浮気・不倫になるレッドラインはどこから?個人によって違う浮気認定の争論現状

一般的に浮気・不倫と認定される範囲は民法770条に規定されるとおりです。
第770条1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったこと」とあるように、裁判上での離婚理由はいわゆる肉体関係のことを指します。
これが不倫をしたということの大前提ですが、「浮気とか不倫」といえば、当事者間の認識に違いがあるのも事実でしょう。
探偵事務所では「法律上の線引きがないグレーゾーンでの依頼」を受けることが多く、それによって離婚するか復縁するかの判断を依頼者に委ねます。
ここでは、個人によって違う浮気や不倫の認識から争論となる事例を紹介し、その現状をみていきます。

 

男女での浮気意識の違いがハッキリわかる9つのパターン!

「どこからが浮気・不倫と認定されるかについて」は、公の統計などは出ておらず、不倫が原因で離婚する場合もあくまで「離婚条件」についてが争点となります。
やはり「不倫といえば肉体関係があること」が大原則であり、これは揺るぎない事実といえます。
しかしながら、浮気をした、不倫をしたというのは個人の認識の違いもあり、それが原因で離婚に至るケースも多々あるのです。

探偵事務所に日々寄せられるメールや電話は「浮気をしているかもしれないけど、何も情報がないので調べてほしい」という相談が多くを占めます。
この「かもしれない」という点で、彼氏・彼女・夫・妻それぞれの認識の違いが生まれているのです。
肉体関係があったとしても、なかったとしても、「浮気不倫に準ずる行為」として、恋人や配偶者が行ったことが破局や離婚の原因になります。

では、浮気不倫の争点となるグレーゾーンにはどんなものがあるか、具体的な行為としての例を見ていきましょう。
以下は「恋人や配偶者には言わずに」行うことです。

①家計のこと、その他金銭的な悩み、仕事上の悩みを特定の異性に話す
②自分が不安を感じるときや極端に楽しいときに、特定の異性と連絡をとる
③特定の異性からのメールや電話がくればすぐ応じる
④仕事や学業において、特定の異性に対しては協力を惜しまない
⑤特定の異性との間でプレゼントを渡したり受け取ったりする
⑥特定の異性の自宅に訪問し一緒に過ごす
⑦特定または不特定の異性との間で、ハグや軽いキスを交わす
⑧特定の異性と肉体関係は持たないがデートを重ねて恋愛感情を持ってつき合う
⑨特定または不特定の異性と肉体関係をもつ

恋人または配偶者が他の異性との関係について上記のような行為が見られたとき「浮気・不倫」と考えて、探偵事務所に相談を寄せてくる方が多数います。
⑨ については裁判上の離婚理由となるため、すぐ浮気調査を実施することを勧めますが
それ以外の状況においては「肉体関係まではいかないグレーゾーン」といえます。
⑧までの段階においても、恋人・夫婦のあいだでは破局・離婚に至るケースにもなっているのが事実です。
これらは当人の「浮気や不倫ではなく異性に対する感覚や認識の違い」と判断できるでしょう。

離婚の理由としては不貞行為ではなく、性格の不一致ということになり、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するものとなります。
ただし、裁判での離婚は無理ですから、お互いの話し合いによる協議離婚ということになります。
浮気・不倫という争論においては、個人の異性に対する認識の違いからトラブルになることが多く、結果として破局または協議離婚に至るケースが一番多いのです。

では、その争論の背景を踏まえて、どんな離婚方法が多いのかを見ていきましょう。
以下は平成20年における夫・妻それぞれが申し立てた離婚方法です。

ハッキリわかりますが、協議離婚が90%を占め、調停や裁判離婚は残りの10%に留まっています。
配偶者がとった行動が「浮気か不倫か」という争論がなされた結果、協議離婚に至ったケースが多いはずです。

 

調査事例でわかる!浮気が原因で離婚した夫婦の意識の違い?

探偵事務所の浮気調査の実例も、この不貞にまでは至らないグレーゾーンから始まることがあります。
①~⑨までのパターンからどんな浮気・不倫の争論になるか実例を紹介します。

ケース1 彼女が思い込みで判断した浮気のライン
依頼者は同棲3年の20代女性で、結婚を前提に交際している彼氏がいるものの、最近の彼の様子がおかしいというメール相談をしてきました。
独身者の浮気調査は稀で、ほとんどが「フラれたことへの仕返し」をしようという相談に終始します。
しかし、この事例では同棲しているカップルで、婚約も間近ということから、すでに内縁関係にあたるため、依頼者も本気で依頼を考えている様子でした。

彼氏の行動を調査した結果、交友関係がひろく、異性とのつき合いも幅広いことがわかりました。
本来は肉体関係が証明されての浮気調査ですが、依頼者の希望もあって素行調査の要素が高く、随時報告をするということになったのです。
彼氏が他の異性と頻繁にメールをしていることも判明し、飲み会やパーティーでかなり異性と接触していることもわかりました。
この結果を受けて、彼女は彼氏に対して別れるということを提案したのです。

すると、彼氏は「なんで俺のやってることが浮気になるの!?別れる必要はない!」と反論しました。
ところが、彼女の意思は固く、自分以外の異性とのつき合いが「広く深い」ことに不満を抱き、浮気だと主張して別れることになったのです。

ケース2 不貞じゃなければ不倫じゃない!食い違う夫婦の主張
結婚12年という40代の夫婦で、「夫の仕事の帰りが極端に遅くなってる」と奥さんの方から依頼がありました。
普段の仕事では年内において繁忙期がおおよそ決まっているため、夏、冬のそれぞれ3か月程度は忙しいという状況です。
しかし、半年以上ずっと「仕事が忙しい」という理由で帰りが遅くなる上に、帰宅しても夕食をとらないことが続きました。

奥さんはすぐ浮気の可能性を察知し、まさかとは思いながらも探偵事務所に浮気調査を依頼したのです。

この段階で浮気に関する情報は何もなかったため、旦那さんの仕事終わりから行動を追跡して他の女性の影がないか確認することから調査が始まりました。
すると、間もなくして旦那さんが仕事帰りに若い女性とファミレスで食事をしていることがわかりました。
出張ではその女性が同行して、女性のみが日帰りで帰社するという事実まであったのです。

これを奥さんに報告したのですが、そこから問題がこじれる結果となってしまいます。
浮気調査は証拠がとれた時点で離婚や復縁について検討していき、それまでは水面下で行うのが鉄則です。
しかし、依頼者の奥さんは「旦那さんが若い女性と食事をした、出張に同行させた」という事実だけで調査していることを暴露してしまったのです。
依頼者の心理として、「帰りがいつも遅いのは若い女とホテルにでも行ってるから」と感じたのでしょう。
子供が2人いる状態で、将来的に生活面で不安要素が残るため、問題を早期に解決しようと先走ってしまった感が否めません。
ところが、旦那さんはこれに猛反論しました。

一緒にいる若い女性は新入社員であり、自分が仕事の同じ部署での指導をしていることから、食事をしたり出張に行くようになったと訴えたのです。
浮気の関係ではないにも関わらず、仕事にまい進している自分を調査したとして、信頼を損なう行為だと怒りをぶつけました。

探偵事務所側としては、調査は秘匿するようアドバイスをしています。
その中で、依頼者が暴露しなければ時間とともに不貞の証拠を押さえることができたかもしれません。
出張に同行すること、頻繁に食事をすることは不貞行為ではなく、裁判上の離婚理由には該当しないのです。
結果的に、夫婦関係に亀裂が入り、依頼者は離婚をすることを決意しました。

 

脳と心理に隠された浮気意識の違いが性格の不一致に!?

実例を見ると、依頼者は彼氏や夫の「何を見て浮気・不倫」と判断したのかがわかってきます。
「浮気・不倫」と判断する個人的な感覚や認識があったことが推測されるのです。
では、男女ともどんな理由から浮気と判断するのでしょうか?
そこには男と女の脳の働き方や心理状態が大きく関わってきているといえます。

女性脳は感情で区別する

女性は男の友人に対する感情と、恋人に対する感情を完全に区別していることがわかります。
繊細で神経質な面を持ちあわせる女性の脳は、交際が深まって相手の心情や行動に共感していくことで、愛情へと転化させます。
細かい相手の言動に気付き、相手の良さも悪さも含めて感情移入していく傾向があるでしょう。

実例では彼氏・夫が他の女性とメール・電話を頻繁にしたり、プレゼントを渡したり、食事・出張に同行させるなどが見られました。
これは③④⑤のパターンに当てはまり、「肉体関係がない状態」とはいえ、繊細な女性の感情をマイナス方向に持っていく行為といえるでしょう。

彼氏や夫が他の女性に対して、自分以上に感情を移しているところを見てしまうと、「すでに愛情がない」、「必要とされていない」と判断してしまうのです。
それが「肉体関係がなくても浮気・不倫の関係である」と判断する要因といえるでしょう。

男は浮気に対する認識が甘い

女性の繊細な感情に対して男側はどうかといえば、「なぜそれが浮気をしていることになるのか?」と疑問に思うくらいです。
男性脳の特徴は左脳で物事を考えたり判断することで、右脳派の女性とは違い、「論理的なこと、説明がつくこと」でラインを引いていきます。
つまり、法律で定められたとおり「不貞行為」がなければ浮気とは言わないという感覚なのです。

そのため、異性と食事をしたり、プレゼントを渡したり、仕事で長い時間一緒にいて深い話
をしても「法的に不倫である」と断定されなければ問題はないと考えてしまいます。
論理的にラインがハッキリと引かれているため、一線を超えなければ女性とはあくまで友人関係にあると判断します。
ここに男女の浮気に対する認識がハッキリ区別されていることがわかるでしょう。

女性は彼氏や夫の言動を繊細に察知するため、相手を配慮することもできますが、その意識が逆方向に働いてしまうと、ちょっとした言動に「愛情を与えられていない」と判断してしまいます。
それが浮気をしてる、不倫をしてるということになり、一方の男性側は「何で愛情がなくなっているのか?どこが浮気・不倫をしているのか?」と感じるのです。
お互いの価値観にズレが生じてしまい、結果として「性格の不一致」ということになって離婚原因を作ってしまうのです。

 

浮気の兆候だけでも調査はするべき!やっぱり直感は当たっている

 

浮気調査はムダなのでしょうか?
実例のようなケースで探偵事務所に依頼をするのはムダなことになってしまうのかといえば、決してそうではありません。相談から依頼まで、浮気調査に関してコンタクトをとってくる方の60%は「浮気かもしれない」という情報なしの状態です。
相手の生活の様子や普段の会話から「浮気でもしてるんじゃないか?」と察知して「とりあえず調べてほしい」という方が多いのです。
そこで浮気調査をした結果が黒と判定されることも多くあります。

実例では「不貞の証拠」こそ撮れる前に、依頼者が相手との話し合いで関係を解消しています。
しかし、実際の浮気調査ではそこからさらに時間をかけて調査をしていくことで、2人が不貞行為に至るのを確認できるケースが多いのです。
やはり、認識としては「浮気・不倫をしているかもしれない」というのは間違いではないのです。

 

メールや電話の内容でも十分わかる浮気の事実

恋人・配偶者以外の異性と電話やメールを頻繁にしたり、食事、買い物などのデートを重ねることは、「その時点で」本当に浮気といえないのでしょうか?
不貞行為ではないため、裁判上の離婚理由には該当しません。
ただ、これを一方では浮気・不倫だと判断して浮気調査を依頼してくるわけですから、不貞ではないとしても浮気や不倫ではないと完全に否定することはできません。

その理由はメールや電話の内容など、情報の詳細にあります。

デートシーンを何度も撮影したり、メールや通話の内容を何度も収録したりすればどうでしょうか?
メールには「今度のデートで○○温泉に泊りに行きたい」、通話では「また○○のホテルに行こう」などという内容や音声を確認できたとします。
これは明らかに不貞があった、もしくはこれからあることを推測させる十分な情報といえます。
こうしたことが一度だけでなく何度もあった場合、その情報を積み重ねて取得することで、不貞を立証することができるでしょう。

証拠映像がすべてではなく、こうした補強情報を重ねてとっていくことでも、裁判上の離婚理由に該当していくのです。
そして、恋人でも夫婦でもお互いの話し合いにおいて解決を試みる場合、情報一つだけでも相手を問い詰める理由にはなります。
協議離婚が成立する上では、情報の内容や頻度によっては裁判でも通用する離婚理由となりえるでしょう。

まとめ

浮気・不倫と認定される範囲は法律上ではハッキリと決められています。
しかし、個人間においてはそれぞれの「認識や感覚の違い」によるところが大きく、男女の脳や心理の働き方とも関係してくるのです。
浮気の争論現状は、「どの段階で浮気と思うか」「その段階を確認したらいつ相手に問い詰めるか」によるといえます。
浮気・不倫をしている!と訴えた時点で争論が始まり、そこから破局・離婚に発展することもあります。
逆に、その争論を契機にお互いの認識の差を埋めて新しい関係を築くことも可能なのです。
探偵事務所の浮気調査は、その判断を下すという一面も持ちあわせているのです