日本で起きるストーカー事件の多くは恋愛関係の破綻が原因となっています。
しかし、実際に恋愛関係に発展していなくても、一目ぼれによって特定の異性のストーカーとなるケースも多いです。
ただし、この手のストーカー犯は非常に慎重で、事件化することは殆どありません。
表にはそれほど多く出てこないものの、隠れたストーカー犯として知られています。
一目ぼれのストーカーは「相手を知る」ため密かに活動する
一目ぼれによるストーカー犯と被害者の関係は、まるで接点がありません。
道端で出会ったり、通勤電車の中で出会ったり、もしくは会合や飲み会などで出会うこともあるでしょう。
しかし、出会ったとしても、相手は加害者の顔を覚えていることは殆どありません。
被害者は自らが一目ぼれをしていると気が付いているものの、積極的に話しかけることはありません。
なぜなら、自分が一目ぼれであることを理解しているため、相手に好意が無いことも分かっているからです。
ですが、一目ぼれで発生した自分の好意を抑えることが出来ません。
そこで、とにかく相手を知りたいという強い思いと、自分の存在を知ってほしいという強い感情に突き動かされてストカー行為に走ります。
ストーカー行為に激情が伴いにくい
一目ぼれによって起きるストーカー行為では、突然相手を襲うことは殆どありません。
日本で今まで事件かするストーカー事件の大半は、男女関係のもつれによって発生します。
異性関係のトラブルの大半は、どちらかが一方的な別れを切り出した事によるすれ違いが原因です。
フラれた事による愛憎が激しすぎるため、ストーキングも攻撃的になりやすく、表に出やすいのです。
一方、一目ぼれによって起きるストーカー行為には激しい愛憎は発生しません。
このタイプのストーカーの目的は、相手がどんな人物なのか知りたいことと、自分の存在をアピールしたいという願望の達成だからです。
もし、異性に告白してフラれると愛憎も激しくなるでしょうが、そこまでに至らないのが一目ぼれタイプのストーカーでもあります。
一目ぼれによる様々なストーカー行為
一目ぼれよるストーカー行為は、そのほかのストーカーとは性質が異なります。
ストーキーングの方法はもちろん、ストーカーの持つ願望もその他のストーカーとは一線を画しているのです。
見ず知らずの人間へのストーキング
一目ぼれタイプのストーカーに狙われた被害者は、加害者の顔を殆ど知りません。
そのため、ストーカー被害にあっていたとしても、その相手がどこの誰なのか分からない恐怖に悩まされます。
一目ぼれタイプのストーカーが狙う相手は、偶然出会った異性であることが殆どです。
中でも多いのが、毎日の通勤、通学ルートの中で出会う異性です。
毎朝乗る電車や、バス、歩く途中で魅力的な異性に出会ってしまい、一瞬で恋に落ちてしまう。
しかし、その相手に話しかけることもできず、なんとか思いを伝えようとしたり、相手がどんな人間が知りたい欲求が先行して、ストーカーとなっていきます。
相手の行動パータンを把握したがる
普通のストーカーの場合、相手の行動パターンはさほど把握したがりません。
するとしても、自宅への帰宅時間程度で、実はそれほどストーカーらしい行動をしている訳ではないのです。
ですが、一目ぼれタイプのストーカーは、世にいう典型的なストーカー気質を発揮します。
見ず知らずの人間に強い好意を抱く彼らは、まず相手の姿を見ようと、被害者の行動パターンに会わせて日常を変化させていきます。
電車であれば、被害者が電車に乗る時間を把握。さらにいつも乗る車両に自分も乗るようにするでしょう。
その次に行うのが、勤務先や自宅の特定です。
ここでストーカーは自ら尾行し、相手の住所や職場、もしくは学校を突き止めます。
一目ぼれ型のストーキングの目的は、相手の素性を調べあげることにあります。
しかし、それでとどまれば良いものの、中には相手の自宅を突き止めたあと、ガーボロジー(ゴミ調査)を行って、その生活習慣までも調べようという恐ろしい人もいるのです。
一目ぼれ型に男女差はさほどない
一目ぼれ型のストーカーに男女差は殆どありません。
一般的なストーカーは男性が多いと言われていますが、このタイプのストーカーは男女差がないのが特徴です。
私個人の経験を踏まえると、一目ぼれ型のストーカーで本格的にストーキングをする人は、
男性よりもむしろ女性のほうが多いという印象を受けます。
実際には、一目惚れをする確率は女性よりも男性のほうが圧倒的に多いのですが、男性の場合には声をかけたり、
デートに誘ったりと積極的な行動に出るタイプも多いので、明らかなストーカーと化す前に、異性と関係を持ちたがります。
一方、一目ぼれをした女性の場合には、声を掛ける勇気が無いせいで陰湿なストーカーと化すタイプが多いです。
また、女性は好きな相手の私生活をとにかく知りたがるという癖を持つ人が多いせいか、
自宅近辺に夜な夜な出没し、相手が寝る時間などをわざわざメモしている人もいます。
相手への遠巻きなアピール
一目ぼれをした相手にたいして告白する勇気がないストーカーであっても、ストーカーはいずれ異性に対してなんらかのアピールをしだします。
ところが、ストーカー化する位異性関係が苦手な人達でもあるせいか、アピールがすでにストーカー行為であるとして逮捕されるような人もいます。
自己アピールによりストーカーとして逮捕される理由は、彼らのアピールが異性に対して魅力的に映らない。
もしくは恐怖すら与えてしまうものが多いからです。
道中でなんども偶然を装い、相手の視界に何度も入ろうとする。
もしくは、ラブレターをカバンの中にしのばす。
行く先々に現れては、自分の好意を伝える。
もしくは、自宅に勝手にお土産と称して物を置いていくなど、相手の気持ちを考えない、一方的な方法があまりにも多いのです。
彼らからすれば、ストーキングの末の告白は勇気を振り絞った自己アピールでもあるのですが、残念ながら、被害者にとっては恐ろしいものばかり。
こうして人の考えを想像できない所も、このタイプのストーカーの特徴です。
まとめ
一目ぼれによりストーカー化する人間は、実際にはそれほど悪い人間は居ないと私は考えます。ただ、好意を持ったものの勇気が出ず、ストーカー化してしまう可哀想な人が多いという印象を受けます。
これも昔なら純愛的な行動として見られるのでしょうが、現代では明らかなストーカーです。
つきまといにあっているなら、本人のためにも、早めに警察に相談しておきましょう。
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