探偵が見た!出会い系サクラに恋をした女性

探偵をやっていると、普通の人ではまずしないような体験をし続けていきます。

その大半は、人と人との関わりが生み出すトラブルばかりで、人間の不思議さを感じずにはいられないものもあります。

特に探偵が関わるのは、男女の恋愛問題です。浮気や不倫をはじめ、嫉妬や憎悪というのは愛情をよく明確に表すサインのようなもの。しかし、その相手が人間だと思い込むこんでいけません。人間の愛情や性的な欲求は、たとえ人でなくとも対象とすることが可能です。

出会い系のサクラに恋をした女性

 

人探しの依頼の中には良く、恋心を抱いてしまった相手を探し出して欲しいという依頼があります。

この手の依頼は一目ぼれであることが大半で、残りは過去の恋愛相手や、初恋の相手となります。

意中の相手を探して欲しいという依頼は、最近の探偵業界は良く警戒します。

以前までは引き受けることが多かったのですが、日本でストーカー事件が多発し、探偵がストーカーの手助けをしてしまった事件が起きてからというもの、恋愛関係の人探しを受ける探偵は減っています。

しかし、私が担当したある依頼は、そんな心配などまるで不要な調査でした。

なぜなら、相手はストーカー被害者どころか、人間ですらなかったからです。

 

某出会い系サイトのサクラに恋を?

私が担当した案件の依頼者は、30代の独身女性でした。

職業はOLであり、依頼内容ははじめ「好きになってしまった人がいるので、どうにかして連絡を取りたい」というものでした。

この相談に警戒した相談員は、依頼内容と依頼者の身元を把握しようと慎重に相談をしました。

所が、話を聞くとどうやらこの依頼者が恋をしたというのは出会い系サイトで出会った男性だというのです。

さらに、依頼者はその男性にあった事がなく、やりとりは全てサイトを通したメッセージのみ。顔すらわからないというのです。

そこで、相談員は依頼者に出会い系サイトでのやりとりを見せてもらいました。

相手の男性は依頼者と同じ30代で、離婚経験者。職業はアパレル関係だといいます。

やりとりは初めから好意を示すようなメッセージが多く、客観的にみても怪しいものでした。

しかも、出会い系サイトであるにも関わらず、依頼者が会いたいと言ったあと、待ち合わせ場所をあちらが指定。

しかしその次のメールで「ごめん、用事が出来て会えなくなった」という一言があってから、連絡が一切途絶えてしまっています。

普通の出会い系サイトなら、女性側からのアプローチを断るような男性ユーザーはいません。

ここまでのやり取りで、依頼者はすでに数万円のポイントを使用しています。

にもかかわらず、女性は連絡がとれなくてもメッセージを何度も送り続けていました。

 

対象者は出会い系サクラ?

男性ならば、出会い系サイトの相手がサクラである可能性を簡単に疑います。

しかし、世の中には女性を狙った出会い系サイトの詐欺サイトがあることを知る女性はそう多くはありません。

相談者は依頼者にその旨を説明。

「依頼をしても、相手はサクラの可能性が高いですよ」と説明したのですが、それでも何とか相手を探して欲しいと一歩も引かない依頼者に相談員はついに折れ、ダメもとで良いなら引き受けるとして、成功報酬制度で依頼を引き受けてしまったのです。

 

困り果てた調査員

 

こんな依頼を受けて一番困るのは、仕事を回されてしまった調査員です。

相手がサクラとなると、まずは出会い系サイトを運営する業者を探し出さなくてはなりません。

しかし、サイトは違法営業で、住所など出て居ません。

万が一の可能性を考えてwhois(サイト運営者社公開情報)も確認しましたが、海外の代理サーバーが表示されるのみで、サイトだけから運営者を特定することは難しいと判断しました。

 

「なんでこんな案件を受けるんだよ・・・」

 

誰とも言わず、口から出た文句に、この調査を担当した人間の全員が心の中で頷いていたことでしょう。

どうせ探し出しても相手はサクラ。依頼者がまったく見ず知らずの人間である以上、会ったところで依頼者の願うような結果は得られません。

 

「文句を言ってないでやれ、依頼は受けた通りこなすんだ」

 

諦めムードの調査員に、上司が一喝。

しかし、クラックでもしない限り運営業者が特定できないこの案件には、その言葉もむなしく響くださけでした。

 

偽調による誘い出し

 

頭を悩ませた結果、調査員たちはつい妙案を思いつきました。

その方法とは、調査員の一人が女性ユーザーになりすまし、ターゲットのアカウントを誘い出そうとする方法です。

サクラといっても、相手は人間。もしも魅力的な女性がサイトに登録して誘ってきたら、サクラとはいえ乗ってくると判断したのです。

そこで、偽のプロフィールと写真を登録して、ターゲットのアカウントに話かけてみると、即座に反応が返ってきました。

「これはいけるかもしれない」と手ごたえを感じて、悩み相談をしてみることに。しかし、メッセージを数回交わしたころ、偽調を行っていた調査員が声をあげました。

 

「これ、なんか変ですよ」

何が変なのか?呼ばれた私がメッセージのやりとりを見てみると、やりとりの何回かが依頼者とのやりとりとまったく同じ文章が登場していました。

しかも、回答は適格というよりは、曖昧なものばかりで、噛み合っているともいえません。

まさかと思い、今度はターゲットとは別の男性アカウントにもメッセージを送りました。

すると、今度はこちらもほぼ同じ内容の回答を返してきます。

しかも、回答のパターンはターゲットのアカウントとまったく同じで、返信までの時間までもほぼ同タイミングでした。

 

サクラは人間ではなくAIに恋をしていた依頼者

この調査の結果、報告書には調査の結果を全て画像つきで掲載しました。

調査結果は「相手は人間ではなく、簡易的なAIである可能性が高い」と記したことを覚えています。

最近の出会い系サイトではAIが多様されています。

海外で名前を知られた出会い系サイト『アシュレィ・マディソン』も、登録女性の大半がAIであったことがハッカーの手によって暴露されています。

アシュレィ・マディソンとまではいかなくとも、簡易的なAIによってユーザーを騙すよう作られた出会い系サイトは多数ありますが、そのAIに本気で恋をしてしまったのは、後にも先にもこの依頼者以外知りません。

依頼者は報告書を受け取ってもしばらくは信じられない様子だったそうですが、相談員の説得を受けて、最後にはなんとか事実を認められたと言います。

 

実はこの女性依頼者、結婚までも約束していたある男性にフラれてからというもの、異性不審になり、寂しい独身生活を送ってきたそうです。

その結果AIの男性に恋をしたというのは、もしかしたら必然だったのかもしれません。

 

まとめ

AIの制度は今も向上し続けています。

出会い系サイトに限らず、どこにAIが仕込まれているかわかりません。

もしかしたら、貴方がネットで仲良くしている相手もAIかもしれません。