個人情報の収集から始まるストーカーの悪質な手口とは?

2016年末のストーカー規制法改訂により、ついにインターネット上のストーキング行為に対しても規制を行うことが決定した2016年現在、インターネット上を見るだけでも、ストーカーに関する興味関心を持つ人々が多く増えつつある様子が伺えます。

また、2016年末のストーカー規制法では、危険度の高いストーカーに対して早急な対応を取るため、無警告で接近禁止令等を出すことが可能となりました。

ストーカーへの無警告の接近禁止令を出すことを決定した背景に、ようやくストーカーが「恐ろしい速度で行為をエスカレートさせる」と知られてきたからです。

 

エスカレートするストーカーの段階

どんなに危険なストーカーであっても、その行為は必ず段階的であり、いきなり殺害を実行することはありません。

ストーカー全体の総数は年々上昇しています。1990年末に発生した桶川ストーカー殺人事件の影響によって、翌年の2000年にストーカー規制法が誕生した時期には2200件であったはずが、2016年にはすでに〇〇〇〇件(警視庁発表)にまで到達しています。

ただ、全体の総数の内、殺害にまで至る危険なストーカーはわずか2パーセントしかいません。

そして、専門家以外の人達がニュースなどでみるストーカー事件は、そのわずか2パーセントの極稀な存在と言っても過言ではありません。

あまりにも多いストーカー相談に対して、わずか2パーセントのストーカー達最終段階である『殺人』に到達するまで、ストーカーの総数は次第に減っていきます。

まるで進化の流れのように、ストーカーもエスカレーする行為の中で、段階的に淘汰されていくと考えることも可能なのです。

 

段階1『公開情報からの個人情報の収集』

ストーカー行為の第一段階目は、特定の個人の情報を集める所から始まります。

特定の個人の情報といっても、それほど特別なものではありません。

SNSなどで分かる範囲や、偶然見聞きしたもの、もしくは興味本位で調べようと思ったことなど、新井とあらゆる分野に渡る特定個人にかんする情報収集がストーカーの第一歩となります。

ただ、個人の情報収集だけでストーカーになることはありません。

この段階での情報収集はオープンソース(公開された情報)だけですし、その程度なら誰でも行います。

興味本位ではなく、明らかな行為や、それに基づく怨嗟によるものだとしても、この段階ではストーカー規制法には該当しません。

第一段階は、いわば『ストーカー予備軍』であり、おそらく日本だけでも何百人もの人が、興味本位のストーカー予備軍として活動しています。

 

段階2『コンタクト』

見ず知らずの人間、またはかつての恋人や意中の相手とコンタクトを取るために動きだすことは、まだストーカー予備軍の範囲です。だた、すでにこの段階でエリートストーカーの分類が始まっており、ストーカー気質が少ない多くの人間は、この段階にまでは踏み込んできません。

 

元恋人との接触

別れた元恋人に対して接触を図ろうとするのは普通です。

ただ、コンタクの回数が多くなればなるほど、実行する人間は減っていきます。

直接のコンタクトで「もう二度と会いたくない」「復縁はできない」と言われると、たいていの人間はここで諦めます。

ところが、ストーカー気質が強い人間ほど、何度言われても連絡を取り続けていきます。

 

見ず知らずの人間へのコンタクト

アイドルやタレント、ネットの有名人に対してコンタクトを取るのは普通です。

ただ、ここでも何度も何度も繰り返しコンタクトを取っていれば、その回数分躊躇するのが普通です。

ですが、ストーカー的な気質の強い人間は、相手がどんな反応をしようがかまわずコンタクトを取ろうとします。

 

コンタクトを取るためのプレゼント

ストーカー的な気質を持つ人間が良く行うのが、コンタクトを取るためにプレゼントを使うことです。

この方法は男女問わず、リアルもネットも問わず行われます。

ただ、プレゼントを渡してそのまま関係が元に戻れば、それは十分恋愛関係に発展する可能性があります。

問題は、プレゼントを何度も送ることや、送ってもコンタクトが無い場合に、次の段階まで進んでしまうかどうかです。

 

段階3『被害妄想』

コンタクトを取ることに失敗したストーカーは、今度は激しい被害妄想に陥っていきます。

しかし、なかにはコンタクトを取れないからと諦める人間もいます。

第三段階までいくと、すでにストーカー規制法の範囲に入ってきていると考えて良いでしょう。

全てのストーカーは、コンタクトを取れない=自分が相手にしてもらえないからこそ、激しい被害妄想にかかれ、自己中心的なストーキングに走りはじめます。

 

段階4『つきまといの開始』

 

 被害妄想に陥ったストーカーは、様々な方法で被害者を支配しようと試みます。無言電話で何度も行ったり、相手の自宅付近に出没していくでしょう。

被害の相談が警察に行きはじめる

警察への相談が行きはじめるのは、ストーカーが過激な行動に出始めたこの段階であることが多いと言われます。

普通の人が警察に相談するのは、自分では手に負えない強い恐怖心を感じた瞬間であり、そのような過激な行動が見え始めるのは、加害者に強い被害妄想が芽生えはじめてからです。

 

エスカレートが止まらなくなる

強い被害妄想に駆られたストーカーは、ここから次第にブレーキを踏むことが出来なくなります。

ここからは、いかに加害者が自己中心的なのか、強いコンプレックスを持っているのか、被害者妄想を持ち続けるからで、最終段階に行くまでにブレーキを踏めるかが決定していきます。

ただ、どの段階でもブレーキをひいても、ストーカー規制法違反になることは免れず、いわば「どれだけ安全に事故を起こせるか」というような状況になっていくと考えられます。

 

段階5『脅迫や名誉棄損』

 

被害妄想が強まると、人は強い攻撃性と持ち始めます。

その結果、相手を脅迫したり、名誉を棄損するような文章を職場や学校、インターネット上にばらまくことも考えられますここまでくると、ストーカーは自分自身に対して激しい嫌悪感すら抱くようになります。

ストーカーの中にはブレーキをふみたがり「自分を止めてくれ」といったメッセージを被害者に伝えはじめます。

 

段階6『傷害などの暴力行為』

 

被害妄想がとまらず、傷害などに発展しはじめれば、もはや回りが止めるしかありません。

本人の意志ではもはや止めることが出来ず、最後に残った理性を働かせている段階と考えられます。

また、刑罰を受けても再犯の可能性は極めて高く、被害者は十分に注意しなくてはなりません。

加害に対する治療も積極的に行わなければ、二次被害は免れないでしょう。

 

段階7『殺害』

警察に寄せられる年間20000件以上のストーカーの中で、わずか2パーセント。

つまり、年間3人前後のストーカーが行き着くと言われるのが、被害者の殺害です。

被害者を殺害するストーカーは、きわめて自己中心的で、コンプレックスが強いながらも、相反してプライドも高いという歪んだ性格を持つと言われます。

殺害までのプロセスは、ほぼ上記の段階を踏んでいますが、元交際相手で居場所も知っているような場合には、1~4までのステップを一気に乗り越えてくるので、加速度的に第7段階までやってきます。

また、第7段階まで、どのような速度でやってくるのかは、被害者も警察もまったく予想できません。

日本で起きるストーカー殺人の多くは警察に相談したあとに発生していますが、警察もそこまで加速度的に被害が進行するとは思わなかった人間が多いのです。

 

段階8『自殺』

 

ストーカーにまている本当の最後の段階は、加害者の自殺です。

日本でおきたストーカー殺人の内、桶川ストーカー殺人事件と逗子ストーカー殺人事件では、双方ともに加害者が自殺しています。

ストーカー加害者が自殺する理由は、彼らの本当の目的が被害者を殺すことではないからです。

にも関わらず、相手を殺害するにまで至る加害者は、自責の念に耐え切れず自殺。

もしくは、はじめから自殺をするつもりで加害者を殺すことが多いです。

 

まとめ

ストーカー研究ははじまったばかりです。

ストーカーに関する考察や研究もまだ少なく、日本では専門的にこの問題に取り組む人はまだ多くありません。

 しかし、ストーカーに関する知識の中でも、被害者の身を守るためには『ストーカーは被害をエスカレートさせる」『最終的には殺人事件にも発展し、加害者も自殺する可能性がある』ことを忘れれば、どんな人間も対応が遅れ、被害を甘くみてしまうでしょう。