シェルターとは、避難が必要な人達のために国やNPO法人団体などが所有する施設です。
シェルターは一般的なマンションタイプのものが多いと言われますが、その実態は決して公表されていません。
もしも公表してしまうと、加害者が被害者を追ってシェルターまでやって来てしまうからです。そのため、シェルターの住所はもちろんのこと、シェルターがどのような建物なのか。マンションなのか、一戸建てなのかも明らかにはされていないのです。
ストーカーはシェルターの場所を知ることは出来ない?
被害者がシェルターに入ったあと、ストーカーは被害者を探し出そうとアクションを起こします。
しかし、シェルターに入っているかどうかもストーカーには分かりません。
シェルターに入居する際には、基本的に簡単な手荷物だけをもって行くことになります。その位置は場合によって家族にも知らされず、もちろん友人や知人もシェルターの位置はわかりません。もし位置を調べようと思ったら、警察やNPO法人の人間に直接聞くしかありませんが、双方ともに守秘義務がありますし、ストーカーだと相手が分かっていればまず答えません。
これだけ徹底的に管理された隠れ家であるからこそ、シェルターは避難場所としての機能を発揮します。シェルターにはいれば、まずストーカーには発見されないと思って間違い無いでしょう。
シェルターへの入居方法
シェルターの入居方法はそこまで複雑なものではありません。
しかし、正しい手順を踏まずにいきなりシェルターに入居することは出来ないので、事前にその方法について確かめておきましょう。
警察に相談する
NPO法人のシェルターに入るにしろ、警察のシェルターに入るにせよ、はじめに必ず警察にストーカーの被害を訴えなくてはなりません。
警察に訴える方法はとても簡単です。電話で警察に相談したあと、その後警察に行って担当者から直接話を聞くことになり、その後シェルターへの入居を希望することになります。
ただし、シェルターはいつでも空いている訳ではありません。国が保有するシェルターも、NPO法人が持つシェルターも数に限りがあるので、場合によってはシェルターへの入居を一時的に待ってもらうこともあるでしょう。
シェルターへの入居
シェルターに入居する前には、そのままシェルターに行くか、一旦自宅に戻ってからシェルターに入るか二つの方法があります。
シェルターへの入居手順は秘密主義なのではっきりはしませんが、実際にシェルターに入った人の話では、緊急性の高い状態ではシェルターにそのまま直接向かうことになります。
シェルター入居後は携帯の使用禁止
シェルターに入居した後は、携帯電話を警察に預けることになる場合が多いようです。
携帯を預ける理由は、携帯電話によって相手に自分の位置を知らせないためと、自分の居場所について不用意に周囲の人間に知らせないようにするためです。
ただ、ストーカー被害の程度や、被害を受けた人間の精神状態、年齢を考慮して携帯電話の使用を認めるシェルターもあるでしょう。
シェルターからの帰宅は自由?
シェルターに入ったあとは、出来るだけストーカーへの対処をやり終えたあと、転居先を決めて引っ越すことになります。
しかし、もしも被害者がどうしても自宅に戻りたいと言った場合には、警察は被害者を無理にシェルターにとどめておくことは出来ません。ストーカー被害者は犯罪者でもなく、なおかつ決定的に命の危険性に晒されていることが証明できる相手でもありません。どうしても自宅に戻りたいと被害者が思えば、自宅に戻ることもできるでしょう。
ただし、一旦シェルターに入ったなら、やはりストーカーを自分から遠ざける対策が施されるまで、出来る限りシェルターの中に居たほうが良いでしょう。シェルターは日本では最も安全な保護施設です。出来るだけ良い方法で問題を解決しましょう。
シェルターからの引っ越し手続き
シェルターはいつまでも入居している訳にはいきません。次の入居者もいますし、シェルターは悪魔で一時的な避難場所にすぎません。
では、シェルターを出る時にはそのまま家に帰されるのかというと、実はそうではありません。シェルターに入居している間、被害者は別の引っ越し先などを警察の担当者などと一緒に探すことが可能です。
さらに、引っ越し先は決して他人には知られません。住民基本台帳のデータベースにも、ストーカー案件により被害届が出されているなら、住民についてのデータ照会を求められても、本人とその親族以外には教えることは出来ない仕組みになっています。
シェルターの利用は積極的に行うべき
シェルターの利用は積極的に行うべきです。
ただし、重要なのはシェルターを利用したら、必ずストーカー問題を解決するための決意を固めることです。シェルターを利用する限り、その間仕事にはいけません。また、ストーカー被害を受けている事実を周囲の人間に隠し通すのも難しくなります。こうなった以上、ストーカー問題から目をそむけることなく、確実に解決する決意が必要となるのです。
シェルターに入る人の中には、携帯電話が使えなかったり、タバコが吸えない、人と会えない寂しさなどから、問題が解決する前に自らシェルターから離れて自宅に戻り、そのまま被害に合ってしまう人も少なくありません。
シェルターはホテルとは違います。管理も厳しいのは、それだけ被害者の安全を守るため。もしも管理がゆるく、シェルターを自由に出入りできるような状態にしてしまえば、シェルターの意味はなくなってしまうのです。
シェルターはけっして気楽に利用できる場所ではありません。もし国の管理するシェルターよりも多少自由が利く場所を求めているなら、NPO法人が所有するシェルターの利用を考えと良いかもしれません。
まとめ
シェルターの利用は被害者にとっても覚悟を必要とするものです。
しかし、その覚悟こそ、実は本当に被害者を救うものでもあります。
シェルターは利用するものであり、そこに入ると決めるのは被害者の意志。自らで自らを救うためには、使えるものは積極的に使って行きましょう。
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