配偶者に浮気をされて傷つく人ほど繊細なものです。その繊細さは生きていく上で不都合となることも多いでしょうが、愛情深く、思い悩むことが多い人ほど、無感情な人より人間的ではないでしょうか。
しかし、浮気をされてあまりにも傷ついてしまったら、その傷が戻るのにも長い時間が掛かってしまいます。精神的損害は物差しで測ることが出来ませんが、あまりにも酷い不貞行為の場合、慰謝料として200万円を貰っても解決できない場合があります。
しかし、浮気をされたからと言って将来を悲観することはありません。受けた心の傷を治すのは、体の傷を治すのよりも長い年月が必要ですが、それでも望みは残されているのです。
この記事の内容
浮気の記憶はやがて消える?
浮気をされた事によって付いた傷が消えないのは、人間にとって「心の傷」がその後の人生を歩むうえで必要不可欠だからです。
例えば、浮気をされやすい人間の特徴を記していると、次の通りになります。
- 異性に尽くしすぎてしまう
- 相手のことを何でも許して甘やかしてしまう
- 異性に対して依存体質
- 相手をあまりに束縛してしまう
こうしてみると、浮気をされる人間の特徴が、あまりにも恋愛体質すぎるばかりですし、厳しい意見を言えば、自立心が少ない人間の様にも見えます。
では、こうした特徴を備えた人間は、その後は異性と一切関係を持たずに生きていくしかないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。そのために、人間の心は傷つくように出来ているのです。
心が傷つく仕組みは脳にあり
「心の傷」というと、非常に不確で実態が良く分からないように思われす。
ただ、これを「脳の傷」に置き換えると、大変わかりやすくなりますよね?
実は、心の傷が脳の傷であることは医学の分野ですでに証明されています。
東北大学名誉教授の松沢大樹さんが2007年3月16日に発表した研究結果によれば、人間の心的外傷は、脳にも深刻なダメージを与えているといいます。
破壊される偏桃体
同氏の発表によれば、過去3年間の内に往診した深刻ないじめを原因とした心的外傷の子供300名以上の脳には、扁桃核の傷が認められたのです。
扁桃核とは、脳の中にある記憶や情動による反応処理を担当している部位です。
この部位は特に恐怖を感じる情動的反応に敏感で、過去の体験を元に人間に「危険」を知らせ、回避行動をとらせる働きがあります。
浮気とは、脳への「障害罪」?
この部位が破壊されるということは、恐怖衝動などに関する反応が著しく過敏になることを示しています。
こうなると、人間の脳は他人がなんとも無いと思うような事柄でも激しい嫌悪感や恐怖を感じる様になり、いわゆる「情緒の不安定」が発生するのです。
この様に、何らかのショックによって脳が破壊される恐れがあるなら、浮気で脳に損害を負う可能性も十分にありえます。そして、この研究を行った松沢大樹教授の言葉を借りれば、人に精神的損害を負わせる行為は、医学の分野からみれば明らかな「傷害罪」なのです。
浮気のショックは無駄ではない
浮気によってあまりにも大きなショックを受けた場合、その記憶が忘れられないのは、人間の脳の情動を司る部分である「偏桃体」に何らかの損傷を受けてしまった可能性が考えられます。
しかも、その部位は人間の生存に非常に重要な部位です。
恐怖とは危険を回避するため、動物が最も重要視する感情の一つです。それゆえに、気づいた偏桃体は人間を生かすため「二度と同じ過ちを繰り返さない」という指令を体に送り続けます。
その部位が傷つくほど変化しているなら、おそらく生涯にわたって、その記憶は消えることが無いでしょう。
ただ、その記憶は消える事は無くとも、その後の人生に生かすことが出来ます。むしろ、人間の恐怖が「事故の生存」を最優先するために発生している以上、浮気によって受けたショックや、消えない記憶も、その後の人生で過ちを繰り返さないために必要なものです。
不完全な脳のシステム
浮気によって受けた傷は消えません。そのショックが大きければ大きいほど、脳が傷つき、二度と同じ過ちを受けないようになっています。
しかし、このシステムは完璧ではありません。
脳が傷つき、浮気についての強い恐怖心を抱いた人間はそもそも同じ相手を信用することは出来ません。また、別の異性に対しても恐怖を抱くようになり、勇気を振り絞って恋愛をしても、脳が「浮気をされるリスク」について常に信号を発してくるので、相手を信用するこが上手く出来ないのです。
これが「過去のトラウマ」の仕組みであり、浮気をされた人間がその後の恋愛も上手く行かない仕組みであり、さらには、浮気性の人間が出来上がってしまう負のスパイラルでもあるのです。
過去からの脱却
浮気を受けた記憶を消すことは出来ない以上、あとは自分の恐怖心との闘いがはじまります。特に夫婦関係を修復したいと願う方は、相手に自分を信用してもらう努力をしてもらうのはもちろんのこと、自分自身も、傷ついた脳がだす恐怖の信号と闘わなくてはならないのです。
これは大変厳しいものですし、人間の本能とはあまりにもかけ離れた不合理な行いです。
ですが、そこにこそ人間の幸せは必ずあるはず。浮気をされた傷は脳の障害として現れるので、傷が癒えるまでの間はできるだけ努力し、パートナーを信用するよう努めなくてはなりません。
パートナーを信用するときに気を付けたいこと
パートナーを信用する時に気を付けたいのは、まずは脳から出ている「恐怖の信号」が異常なものであると気が付かなければならない点です。自分自身を客観視することを忘れず、行き過ぎた疑いを持ったりしないように努めなくてはなりません。
これは大変苦労することです。もしかしたら、将来相手を信用しきれずに終わるかもしれません。
ですが、その先には貴方が努力した分に見合うだけの幸せは必ず待っています。あきらめずに、自分自身との闘いを続けましょう。
まとめ
夫婦関係の修復は簡単ではありません。
しかし、浮気相手を許せない脳の仕組みを理解すれば、何をすれば良いのか明確に見えてくるはず。夫婦の幸せのためにも、目標をしっかりと見定めて行動に移しましょう。
コメント