一夫多妻制が日本で認められない理由 愛人を認めると日本経済が崩壊する?

浮気性の男性が自らの浮気を肯定する時に、以下の様な言葉を使う人が大変多いです。

「浮気をするのは男の本文、いっそのこと一夫多妻制にすればいい」

「そもそも一夫一妻制に無理がある、そんなに浮気が嫌なら法律に文句を言ってほしい」

「海外には一夫多妻制の国がたくさんあるのに、日本で認められないのはおかしい」

こんな発言を女性が聞いて良い顔をする人は居ないでしょうが、確かに、言いたいことは良く解ります。

しかし、かといって別に一夫一妻制もなんの意味も無くやっている訳でもありませんし、「1人を一生愛し続ける」という道徳的な理想の結婚像だって無意味なものではないのです。

一夫多妻制を推奨する浮気者たち

浮気をする男性は、そもそも多くの女性に興味がありますし、一人の人間に対して愛情をそそぐ事に特に意味を感じていません。

このような発想に至る人間は主に男性が多く、長期的な結婚生活に対して強いストレスを感じていることが多いでしょう。

また、浮気に対して罪悪感を決して感じていないわけではありません。表面的な罪悪感は薄く、自分でも良く気が付いていないかもしれませんが、少なくとも自分の行いを正当化しようと論を立てている時点で、心の中で自分の行いが反社会的であることは理解しています。

つまり、一夫多妻制推進論を述べる浮気者でっても、完全に浮気を肯定している訳ではないのです。

この事実を踏まえて考えると、彼らの述べる一夫多妻制推進論も、多少見方が変わってくるでしょう。

 

日本はなぜ一夫多妻制度ではないのか

まず初めに考えなければならないのは、これだけ多くの浮気や痴情の縺れによって日夜トラブルが発生し、離婚によって不幸になる人間がいるにも関わらず、日本では一夫多妻制は認められないのかです。

もちろん、道徳的理由と言ってしまえばそれまでなのですが、浮気者たちはそもそも一夫一妻制を素晴らしいという道徳そのものが無価値だと言っているので、これでは彼らを納得させることは出来ないでしょう。

しかし、少しだけ時間を掛けて考えてみれば、たとえ浮気者であっても、この日本で一夫一妻制度が推奨されている理由が解るはずです。

 

子殺しを防ぎ、効率的に子孫を残すため

一夫一妻制を利用しているのは、けっして日本人だけでもなく、人間だけでもなく、動物でも多くの一夫一妻制度を利用しています。

それでは、動物たちはどのような理由で一夫一妻制度を取るようになったの?

その疑問を解くための研究は現在も続いていますが、2013年に進化と一夫一妻の修正についての研究を行っていたChristopher Opie博士率いるグループの研究結果によれば、それはオスが子供を殺してしまうことを防ぐためと言われています。

同研究グループは複数の哺乳類のデータを集めたシュミレーションモデルを作成。

様々な状況を想定した一夫多妻制を研究した結果、一夫多妻制から一夫一妻制に移行する前に、多くのオスが自らの子供を殺してしまうことが分かったのです。

また、別の研究グループが同様の研究を行った結果によれば、一か所にメスとオスが集まらず、かなりの広範囲にメスとオスが散らばってしまった場合、一夫多妻制度では子孫を残す回数が減ってしまうため、同じオスとメスが複数回にわたって性行を行って子孫を増やすほうが効率的に遺伝子を来世に引き継げるという結果が出ました。

この研究結果いまだシュミレーションの段階であり、両グループのシミュレーション結果も異なっているので信ぴょう性は薄いかもしませんが、少なくとも人類の進化の過程では、一夫一妻制度は起こるべくして行った現象であった事が伺えます。

しかし、イスラム圏の国やアジアの一部の国のように、この現代でも一夫多妻制度を続けている地域が存在しているので、この研究結果からいえば、そうした地域では一夫多妻制度の方がメリットが大きかったという事なのでしょう。

 

女性の保護と社会進出のため

一夫多妻制度が成立する条件を考えてみると、そこには様々なメリットとデメリットがあることが分かります。

例えば、一夫多妻制度では1人の男と複数の女性によって形成される家族となりますが、この状況では女性は男性という社長のもとで働く複数の子育て従業員の様な状態となってしまいます。

こんな状況が許されるのは、一夫多妻制度でなければ子孫を残せる可能性が低い状況のみで、戦争によって男性が多く失われがちな国や、過酷な状況ゆえに種族全体の寿命が短いので、子孫を残すために女性の生命を優先し、男性はリスクを冒しながら生きなければならない辺境の地ぐらいなものです。

そして、一夫多妻制が敷かれている国のほとんどは、ほぼ例外なく男尊女卑が激しい国が多く、中には宗教によって一夫多妻制が敷かれているため、経済力があるにも関わらず、今だに男尊女卑が無くならない地域もあります。

しかし、もしも人々を支配できるほどの強力な一夫多妻の宗教が存在しない国であれば、そもそも女性が一夫多妻に甘んじる必要が無く、よりすぐれた男性を求めて活動したり、社会進出をして自らの経済力によって子供を育てる事も可能となります。

つまり、この日本において一夫多妻制度は必要が無く、逆に女性の社会進出を妨げる可能性が大きくなってしまうのです。

また、女性の社会進出が遅れた国の殆どは経済的な発展も遅れるという見方もあるので、男性にとってもこれは困る事態でしょう。

 

一夫多妻制が認めらない理由まとめ

これらが現在の研究によってわかっている一夫多妻制が日本で敷かれていない理由となります。

しかし、人間がなぜ一夫一妻制度を敷くようになったのかはまだはっきりとした理由がわかっていないのが現状です。

さらに、もしも日本に大規模な災害がおこたっり、戦争行為に巻き込まれて戦場となった場合には、緊急的な措置として遺伝子の中にあった人間の一夫多妻制のプログラムが稼働しはじめ、この日本でも一夫多妻制度が復活するかもしれません。

ただ、いくら経済的低迷が続いていると言う日本でも、衣食住のレベルは発展途上国よりも遥かに高く、社会保障制度も充実しています。

また、一夫多妻制度は女性の社会進出を防いでしまう切っ掛けとなりえるため、やはりこの制度の復活を望む男性には、潜在的な男尊女卑の心理が強く働いているのかもしれませんね。

 

一夫多妻制は日本の発展大きく関わっていた

一夫多妻制が女性の社会進出を阻害するほか、そもそも経済性の豊かな国では一夫多妻制が必要ではないと書きました。

しかし、一夫多妻制がなぜ必要になったのかについては進化論を踏まえた研究しか現在されていません。

ところが、一夫一妻制度について調べていくと、どうにも動物的な進化論だけでは説明のいかない事実が幾つか出てくる他、日本という国の発展にすら大きく関わっていた節が見受けられるのです。

 

一夫多妻制度は明治時代まで存在した?

一般的には日本は昔から一夫一妻制度であったと考えられがちですが、実際には一夫一妻であったのは庶民の話で、ある程度裕福な人間ともなれば妾を持つことがステイタスになり、将軍や皇族は「側室」と言われる複数の婦人を抱えるのが伝統的な習わしでした。

この制度は明治政府に移行しても続けられ、日本で初めて作られた法律である「新律綱領」の中では、妾を法的に妻と同等の権利を持つという一文が添えられていました。

このとき法律が目指したのは、それまで立場が弱かった妾の地位を上げ、家の存続に大きく関わらせる事を可能にするためでした。

 

福沢諭吉が一夫一妻制度を導入?

しかし、明治政府が誕生した後、日本はすでに経済大国となっていた欧州列強においつくため、国力の強化を強いられました。

このとき、文化的にも近代化を求めらえていた日本では、自由民権運動と時を同じくして、女性の人権を求める声も大きく上がっていました。

そこに登場したのが、「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」「天上天下唯我独尊」の言葉で知られる一万円札の顔、福沢諭吉です。

福沢諭吉は自身の著書の中で、近代化が激しく進んでいる西洋になら、日本でも一夫一妻制度を推奨するべきだと時、同時に自由恋愛による結婚を推奨していたのです。

さらに、当時文部大臣であった森有礼も地震のちょその中で一夫一妻制度を解き女性の人を守るための運動を先導。その後、自ら手本を示すため、妻との結婚式をキリスト教式にし、妻であるツネは日本で初めてウェディングドレスを着た女性となりました。

実は、キリスト教はもともと一夫一妻制度の宗教であり、欧州の列強はこぞってキリスト教圏であったため、福沢も森村も進んでいたキリスト教を習い、日本の古い婚姻文化を打ち破ろうと行動に出たのでした。

 

天皇が側室制度を廃止

福沢諭吉と森村礼の活動が引き金となり、日本では古い婚姻制度や妾制度の廃止を求める声が起こりました。

その声の背景には、女性の立場を守りたいという声と、より貞操観念を重視し、人間として理想的な恋愛結婚を望む男性の声もありました。

その結果、明治31年にようやく妾制度は廃止され、一夫一妻制度が完成。

法改正後、国民の手本として天皇自らが側室制度を廃止。これを受け、日本では完全に妾制度が廃止されたのです。

 

経済大国となるために一夫一妻制度は必要であった?

この様に、近代的な文化を手にいれるために敷かれた一夫一妻制度でしたが、その影響は文化のみならず、日本を経済大国に押し上げる一因を担っていた可能性も十分に考えられます。

例えば、もしも福沢諭吉らが行動にでず、今でも日本に妾制度が存在していた場合、日本は世界でも有数の経済大国なれたのかシュミレーションしてみると、以下の問題が発生するでしょう。

 

養育費の問題

明治以降、日本が急成長を果たし、世界の列強と肩を並べられた理由は教育面に膨大な費用をつぎ込んだからです。

しかし、当時も現在もより良い教育を子供に受けさせようと思えば、それだけ膨大なお金が掛かるはず。しかも、明治時代に大学に進学できるのは、本当に一部の裕福な家庭の人間のみ。国民の大半が貧しかった時代だった当時は、小学校も行けなかった人が殆どでした。

このような状況で、一人の子供に教育を行う可能であっても、次男や三男は不可能。さらに妾の子供にまで及ぶと、とても大黒柱一人の経済力では不可能であったでしょう。

しかし、一夫一妻制度となれば、少なくとも妾と妾の子供を養う必要がなくなるので、その分のお金を子供たちの教育に注ぎ込む事が可能とります。

つまり、一夫一妻制度であれば、子供に対して十分な教育が可能となるため、多くの子供たちが高い水準の学習を行えたのです。

 

共働きが可能になった

また、一夫多妻制度では不可能であった女性の社会進出が可能になったことも、日本の経済的発展を支えた要因の一つです。

それまで男性だけで支えられていた生産性も、そこに新たに女性が加わることによって、生産性ははるかに向上します。

この場合、教育を受け、男性と同じように働ける女性が増えれば増えるだけ生産力は上がりますし、男性では難しい仕事を女性がこなす事によって、より幅広い業務を行うことが可能になりました。

また、共働きによって家計を支えることが可能になり、より家庭に入ってくる収入も増えるため、子供に受けさせる教育水準もどんどんと上がって行く事になります。

これがもしも未だに一夫多妻制で、女性が家に留まっている状況であれば、イスラム圏の様に石油が沸くのを願わなければならなかったかもしれません。

 

経済大国日本を守るためには、やはり一夫一妻制は必須

この様に、一夫一妻制度を保つことは、その国の経済を豊かにするためには必要不可欠なんだと考えれば、経済大国と呼ばれる国のほとんどは一夫一妻制を敷いているのも納得がいくでしょう。

ただ、そうはいっても一夫一妻制度を完璧に行うことは難しいもの。日本で初めて契約結婚を行った森村礼も、妻の弟が明治政府転覆工作に参加したことがきっかけで、結婚後11年で妻との離婚を余儀なくされてしまいました。

また、未だに不倫も浮気もなくなっていませんし、探偵社に寄せられる浮気調査の依頼も増加傾向にあります。

それでも、やはり人は結婚をした時には、一生をその相手と添い遂げたいと願っているのですから、努力さえ怠らなければ、夫婦がそろって同じ目標に向かっていけるかもしれません。