ストーカーが最も恐れるのは拒絶?心理状態から見るストーカーの兆候

日本のストーカー規制法は『好意に基づく感情』を行動原理としたつきまとい行為をストーカー規制法により厳罰や警告の対象としています。

確かに、ストーカー事案の多くは元交際相手、もしくは一方的な好意を持つ人間が加害者となります。

ただ、彼らは決してひどい振られ方をしたとか、恋愛で手痛い目にあった(浮気をされたなど)ということは殆どありません。

しかし、彼らは自らを被害者だと言い張り、一方的にストーキングし、本物の被害者に強い恐怖や暴力を与えていきます。この現象が起きる鍵となるのが、加害者の心理に潜んだ『拒絶』への拒否反応です。この仕組みをひもといてみると、ストーカーがなぜ被害者意識を持ち、過激な攻撃を行い続けるのか、その正体について知ることが出来るでしょう。

ストーカーは『拒絶』を極端に嫌う

 

ストーカーは自分を拒絶する人間を決して許しません。

それが恋愛関係でなくとも、彼らは拒絶されることを極端に恐れるがあまりストーカー化することすらあるのです。

 

拒絶を拒否するストーカー達

ストーカーがなぜストーカー化するのか?

その心理を紐解く上で欠かせないのが、恋愛感情に基づかないストーカー行為を見ることです。

日本の法律の定義には外れますが、ストーキングは何も恋愛感情などの好意だけで発生するものではありません。

例えば、ある中年の男性ストーカーは習い事のためにスクールに通い始めましたが、そこで不当な扱いを受けたとして激怒し、塾の講師に対してストーキングを行いはじめました。

しかし、ふたをあけてみれば、スクール側はただ予約が多く、男性の希望通りの日に授業を行うことが出来なかっただけで、別の日にちに授業をずらしていました。

また別の事例を見てみましょう。

ある女性がストーカー化した事件では、友人である女性に対してストーキングを行っていました。

彼女はストーキングの理由として、彼女に彼氏を取られたと言い放っていましたが、蓋をあければ、彼氏を振ったのは彼女のほうでした。

しかもストーキングを行ったのは、新しく交際した女性で、元の交際相手ではありません。

つまり、そこにストーカー規制法にあてはまるような「好意」というものは殆ど無いのです。

 

拒絶によって自己肯定感を失われてしまう加害者

恋愛関係でもなく、被害者に好意を持っていなくとも、ストーカー行為に走る加害者達。

彼らは単に他人にいやがらせをして楽しむような性格の悪い人間ではありません。

なぜなら、彼らに話をきけば、こぞって「自分が被害者だ」と言い出すからです。

この世の中には、他人から拒絶されることを極端に恐れる人々がいます。

他人から拒絶されるのは誰でも気分は悪くなります。

ただ、「まぁ仕方ない」と割り切れる能力を備えているのがストーカーと、そうはならいない人の違いだと考えられます。

 

被害妄想を抱き続ける

ストーカーが現実を見て、拒絶された程度で人生はさほど変わらないことに気が付ければ、恐らく、どんな人間でもストーカーにはならないでしょう。

しかし、現実問題として、ストーカー達は人から拒絶を受けると、さほど大した問題でもない事実を誇大化し、自分が相手に攻撃し、復讐するに足りうるレベルの被害にまで妄想を発展させるのです。

この仕組みが、恋愛で別れた相手がストーカー化する原因です。

加害者は、ただ相手から別れを切り出されただけ。

現実的な影響よりも、さらに大きな被害を受けたかのように錯覚するのです。

この被害妄想により、加害者は相手に騙された、もしくは裏切られたと思い込み、徐々に激しいストーカー行為を繰り返していきます。

 

現実とは相反する被害妄想を自覚している

 

ストーカーの大半は現実を捻じ曲げてしまうほどの被害妄想を持つことができます。

しかし、彼らの大半は現実も同時に直視しているという不思議な症状も持ち合わせています。

あるストーカーは、自らの激しいストーキングをしておきなら、一方ではストーカー相談窓口に自ら連絡し「自分を止めてくれ」という相談をしていました。

また、ストーカーの一部は、被害者に対して時折謝罪をしたり、自分からはやく逃げてくれと言う人間もいるのです。

 

現実と被害妄想の間を行き来するうちに葛藤に耐え切れなくなる加害者

ストーカー加害者のごく一部は激しい被害妄想を抱き、現実そのものを見れなくなっています。

そのため、実生活すら困難であり、精神病院に日常的に通院、もしくはかなりの重症患者で、隔離病に入院していた人間もいます。

ですが、ストーカー事件の加害者の大半は我々と同じように仕事をしています。

それどころか、加害者の多くは一定以上の知性を備えており、社会的に自立しています。

つまり、私達が良く思うストーカー像とは相反するような、とても普通の人間が多いのです。

そのような普通の人間がなぜ激しい被害者意識をもちはじめ、恐るべきストーカーへと変貌してしまう仕組みは未だ解明されていません。

しかし、一つだけ確かなことは、そのような激しい葛藤に襲われている人間ほど、全てを終わらせようとするがあまり、被害者の命を狙う可能性が高いということです。

 

被害者を殺し自殺をしようとする

被害者を殺し自殺しようとする人間はあとを絶ちません。

日本で初めておきた桶川ストーカー殺人でも、加害者は自殺。

その後起きた逗子ストーカー殺人事件でも被害者を殺害した直後、加害者も同じ現場で自殺しています。

彼らが加害者を狙う時、決まって自らの命すらも顧みません。

もしも彼らが本当に被害妄想によって現実を見ていないのなら、復讐という正義をなしたわけですから、自分が死ぬ必要はありません。

自殺をするということは、それだけ自らの行いが取り返しのつかないものだと理解いているからです。

相手を殺してでも手に入れたいという欲求と、全てを終わらして被害妄想から逃げ出したという相反する感情が生む激しい葛藤こそが、ストーカーを駆り立てていると言えるでしょう。

 

まとめ

ストーカーがもつ拒絶を恐れる感情が引き起こす負の感情の連鎖こそ、ストーカー犯罪をより過激にエスカレートする原因を生み出しています。また、その被害感情は加害者のあまりにも自己中心的な性格から生み出されていることが多く、治療はあまりにも困難だと言われています。