目の社員を雇った頃にはオマルは撤収されたと言いますが、オマルを見た社員の方は相当驚いたでしょう。
最近の探偵はトイレに困らない?
張り込み中にトイレに行けず、車の中で用を足していたガッツある探偵たちは今や少なくなってきています。
探偵がトイレに困らなくなった理由は、今やどんな地域でも必ず「コンビニ」があるからです。
探偵にとってのコンビニとは、まさしくオアシス以外の何物でもありません。張り込み場所の近くにあり、24時間営業で、なおかつトイレが借りられる場所は他にはありません。
しかし、コンビニが日本全国に出来たのは2000年を過ぎた辺りからです。それまで、探偵達がトイレに駆け込める場所は殆どありません。地方の調査で、しかも夜間にトイレに行きたくなっても、付近には住宅しかないという場面が今よりも沢山あったのです。
そのため、探偵は車の中で用を足さなくてはなりませんでしたが、最近はコンビニのおかげで無理に車内をトイレ化する必要も減ってきました。
それでも緊急時にはペットボトルの出番?
コンビニが登場したおかげで、探偵のトイレ事情は改善されつつあります。
しかし、それでもまだ非常時には車の中で用を足さなくてはならない場面があるのは辛いことですね。
特に周辺の警戒が厳しい場所で、応援もなく一人で張り込みをする時は、そう簡単に車から出られません。車内に人が居ない風に見せるため、後部座席や荷台に隠れ続けることもあります。
こうなると、やはり前時代的なサバイバル戦略を使わなくてはなりません。私もかつて、張り込み中に外に出れず、やむなくペットボトルを使った事がありますが、あの時ほど空しいものはありませんね。
回りの先輩探偵にも「ついにお前もやったか」と言われ、その夜は労いのラーメンをおごってもらいました。
まとめ
張り込みとトイレの問題は切っても切り離せないものですが、それも次第に改善しつつあります。
今後はさらに探偵のトイレ事情が改善されることを願っていますが、古い探偵の方々の「トイレで困った面白話」が聞けなくなるのも残念な気がします。
ただ、それ位探偵は常に現場で体を張っています。長時間の張り込みが終わった探偵にはぜひ労いの言葉を掛けてあげてください。
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