離婚率は年々増加?日本で離婚が増えている理由

日本の離婚率は統計が開始された昭和25年から42年までの間までは7千件前後で推移を続けてきていました。

ところが43年から58年までに離婚率は急上昇し、59年から平成2年にかけて一時的に離婚率が低下。そこから平成14年までの間に離婚率はさらなる急上昇を見せ、年間29万人にまで達しました。

しかし、平成14年から現在に掛けて離婚率は落ち着きをみせ、平成26年には22万2000組の離婚が成立しています。

婚姻数の推移

婚姻数の統計がはじまったのは昭和22年。

この年と、翌年昭和23年は第一ベビーブームと言われ、95万人もの人間が結婚しています。

その後、第2次ベビーブームとよばれた昭和45年には110万人もの人間が結婚。

しかし、そこから急激に婚姻数は低下していき、平成26年には66 万組が結婚しています。

 

離婚は経済的原因で発生するのか?

離婚率の上昇に大きく影響したのが、バブル崩壊による経済の低迷です。

バブル崩壊以前とバブル崩壊以降では離婚率は一気に数万人規模で上昇しているので、経済と離婚には関係性があるのが大きいようです。この点には様々な媒体で触れられているので、あえて説明は必要ないでしょう。

しかし、実際に統計を見てみると、けっして経済のみが離婚の原因となっている訳で無いこともわかります。

例えば、社会の経済が次第に明るくなっていった高度経済成長期であっても、その最中に次第に離婚数は上昇しています。

それがバブル期になると、離婚率の上昇は一時低下、そこからバブル崩壊と共に再び上昇をはじめています。

 

離婚が許されつつある社会

日本の経済の上下以外で離婚率の上昇を説明するとなれば、それそには女性の立場の上昇と、離婚が許されるべきという社会的風潮が広まったのが原因かもしれません。

例えば、戦前の日本であれば、男性から離縁を申し出る事は可能でしたが、女性から離縁を言いだす事は大変難しく、最終的にはその家を逃げ出し、「駆け込み寺」と言われる、現在のDV保護シェルターの様な場所に匿ってもらう他無いというのが現状でした。

所が日本の法整備が次第に整うにつれて、風習よりも法律を尊重する民主主義社会が形成されていきます。

その流れの中で当然起きるべくして起こったのが、女性の人権を保護する運動と、自由恋愛の風潮です。

女性の人権を守る運動の主な活動は、女性の社会進出を促すものでした。

社会進出を促すためには、家庭に閉じ込められ、男性優位の離婚制度に虐げられていた女性達を解放する必要があった為、女性がより性的に奔放であり、恋愛においてもより自由な姿が推奨される様になったのです。

 

核家族化

離婚率の上昇の理由には、家族の形が変わって来た事も上げられます。

かつての家制度の場合、たとえ結婚をしたとしえても、家長は祖父か祖母です。

この状態となれば、離婚についての決定権も結局は祖父や祖母が握っている事が多いため、夫婦の話し合いのみで離婚が成立することは少なかったと考えられます。

しかし、次第に家族の形が代わり、家族が核家族化していくと、結婚をした当人同士の意思が優先されるようになるので、他者の意見が入る余地が無く、本人同士の話し合いのもと離婚が成立しはじめたのでしょう。

つまり、周囲の意見が減れば減るほど、離婚は成立しやすくなると言うこと。

無理に結婚生活を続けるように言う人間が居なければ、結婚をした当人同士が別れることは、それほど不自然ではないのです。

 

個人主義

結婚をした後、問題があってもその関係を続けていく場合には、個人よりも夫婦で存在することに価値を見出しており、自身の利益のみを追求している訳ではありません。

しかし、個人の利益のみを追求する事が許される風潮が増えていくと、結婚をしても、結婚相手が自身の利益にならなければ、自身の利益を最優先して離婚をしていく事となります。

結婚生活を長く続けるためには、その様な自己利益にのみ執着した考えでは難しいでしょう。

 

男女の格差が少なくなった

離婚率を大きく押し上げる要因となったのは、恐らく男女の役割分担が減り、結婚をする必要性がそれほど無くなってしまった点です。

かつて、男性は仕事、女性は育児と家事といった様に、夫婦になった後の役割分担はよりはっきりとしていたので、お互いが「相手が居なければ生きてはいけない」と感じる事が多かったでしょう。

ところが、女性の社会進出が進んで、男女共に共働きの家庭も増えてくると、夫も妻も働き、両者が共同で子育てをし、共同で家事もするようになってきます。

この様な家庭は大変幸せそうに見えるので、多くの男女が家事や育児の共同分担を理想としてきました。

所が、家事も育児も仕事も出来る男性と女性が一緒になった場合、お互いに相手の存在価値について疑いを持ち始めてしまいます。

「結婚をせずとも、自分一人で子育てをしていける」と感じてしまえば、嫌な相手と結婚生活を無理に送る必要は無いはず。

 

さらに、近年では育児サービスも充実しているため、男手一人でも育児を行える環境が整ってきており、離婚後の親権が経済力がある男性に移る事が多くなっているため、男性側から「妻の存在理由に意味はない」として、離婚を切り出すケースも増えています。

また、経済力が無くとも、生活保護で母子加算があるので、貧しいながらも子育てを行う事も難しくはありません。

 

まとめ

日本の離婚数が未だ歯止めが掛っていない状況にありますが、それでも現在はいったん上昇をやめ、その数は横ばいを続けています。

社会の現状を見れば、より多くの離婚がいつ生まれても可笑しく無い状況にあるため、恐らく離婚数の増加を防ぐには、経済の上昇のみならず、離婚に対する日本人の意識を変える必要が出て来るでしょう。

しかし、男女平等や核家族か、個人主義の台頭など、人々がより平和で便利に暮らすために行われている事の殆ど全てが、どうしても日本人の離婚を促す負の要素として機能しています。

離婚数の上昇に歯止めは掛けれないかもしれませんが、その時には、私達はそんな社会に適応した生き方をすれば良いだけでしょう。