日本の浮気率を調べた統計データによれば、浮気相手の3割以上が同じ職場の同僚であるという結果が出ています。
また、探偵社の行う浮気調査の結果判明する浮気相手も、その半数は同じ会社の同僚か、仕事関係のつながりの人物ばかり。一体この国の倫理観はどうなっているのか?と声をあげたくなるような時だってあります。
それにしても、一体なぜ人は社内不倫ばかりをしてしまうのでしょう?
この記事の内容
社内不倫が起きる理由
社内不倫が多いのは不倫を行う男女ともに、異性を求めていても、自分から積極的な行動に出れず、その関係性を身近な所に求めてしまう人が大半だからです。
というと、なんだかよくわからない人も居ると思うのではっきりと言いましょう。
社内不倫が起きる理由は『楽』だから。
正直にいって、楽でなければここまで社内で不倫が発展しませんし、不倫をする人間が増える事もありません。
実は、探偵をはじめた頃、私もなぜ世の中にはこんなにも多くの社内不倫があるのか良くわかりませんでしたが、それも若気の至り。社会を知る事と探偵としての成長が進むと共に、社内不倫を行う事が如何に楽な事なのか解ってしまいました。
社内不倫は楽?
多くの社内不倫カップルを見てきた経験から言えるのは、社内不倫に走る人間の殆どは恋愛経験が薄く、むしろ異性に対して積極的になれない人間が多いのです。
恐らく、一般的な意見であれば『不倫をするぐらいだから相当の恋愛体質だろう』となるでしょうが、これは大きな間違い。恋愛体質というよりは、恋愛に臆病であったり、異性が苦手な人ほと社内不倫にはまりやすいです。
例えば恋愛こそが生きがいというタイプでも、より良い異性とのより良い関係を求めるようなタイプが、その相手を社内だけに留めて置けるでしょうか?
そうした人物ほど、より積極的に合コンなどに参加し、とにかく自分に合う異性を探しもとめて会社を飛び出し、業界を飛び出していけるバイタリティがあるはずです。
しかし、そうしたバイタリティの無い人物の場合、恋愛対象となるのは必ず自らの狭いテリトリー内の相手となります。
しかも、恋愛経験に乏しいため、少し優しくされただけで勘違いしてしまったり、異性に対して多くを望まないからこそ、不倫関係にも我慢ができてしまうのです。
そして、このような安直な異性との関わり合いは、なにも会社に限った事ではないはず。
学生時代は同じ学校の異性、サークルに入っている場合は同じサークルの異性、同じ出身地、同じ地域、同じ会社などなど、ともかく人は誰かと出会い、何を行おうと思った時、自らのテリトリーを出てまで新たな異性を探そうという人間は殆ど居なかったはずです。
むしろ、恋愛に積極的な女性や男性であれば、手近な異性よりも遠くの理想を追って他の学校の生徒と付き合ったり、別の会社、もしくは別の業種の人間と積極的に出会っていこうというバイタリティが存在するはずです。
そのようなバイタリティがある人物にとって、浮気はただのゲームでしか無いので、不倫関係に陥ったとしても、そのデメリットに辟易としてすぐに新しい異性に切り替えてしまいます。
しかし、恋愛に消極的で異性関係になれて居ない人間ほど不倫という関係性にも我慢できてしまい、不倫関係の不健全さにも気が付けなくなってしまうのです。
社内不倫は難しくない
社内不倫を行う事はそれほど難しくありません。
なぜなら、ある程度両者の関係が周囲に知れたとしても、仕事にさえ支障が無ければ、誰も文句など言うはずが無いからです。
ただ、不倫関係が原因で仕事に支障が出る場合はなんらかの厳罰は免れません。
しかし、それでも不倫そのものが発覚してトラブルにならない限りは減給や警告書程度で済んでしまうのが現状なのです。
女性は信頼によって恋愛感情を抱く
異性を見る目は男性よりも女性の方が遥かに優れていますが、そんな女性の最大の弱点は、信頼と恋愛感情を時折勘違いしてしまう事です。
そして社内不倫の典型的な例と言われる男性上司と女性部下による不倫関係は、女性が男性を見る際に「信頼性」を重視してしまう点が災いしています。
仕事が出来、自分のミスをカバーしてくれ、食事もおごってくれる素晴らしい上司はどんな人でも少なからず好感を持つでしょう。
しかし、それを恋愛感情とみなしやすいのが女の性。信頼できる=恋愛対象とみてしまうがあまり、その相手が既婚者であろうとお構い無しになってしまうのです。
ただ、信頼できる相手だから不倫がは多発するのかというと、そうでもありません。
これも結局は自分の身近な異性しか見ていないからこそ、信頼できる異性=上司となってしまうだけです。
もしも同じ人物が外に目を向けた場合、その上司よりも遥かに信頼がおける異性が多く居る事に気が付いた時、わざわざ社内不倫を行うメリットなど頭の中から消しとってしまうはずです。
結局、不倫を行う人間が多いのは外に目が行かない人が多いせい
人は自分のテリトリーやエリアなどから出る事を嫌います。
なぜなら、そこは必ず他の誰かのテリトリーだからです。
そこには一体どんな人物がいて、どんなルールがあるのか誰にも解りませんし、頼れる相手が存在しないばかりか、今まで積み上げてきた経験が一切通用しない可能性だってあります。
そしたリスクを冒すぐらいなら、自分のテリトリーで恋愛を終始させたいと考えているのが多くの人間の本音。その結果、同じ会社の中という狭い範囲で魅力的な異性を探して自分のパートナーにしたいと考えるでしょう。
ただ、結局は同じ会社無いの限られた異性の中で優れた人間を探すことは、わざわざ競争率が激しいレースに挑むようなもの。恋愛対象になるような人物の大半に彼女が居るか、すでに結婚してしまっている事でしょう。
その結果、自分の良く知っている相手とだけ恋愛関係を結ぼうとする消極的な姿勢が、いつしか自分の異性としての魅力すらも薄めてしまい、社内不倫という不毛な関係性にすら満足してしまうようになってしまいます。
しかし、そうした関係は決して人を満足させるものではありませんし、その終わりには必ず通常の恋愛よりも大きな犠牲を支払う結果を生むでしょう。
どうせ恋愛をするなら、より優れた相手と、より素晴らしい恋愛をするべきです。
この点は男性も女性も関係ありません。恋愛をして、結婚をして、子供を産み、育てる。そうした人生を送るうえで不倫はまったく必要が無いばかりか、幸せな生活を壊してしまう大きな爆弾となる事の方が多いです。
もしも今不倫関係に悩んでいる人が居たら、いますぐ不倫をやめましょう。
そして、もっと良い異性を探すための勇気を持ち、会社の外へと目を向けてください。
社内不倫が発覚した場合は解雇?それともお咎め無し?
社内不倫が発覚しても自分の仕事にはなんの影響も無いと大見得を切っている人が居ますが、これは残念ながら真向から否定しなければなりません。
なぜなら、不倫関係というのは無関係は装えるものの、不倫そのものを肯定的に捉えて、不倫をしたものを擁護したと見なされる様な行動を取った場合、社員らが大きな不満を抱える可能性があるからです。
そして、もしも会社の上層部に対して不満をもった社員が複数人居た場合、その人間と会社上層部、そして不倫をした当事者との軋轢が生まれてしまいます。
また、『会社が不倫を容認したなら、大抵の社内恋愛は許される』として、社内での異性関係が活発化してしまい、不毛な男女間のトラブルが多発する恐れもあります。
どちらの可能性にせよ、社内の生産率を落とす結果に繋がりかねない事態。
ただ、会社が最も恐れているのが、社内の風紀の乱れや上層部への不平不満が社外に漏れれば『信用性に問題あり』として、取引先に大きな懸念要素を与えてしまうことでしょう。
社内不倫をした人間に対して会社が取る対策
社内不倫を行った人間を擁護出来ない以上、会社は自社の利益を優先させるため、不倫関係にあった両者に対してなんらかの措置を取る可能性が高いでしょう。
指導や注意
直属の上司等から不倫を行った当事者に対して口頭にて直接注意が促されます。
ただ、このときにはまるで学校の先生の様に『浮気は良くないことだから止めなさい』などと優しく諭してくれる訳ではありません。
具体的には、『出世委に差し支える』『配置換えなどの恐れがある』などといった多くの警告が上司の指導の端々に織り交ぜられる事となるでしょう。
注意書の交付
不倫が事実である事を当該社員に確認したうえで、不倫が社内風紀を乱す禁止行為である旨を告げる注意書が送られます。
この書類が発行された時点で、多くの場合は始末書を書く事となりますが、社内風紀に関する厳格な決まり事が無い場合は、この段階で始末書を書くことはありません。
警告書の交付
警告書は注意書の交付が行われても問題が解決しない場合に取られる措置です。
こちらは注意書は違い、不倫関係を維持する。または再び不倫行為が発覚した場合には懲戒処分を行うという警告文が入っています。
また、警告書が交付されると確実に始末書を書かなければなりません。
懲戒処分
警告書が交付されても不倫行為が止まなかった場合、警告書の通りの懲戒処分が行われます。
ただ、不倫行為によるトラブルが大きくなり、社内の風紀が乱れている状況であれば、警告書の発行を待たずに、社内規違反として懲戒処分を科す事も可能です。
不倫によって下される懲戒処分の種類は、減給、降格、出勤停止、けん責、もしくは懲戒休職となる事が多いです。
不倫をしても懲戒解雇はされない?
不倫をしても懲戒解雇はされない訳ではありません。
ただ、会社側が不倫を理由に懲戒解雇するのには、過去の判例の末、以下の様な条件が必要となってしまっています。
会社の利益を著しく損なう場合
不倫によって社内にトラブルを持ち込んだり、会社の経営に明らかな損害を与えた場合、不倫を行った両名に対して懲戒解雇を言い渡す事が可能です。
過去の裁判の判例(平成12年旭川地裁『繁機工設備事件』)においては、「不倫は妻に対する不法行為であり、社会的に非難される行為であるため、素行不良として認定する。しかし、不倫関係が直接企業に不利益をもたらした事実は認められないため、懲戒解雇は不当である」という判決が成された為です。
つまり、社員が不倫を行う事によって会社側に目に見える形の不利益が無ければ、不倫による懲戒解雇は無効となるのです。
その職業に高い人間性が求められる場合
職業の特性上、その業務を行うものに高い倫理観や道徳観などの人間性が求められる場合、不倫によって企業や組織そのものの信用性を著しく欠いてしまった場合は、不倫による解雇が認められる事となります。
この様な理由で懲戒解雇が行われた過去の判例としては昭和61年の日航機長解雇事件が有名です。
この事件では日航機機長が近隣の主婦と不倫関係になっている事が噂で広まったせいで、会社の信用性に傷をつけたとして機長を解雇にしました。
その後、機長は解雇は不当であると主張しましたが、最終判決では「航空機を運行し、多くの人間の命を預からなくてはならない機長としての適正に問題がある」として懲戒解雇が認められました。
また、同様の理由で妻と子供を持つ高校教諭が元教え子と不倫関係になり、その事実が近隣に広まったせいで教諭の務める学校の信頼問題に発展した結果、教師としての倫理観にかけるとして懲戒解雇が認められた例もあります。
セクハラ
不倫関係の強要を行う事や、複数の社員に対してわいせつな行為を行った場合、社内の風紀を乱すとして懲戒解雇を行う事ができます。
この事例での解雇は大変珍しいですが、不倫を行う人間の一方がよほど強引な手法で相手をてごめにし、社内の複数の異性と関係をもって居るならば懲戒解雇が成立する可能性があります。
懲戒解雇や処罰は無いが、隠し懲罰や隠し解雇は行われている。
不倫を原因に懲戒処分を行ったり、懲戒解雇を行う事は写真のプライベートにまで踏み込んだ問題に会社が踏み込む事になりかねないので、よほど自体が悪化しない限りは積極的に処分を行う会社は殆どありません。
しかし、先に述べた通り、不倫をした人間をそのまま放置しておくと他の社員や会社の生産性、取引会社や顧客への影響も鑑みられるので、表向きには処分とみられないように、実質上の懲戒処分が行われています。
左遷
表面上はただの人事異動ながら、誰から見ても明らかな処分として行われるのが、実質上の降格を意味する『左遷』にほかなりません。
この左遷は不倫関係にある両者を遠ざけて社内の風紀をもとに戻すために行われがちですが、その裏では無理な人事異動を宣告し、不倫を行った両者の内の一方(多くは女性)に対して早期退職を迫るのが本当の狙いとなります。
能力不足が理由の降格
実際には仕事になんの影響がなくとも、社内不倫によるトラブルを起こした事で降格になることはありえます。
ただ、その時には『業務を遂行する能力に欠ける』として、仕事のミスを他社よりも厳しく指摘されたり、勤務態度に対する問題などを指摘されます。
このような判断は社内の規定以外にも、上司などの主観的な評価も大きく入り込める余地があるので、やりすぎなければ表向きにはただの能力不足による降格とする事も可能なのです。
つまり、実際の処分は無いものの、それ以外の嫌がらせとも言うべき人事による処分が行われるのです。
まとめ
浮気をしてもお咎め無しというほど、この社会は甘くはありません。
もしも浮気がバレた時には、会社を辞める事を必ず頭に入れておいてください。
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