警察はストーカー被害をどう見ているのか?小金井女子大生ストーカー事件の被害者が語る真実

2016年5月東京都小金井市で音楽活動をしていた元アイドルの大学生・冨田真由さん(21)がストーカーに刺され重体となっていた事件を覚えていますか?

この事件は2016年で発生した事件であり、或る意味では殺されるよりむごい仕打ちを受けました。

被害者である女性は全身を十数か所も刺されており、情報によれば頭部にも傷を負っているとのことでした。

 この事件では、被害者は警察にストーカー被害を訴えていたにも関わらず事件が発生したこと。被害者が現場で110番をした時に、警察は現場を確認することなく、登録されていた被害者の自宅に向かったことなど、かなり粗雑な対応が指摘されていたことも記憶に新しいです。この事件を受けて、政府はストーカー規制法案を改正。加害者がサイバートーカーであったことからSNSやブログなどのコメントによるいやがらせもストーカー規制法の対象となることが決定しました。しかし12月16日、被害者が自らの手記をメディアに公開した。その内容は警察の対応への不信感と憤り、そして、法改正だけでは埋まらない警察組織とストーカー被害者との溝が明らかとなったのです

 

被害者の手記

 

この記事では被害者が受けた警察からの対応を忘れず、今後私達がどのようにストーカー事件と向き合っていけば良いのか考えるためにも、原文のまま記載させて頂きます。

(以下原文)

 まずは、私が被害に遭ったときに、現場で犯人に立ち向かってくれた方、110番通報をして下さった方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。

 今私が生きていられるのは、皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 また、被害に遭った後から、これまでの間、警視庁の犯罪被害者支援室の皆様には大変お世話になっていて支援室の皆様にはとても感謝しています。

 犯人からのSNSへの書き込みが始まったのは平成26年の6月からでした。

 特に不安や恐怖を大きく感じるようになったのは、ライブ終了後にストーカー行為をされたことや、生き死に関する書き込みが1日に何件もくるようになったことがきっかけです。そんな中でも希望を持っていたのが、警察に助けを求めることでした。家族や友人は、命より大切なものはないよと、身の危険を感じていることや助けてほしいということを警察に伝えた方が良いと背中を押してくれました。私も、この不安や恐怖を解消するための一番良い方法だと思いました。

 警察には、命の危険を感じていることがわかる資料をいくつも持っていきました。男女2人の生活安全課の方が対応をしてくれて、主に女性が話を聞いてくれました。平成26年の6月からSNSへの書き込みが始まったこと、生き死にに関する書き込みが頻繁にあること、友人のSNSにも迷惑な書き込みがされていること、ライブ終了後にストーカー行為をされ命の危険を感じていたことを、持っていった資料を見ながら、特に危険だと感じていたものに関してはひとつひとつ説明をし、「殺されるかもしれない」と不安や恐怖を訴えました。資料が多かったため、後でゆっくり読ませてもらうと女性の方に言われましたが、ストーカー行為をされたことに関しては、そのときの状況を何度も説明すると、頷きながら聞かれていたので、理解してくれたのだと思っていました。相談にいったときに伝え忘れたことはひとつもありません。

初めは、気にしないでいようと踏ん張っていましたが、どんどん不安や恐怖が積み重なり、その重さに限界を感じていました。そんな気持ちから家族や友人に相談しましたが、犯人が急に目の前に現れて殺されそうになったとしても、私も家族も周りの人も素人なので、自分のことや誰かを守る方法は何も知りません。

警察からは、「使っているSNSから犯人のアカウントをブロックしてください」「何かあればこちらから連絡します」と言われました。その後相談から事件までの間に、担当者から3回ほど電話がかかってきましたが、私のことを聞かれたのはそのうちの1回だけでした。

 事件後、私が相談に行ったときのことについては、平成28年11月28日と12月2日の2回にわたって、警察から事情聴取を受けました。

 警察からの聴取の際、挨拶が終わった後の最初の言葉が「本当に殺されるかもしれないと言ったんですか」でした。その後も、私が「殺されるかもしれない」という言葉を言っていないのではないかと何度も聞かれました。

 でも、「殺されるかもしれない」という言葉を、私は絶対に伝えました。母も、警察に何度も訴えてくれました。これだけは間違いありません。この事実を警察が認めないことに、怒りを通り越して、悲しみを感じています。

必死に訴えたことが全く伝わらなかった。感じるものに温度差があったとしても、警察に持っていった多くの資料があり、殺されるかもしれないと何度も伝えたにもかかわらず、危険性がないと判断されたのは今でも理解できません。

今思うと、相談した際に、女性の警察官がほとんどメモを取らずに話を聞いていたことや、男性の警察官が「他の事件が忙しい」と言い何度も部屋を出入りしていたことから、私の相談を軽い気持ちで聞いていたのだと思います。

 私が言ったことをどのように受け取ったのか、相談した担当者に直接話を聞かせてほしいと何度もお願いしてきましたが、組織として対応していますと、一切取り合ってもらえませんでした。

 平成28年12月13日に、武蔵野署の署長からは形ばかりの謝罪がありましたが、「少しお元気になられたようですが」と傷付く言葉がかけられました。謝罪をしていただいたからといって傷だらけになった身体が元に戻る訳でもないし、時間を巻き戻せる訳でもありません。それでも、警察がどうして私の相談を真剣に受け止めてくれなかったのか、きちんと理由を説明してもらえるのなら、少しは救われるかもしれません。

 事件に遭った日から時間が止まってしまったかのように、前に進むことが怖くなってしまいました。支えや助けがあること、温かい言葉をかけてくれる人がいることで、きっと大丈夫だと思える勇気をもらい、なんとか毎日を過ごしています。

この事件以降も、似たような事件が起こっているのをニュースでみかけますが、その度にとても苦しい気持ちになります。犯人の勝手な思い込みや都合、感情だけで、なくなっていい命はどこにもありません。

本事案発生後の取り組みを拝見しましたが、警察がこの事件のことを本当に反省してくれていないと、また同じことが繰り返されるのではないかと心配です。

 この事件をきっかけに、同じ不安や恐怖を抱えて苦しんでいる人が、安心できるような社会に変わっていってくれたら嬉しいです。

 この文章で、少しでも私の気持ちが伝わりますように。

 平成28年12月16日 

       冨田真由

(引用元:産経新聞)

 

事件から学ぶべきこと

富田真由さんが手記を公開したのは、ストーカー事件に対して警察がどのような対応をしていたのか告発すると共に、自分のような被害者に同じような目にあって欲しくないからです。

しかし、残念ながら社会や警察組織の仕組みはそう簡単には変わらないでしょう。「他の事件が忙しい」といって部屋をでる警察も、「殺されるといったのか?」と言った警官も、私の目から見れば、警察組織で働く人間としてはごく普通です。

彼らがこの事件を切っ掛けに変わることに期待したいですが、警察組織の体制は変わらないでしょう。

現代の探偵達はその現実を見据えながら、今自分達が出来ることをするしかありません。

警察組織に頼れない被害者達が頼れる企業として探偵は今後も健全化を進めていくでしょう。

そして、警察に頼れないストーカー被害者達は、自分の身を守るためにも、ぜひ探偵を頼ってください。