2016年はかつてない大量のストーカー犯罪の年となりました。
年明けから年末にかけ、全国では多数のストカー事件が発生。死傷者と逮捕者は双方合わせて過去最大のものとなりました。
ストーカー規制法が制定されてからというもの、ストーカーによる逮捕者は後を絶たない。
通常、法律は犯罪を抑止するための効果が期待されるが、同法律では逮捕者ばかりが増えており、警察もストーカー対策のための新たな部署を設置。
人員を導入するため、2015年には3億以上の予算を必要としていました。
ただし、ストーカー事件の増加は警察のノルマ稼ぎではない。
ストーカー案件は、あくまで相談によって生まれるもので、警察がノルマ稼ぎのために積極的に捜査を行うことはできません。警察が予算を大きく組んだのは、あくまで必要に迫られての結果です。
それでは、一体なぜストーカー事件はここまで大きく増えはじめたのか?その実態について詳しくご説明します。
ストーカー認定されることが増えた?
ストーカーが増加し続けている最大の理由は、いままで隠されてきたストーカー事件が一気に噴き出してきたからです。
ストーカー規制法の誕生
桶川ストーカー殺人事件を切掛けに誕生したストーカー規制法。
その後、法律が改正を余儀なくされるような大きな事件が発生するたびに、ストーカーの認知度は高まっていきました。
しかし、当初はストーカー事件が起きたことや、ストーカーという存在が居ることは知っていても、ストーカー規制法が存在することに多くの人間は気が付かなかったのです。
ストーカー被害の自覚
ストーカー規制法が出来ても、当初はストーカーの相談をする人間は今のように多くありませんでした。
その理由は、ストーカー被害を受けていると自覚できる人間が、今よりも遥かに少なかったからです。
自らがストーカー被害者であるか知るためには、まずストーカーについて知る必要があります。
ストーカー被害とは一体どんな被害を指す言葉なのか?
その細かな意味を知ることが無ければ、自分がストーカー被害者であると気が付けない人がとても多かったのです。
現在、インターネットを通じてストーカー被害について多くの知識を得ることが出来ます。
また、ストーカー事件が起きるたびに、メディアが何度もストーカーについて取り上げる事からも、人々の間に徐々にストーカー事件に関する知識が増え、自分が被害者であることや、その結果、大きな事件につながる恐ろしさも知り、相談件数が増えていったものと考えられます。
ストーカー被害とは、男女の間に起きるトラブルの一つです。
そのため、当初は警察も『民事不介入』の原則に基づき、そこまで積極的に介入しませんでした。
しかし、これは警察だけの問題でもありません。
桶川ストーカー殺人事件では、被害者やその家族の相談を警察が民事不介入の原則を盾に無視したことが大きく取り正されましたが、
被害者達も、自分の受けている精神的苦痛や恐怖などを警察に相談し、解決してもらえるとは思っていなかったのです。
しかし、現在は多くの人がストーカー規制法について知っています。
法律について知らなくても、ストーカー被害を受けた場合には、警察に相談することで、警告や接近禁止令、もしくはシェルターに入ることを知っている。
もしくは知るための手段(ネットなど)が増えたことから、隠されていた被害者が次々と警察に相談しているのです。
痴情の縺れは大半はストーカー事件となる
ストーカー事件とは、その多くが恋愛の破綻によって引き起こされています。
つまり、事件の背景には男女の愛情が入り混じっており、実際に事件化するまでは、ただの異性トラブルという見方もできます。
ストーカー規制法が誕生してからというもの、痴情の縺れによる殺人事件の大半に、ストーカー事件の存在が隠されていたことが明らかになりました。
被害が生まれる前に、被害者を付け狙う脅迫を行うこと、さらに自宅に押し掛けることは、今までは全て痴情の縺れによる殺人や傷害として処理されてきたのです。
なお、2013年に警視庁が発表した犯罪白書によれば、日本でおきる殺人事件の動機の第二位は痴情のもつれとなっています。
それだけ事件が起きる割合が高い犯罪に、最近では「ストーカー」という考え方が入りはじめ、事件として目立つようになっていったとも考えられます。
異性トラブルが増加している?
ストーカー事件の増加の原因の一つとして、異性トラブルの増加も無視できません。
異性間の争いが増えた最大の原因は、男女の性質の変化です。
社会やその外で戦う機会が減った男性は、現代の社会になじむために、男性的な攻撃性を失っていきました。
一方、女性は今までの様に家庭に収まる訳にはいかなくなり、今までよりも攻撃的に世の中を生き抜かなくてはならなくなったのです。
こうした男女の平等化は、男女のパワーバランスを崩す結果を生み出しました。
つまり、男性は女性を守るという考えも、女性が男性を敬うという考えも消え、性別によるパワーバランスによって守られていた関係が崩れてきたのです。
平等な関係とは、互いに競い、争うことを躊躇わなくさせます。
誰もが同じ立場というのは平和的な考え方でもありますが、その一方で、隣にいる異人と化した性別間の争いは増えるという結果を生み出すこともあるのです。
SNSの普及により被害が増大
SNSの普及もストーカー問題に大きな影を与えています。
特に、サイバーストーカーの増加を促すばかりか、ストーカー被害者が個人情報を簡単にネットに流してしまう被害も生んでいます。
被害者は今後も増え続ける
ストーカー被害はおそらく今後も増えていくでしょう。また、被害が増えるよりも先に、ストーカーの定義はより広まっていくはずです。
しかし、それはかなり遠い未来の話であり、私達が生きている間には、ストーカーに対して完璧な対策が成されることはまず無いはずです。
私たちはただ、ストーカー被害に合わないための努力を自分で行い続けるしかないのです。
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