逗子ストーカー事件から学ぶ、被害者への情報漏えいの方法

貴方は逗子ストーカー事件を知っていますか?

逗子ストーカー事件とは、2012年に神奈川県逗子市で発生した事件であり、その後のストーカー規制法の改正や、個人情報保護の取り扱い、さらには探偵業界にも大きな影響を与えた事件です。

この事件の被害者である三好理絵さん(当時33歳)の夫が10月25日に同士に1千万円の慰謝料を求める訴訟を起こしたのです。

では、一体なぜ被害者の夫は訴訟を起こしたのか?

この問題を見ることで、ストーカー被害に関する大きな問題が浮彫になってきます。

 

逗子ストーカー殺人事件の概要

 

逗子ストーカー殺人事件とは、2012年11月6日、逗子市在住の三好梨絵さんが自宅で元交際相手の男性に刺殺されたストーカー殺人事件です。

加害者の男性は被害者を殺害後、現場で首を吊り自殺。

その後の捜査により、この事件では東京都のある違法営業を行っていた探偵が、逗子市役所に電調(電話による聞き取調査)被害者を仕掛け、被害者の現住所を調べ、ストーカーに報告しています。

この罪により、探偵は偽計業務妨妨害などで逮捕され、後に容疑が固まり起訴され、名古屋地裁により懲役2年6月、執行猶予5年の判決を言い渡されました。

 

悪徳探偵による違法調査の実態が明らかに

この事件により、探偵業界に巣くう悪徳探偵が行っている違法調査の実態が明らかになりました。

同元探偵は、事件前にも警察官に賄賂を私、犯罪者の情報を買い取った事から逮捕され、営業許可を取り消されていたが、探偵業の届け出を出さずに違法営業を行っていた実態も明らかになっています。

この問題は探偵業界にも大きな衝撃を与えました。

調査手法の問題も浮き彫りになるばかりか、同探偵が依頼者がストーカーだと気が付かず、さらには下請けとして調査を請け負っていたことなども問題となり、全国の探偵社は身分を偽って依頼してくるストーカーにも警戒心を高めはじめました。

 

情報を漏らした市職員

この事件では、ストーカー自身は自殺してたため不起訴となりました。

調査を行った探偵は逮捕されたものの、ストーカー規制法とはまったく関係が無い容疑での逮捕です。

ただ、情報を漏らした市職員に対しては、故意に情報を漏らしたという証拠が無く、検察は立件を見送っています。

しかし、三好さんの夫は、市に対して1000万円の賠償請求を行っています。

その理由は一体何なのでしょうか?

 

ストーカー規制法の盲点

三好さんの夫が訴訟を起こしたのには理由があります。

実は、ストーカー被害を警察に相談した人間には、市に対して住所の閲覧制限が掛ける事が可能となっています。

逗子ストーカー事件においても、被害者である三好さんは市に対して閲覧制限を掛けていたのです。

所が、調査を依頼された探偵の口車に乗せられた市納税課の職員は、探偵に対して本人の個人情報を教えてしまったのです。

 

閲覧制限を確認していなかった可能性

 

起訴内容によれば、電話を受けた市納税課の職員は、三好さんの個人情報に閲覧制限がされていないかや、探偵が三好さんの関係者かどうかを確認しなかった過失があると主張。

三好さんの夫は市に対して、個人情報の漏えいは地方公務員法の守秘義務違反であり、本人のプライバシーを著しく侵害したとして、損害賠償を求めているのです。

 

誰でもストーカー被害者の情報を盗める可能性

 

逗子ストーカー事件で発覚した問題の一つとして、

ストーカー被害者のための保護制度が上手く機能していないという問題が上げられます。

 

閲覧制限の隙

ストーカー規制法の制定により、ストーカー被害を相談した人間は法律によって守られることとなります。

特に、閲覧制限を掛けることはかなり重要な制度です。

被害者を引っ越し先まで追いかけるような人間は、まず間違いなく危険度の高いストーカーです。

そんな人間は、被害者を発見するために手段を問いません。

探偵を使って探し出そうとするものも要れば、自ら被害者の親族や関係者になりすまし、住所を調べようとするでしょう。

その時に、閲覧制限が上手く機能しなければ、被害者の命は守られません。

 

探偵にやれることはストーカーにもやれる可能性がある

逗子ストーカー殺人事件では、被害者の住所を違法営業の探偵が見付けだしたました。

しかし、違法行為すら問わない探偵といえど、下手をすると素人のストーカーでも同じような行動に出ることがあります。

なぜなら、探偵には国から特にこれといった権限は与えられません。

平成19年に施行された探偵業法により、探偵の仕事が法律で守られることとなりましたが、それでも調査方法は今まで通り、法律を逸脱することは許されません。

つまり、探偵が行える調査手法は、一般人でも真似ることが可能ということです。

当然、個人の持つ技術力は知識に探偵は依存しているので、同じレベルでストーカーが他人の住所を見つけ出せるとは思えません。

しかしながら、ストーカーには技術や知識よりも恐ろしい「執着心」があります。

これこそが、ストカーが犯が被害者の自宅住所を割り出す原動力となっています。

彼らはあらゆる手法を試み、金銭も惜しまず、時間も気にせず、嘘をつこうがお構い無で被害者を見つけ出そうとします。

その性質を理解していなければ、ストーカー被害者を守り切るのは難しいのです。

 

まとめ

 

逗子ストーカー事件は、ストーカー事件に関わる多くの人間達に衝撃と学びを与えました。

今後、このような被害者を出さないためにも、過去の事件からは多くのを事をくみ取り、今後の調査や対策に生かしていかなくてはなりません。

また、現在ストーカー被害に合っている人も、ストーカーから被害者を守るためのシステムが未だ不完全であることを熟知しなくてはなりません。

最終的には、自ら身を守るしか無い現状を知らず、油断してストーカーに襲われた被害者は数え切れません。

ストーカー被害は今もその数を増しています。

警察を頼るだけでなく、自分で自分の身を守ることを前提として、足りない部分を専門家や法律に補ってもらう意識を持つことが大切なのです。