浮気調査では何をすれば不法行為に当たる?

浮気調査は常に違法行為と隣り合わせの作業です。

なぜなら、人が証拠を隠す場所とは個人のプライベートな領域であり、そこから証拠を引き出すために真正面から行けば、必ず違法行為となってしまうからです。

これが刑事事件であれば、警察が登場してくれますが、残念ながら浮気は民法の領域ですので、令状を期待することは出来ません。法律を侵さず、隠された証拠を見つけ出すという大変シビアな状況をクリアする必要があるのです。

そこで、今回は浮気調査を合法的に乗り切るために、一般の方が犯しやすい違法行為について解説させて頂きます。

不法行為に当たりやすい浮気調査

プロである探偵は違法調査を行わないため、浮気調査を行う上で必要なる各種法律的知識を身に着けています。

しかし、一般の方はそうではありません。法律の知識はもちろんですが、浮気調査の中で何が正しくて何が間違っているのか、正確な判断が出来ない人がおおいです。

しかし、そんな状態でもしセルフ調査をしたら……考えるだけでも恐ろしいですよね。

まずは浮気調査の依頼者にありがちな、誤った浮気調査の一例について見ていくことにしましょう。

別居先の敷地に入ってしまう

浮気調査のためならと、別居している配偶者の家の敷地内に入ってしまう人がいますが、これは明らかな住居不法侵入罪となります。

住居不法侵入罪とは、政党な理由なく他人の住居などに侵入した場合に成立する明らかな犯罪です。

ただ、もしも相手に別居先への出入りを認められていたり、合いカギをもっていれば住居不法侵入に問われないかもしれませんが、合いかぎをもっていたとしても相手から「敷地内に入る許可」が無ければ住居不法侵入が成立します。

相手の家から証拠物を持ち出す

相手の家に入る許可をもっていても、家の中から本人の許可なく証拠物を持ち出すと窃盗罪に問われる可能性があります。

窃盗罪とは、他人の物を意図して相手の了承をえずに持ち出す行為を指します。窃盗罪の場合、持ち出したものが本人の所有物であるか、または持ち出した財産物の価値などで刑の重さが決まるケースが殆どです。

浮気調査の場合、過去に別居していた旦那さんの自宅から浮気の証拠となる携帯電話を盗み出した事例があります。この場合、相手が窃盗罪として訴える可能性よりも、証拠物として採用されない可能性を危険視した方が良いでしょう。

【東京地裁平成10年5月29日判決】
夫が妻の不倫相手に対して慰謝料を請求した事件において、裁判所は、別居後、夫の自宅から盗み出した妻の行為に強い反社会性があるので、盗み出した陳述書の原稿を、証拠として認めなかった。

(判例タイムズ1036-240)

郵便物を盗み出してしまう

最近は少なくなりましたが、過去には浮気相手とのやり取りで手紙を用いることがありました。そのため、今でいうLINEの盗み見の様に、証拠物として相手の家から手紙を持ち出す人も少なからず存在していたのです。

しかし、手紙を勝手にポストから盗み出して中身を見た場合は「信書開封罪」に問われる可能性があります。

ただ、中身を見ずに宛先や送り主を確認することは罪には当たりません。ただ、他人の敷地内に侵入してポストの中身を覗き見すれば住居不法侵入罪、郵便物を盗んだ場合には窃盗罪が適応されます。

尾行をしてバレてしまう

尾行を行ったうえで、相手に尾行が発覚しまった場合には必ずその場で尾行を中止しなくてはなりません。でなければ、ストーカー行為やつきまとい行為として相手から訴えられる可能性があります。

これは一般の方だけではなく探偵も同じです。もしも発覚の恐れがあればその場で調査を中止。もし発覚した場合には、速やかにその場から離脱しなければ、つきまとい行為で訴えられてしまいます。

実際に探偵が調査が発覚した後も尾行を続け、さらには相手に対して恫喝したとして対象者からつきまとい行為によって訴えられた事例があります。

(この事件は後につきまとい行為に当たらないという判決が下されましたが、尾行の危険性を理解する上で非常に重要な事件と考えます)

盗聴器を設置してしまう

浮気調査のために盗聴器を使用する人間は探偵には居ませんが、法律の知識が無かったり、悪意を持って浮気調査を行う一般の方の中には時折存在します。

ただ、盗聴行為そのものは違法ではありません。日本には盗聴を防止する法律が存在しないため、インターネット上や店舗で堂々と盗聴器が販売されています。

しかし、盗聴を行うために室内に侵入すれば「住居不法侵入」となり、半永久型の盗聴器をコンセント内部に設置すれば「窃盗罪」(電気を盗むため)となります。

また、電話機に盗聴器を設置すると、有線電気通信法、電気通信事業法などの違法行為に当たります。

さらに、壁に穴をあけて室外から盗聴器を設置するタイプになれば、器物破損罪に問われるでしょう。

いくら合法とはいえ、使用すれば必ず何らかの犯罪を犯すのが盗聴器です。浮気調査では絶対に使用しないてください。

SNSにアクセスしてしまう

相手のSNSアカウントを覗く行為には違法性はありません。

しかし、IDやパスワードを用いて、本人に成りすましてアカウント内部を覗けば不正アクセス禁止法違反になります。

SNSから情報を得る場合は、本人になりすましてアカウントを乗っ取らずとも外部から十分に確認できます。わざわざ違法行為に走らないようにしましょう。

携帯電話を勝手に覗く

携帯電話を覗き見ることは違法行為とはいえません。

しかし、相手から力づくで携帯電話を奪い取れば「窃盗罪」に問われ、怪我を負わせれば「障害罪」そのまま脅迫行為をすれば「脅迫罪」となる可能性があります。

また、携帯電話の中身を覗き見るためにネットワークを介して不正にセキュリティを回避すれば「不正アクセス禁止法違反」に抵触する恐れがあります。

もし専門知識があり、ウィルスを作成して携帯電話に侵入させた場合には「ウィルス作成罪」に問われます。

まとめ

この様に、浮気調査というのは違法性が問われることがとても多い仕事です。

しかし、プロの探偵の様にしっかりと何が合法で、何が違法なのか、法律の専門的な知識を頭に入れておけば、うっかり違法調査をせずにすみます。

もしも証拠を得るために違法行為を犯す必要性があるのなら、一端そこで調査を中止して他の方法を探ってみましょう。調査とは、必ずしも一つの方法だけに頼るものではありません。

むしろ、ありとあらゆる可能性を探りながら事実に迫るような柔軟な姿勢こそが調査を成功させるカギとなります。「この方法しかない!」と思い込まず、少しでも危険性を感じたら「他に安全な方法は無いだろうか?」と考える癖を付けましょう。