現代社会の苦悩、集団ストーカー被害

インターネット上では実しやかに噂されている『集団ストーカー』この言葉を聞いたことも無い人もいるでしょう。またの名を『ガスライティング』といわれるこの現象は、いつの時代からか、世界中のいたるところでその被害を訴える人が出始めたのです。

こうした被害の訴えはまず警察に行くものですが、警察では対応しきれない人々がその後探偵社に依頼されることとなります。また、私自身もかつて集団ストーカー被害を訴える依頼者の調査を行うことが何度かありました。

では、集団ストーカーとは一体どんなものなのか?

私がかつて経験した事例からその一部についてご紹介させていただきます。

ケース1「近隣住民から集団ストーカーを受け散る」

男性Aが探偵社にやってきたのは、自分の受けている集団ストーカー被害の証拠を集めるためでした。ストーカーと目されているのは、自宅の周辺に住んでいる不特定多数の住民。その人数は不明ながら、毎日のように自分の行動が監視されていると訴えていました。

そこで、探偵社は依頼者の話を聞いていくと、訴える被害はかなり恐ろしいものだったのです。

毎朝一斉に動き出す住民

依頼者の話によると、毎朝氏が起きてから出勤すると、近隣の住民が一斉に自分を監視するための行動を開始するというのです。

隣の家からは外にお婆さんが出てきて、依頼者が出かける様子を見お送り、斜め迎えの家からは車が発進して、依頼者の後をつけてくるというのです。

また、向かいの家からは学校に行くふりをした子供が出てきて、依頼者の様子を監視しているというのです。

調査開始

調査を開始すると、確かに依頼者のいう通り、周辺住民は動いていました。依頼者が家から出ると、隣の住人はお婆さんが出てきて玄関前の掃除をし、迎えの家からはサラリーマン風の男性が車に乗り込み発進。迎の家からは子供が出てきて自転車で走り出したのです。

ですが、彼らは決して依頼者を見ている様子はありませんでした。時刻は朝方ということもあり、近隣住民はみなそれぞれ通常通り掃除をし、出勤し、学校に向かって行っただけなのです。

この調査は、依頼者の希望通り3日間に渡って行われましたが、それぞれの住人は必ず依頼者が家から出たタイミングで出るわけではなく、やはり大きなズレがあることがわかりました。
いずれもただ近隣住民がそれぞれの生活をする、至って平和な様子しかカメラに映すことは出来なかったのです。

依頼者の反応

探偵から見れば、これらの証拠は、反対に依頼者の言う所の「集団ストーカー」の証拠ではなく、むしろ、ストーカーではない証拠としてとらえることが出来ます。

出てくるタイミングもバラバラで、依頼者の行動に合わせているのではなく、それぞれがただ朝の一定の時間に合わせて動いているだけに過ぎないのです。

ところが、この報告書を見た依頼者は「集団ストーカーの被害はやはりあったのだ」と疑うことは決してありませんでした。むしろ、ストーカー行為を裏付けるものとして依頼者は報告書を捉えてしまったのです。

相談員は依頼者に対して何度も事実を説明し、映像をみせながら「集団ストーカーの事実は認められません」「一般的に見ストーカー行為が認められないと考えられます」と言うのですが、依頼者は納得せず、さらに調査を求めてきたのです。

ですが、これ以上の調査は出来ないとして探偵社はこの依頼者の相談を断ることにしました。

 

ケース2「集団に尾行されている依頼者」

「毎日のように、複数人の人間から尾行を受けている」

そう訴えてきたのは、とある中年女性でした。

結婚歴はなく、現在は実家で両親と暮らしているそうなのですが、外出するたびにストーカー被害を受けているという考えにとりつかれ、そのまま精神科へ。

その医師からも家族に「一度実際にストーカー調査を受けてみるのも良いかもしれません」と言われたそうなのです。

調査開始

調査を開始する日、依頼者は自宅から出て、その後図書館へ、その後は銭湯に入って自宅に戻る予定でした。移動はすべて徒歩。

近所ということもあり、調査は合計3時間以内で終了する予定でした。

尾行開始、依頼者は家から出てくると、そのまま周囲を気にしながら歩きはじめました。事前に調査員の背格好などは教えてあるため、こちらがストーカーと勘違いされる恐れはありません。しかし、非常に強い警戒心を示していた依頼者は、通常の尾行なら誰でも調査を中止するような行動(ふりかえり、右折を3回繰り返す)などを何度も連続しておこないます。

図書館に入ったあとも対象者の警戒心は強いようで、誰かに見られていないか時々後ろを振り返ったり、周囲を気にして一番奥の席を選び、読んでいる本がわからないように机の回りを脱いだ服や荷物で固めていました。

その後銭湯に行き帰宅するまで、周囲には一度もストーカーらしき人物はいませんでした。あえていたとしたら、それは探偵である私達だけ。

そんな状況であっても、依頼者は調査終了後に、自分を尾行していたという人々の特徴について次々を伝えてきたのです。

納得した依頼者だが

「周辺にストーかーと思わしき人物は見受けられなかった」という文言が入った報告書を依頼者に手渡すと、依頼者は疑念をもちながらも相談員の話に耳を傾けていました。すると、次第に安心しはじめたのか、ストーカーが居なかったことに納得するような姿勢を見せ始めたと言います。

しかしそれから一か月後、探偵社には同じ依頼者の家族から再び依頼の電話が入りました。どうやら、一度は納得したものの、数日を過ぎてから再び「ストーカーが居る」と言い始めたそうなのです。

しかし、これもやはり何度調査しても同じ結果であることを伝え、しばらく様子を見てからまた相談して欲しいと告げました。

 

強力な被害妄想が引き起こす現象

集団ストーカーの正体は、協力な被害妄想です。心理学の世界では「誇大妄想」や「心的外傷」もしくは「偏執病」などに分類されるかもしれません。

これらの妄想は、事実を自らの被害妄想に合致するように解釈するようプログラムされてしまった脳が原因だと言われます。しかし、事実というのは多様な解釈があるもので、私達が同じ現象をみて、同じような意見が出るというのは、或る意味では奇跡的なことに近いのです。

ですから、誰でも集団ストーカー被害の妄想を持つことはありえます。特に心に大きな傷を負ってしまったり、強い恐怖に際悩まれた時、人は自分を生かすために、事実を常に最悪な状況につながるものだと考え、それに合わせて合理的な答え・・・

つまり、一般的には「被害妄想」と言われるような解釈をし続けるでしょう。

集団ストーカー被害を生み出すのは人の恐怖。その恐怖を癒すのは、とても難しいことなのです。