実録浮気調査:浮気現場に乗り込む依頼者

探偵を長くやっていれば、必ずと言って良いほど経験することがあります。

それは、調査現場に突然依頼者が現れ、一気に修羅場が展開される事態です。

こうした事態はあまり望ましいものではありませんが、調査のシステム上、依頼者に調査の経過報告を行わなければならないため、探偵社によっては避けることが出来ない場合もあるかもしれません。

また、これに関しては依頼者を責める訳ににもありません。

もしも貴方が依頼者であり、探偵社から「今浮気相手と接触し、浮気相手の部屋に入って行きました。」と言われたら、その現場に乗り込んでいって両社に文句を言いたくなる気持ちも少しはご理解頂けるかと思います。

しかし、浮気現場に依頼者を入れてしまうと、最悪の場合、傷害事件などに発展してしまう恐れもあるため、できる限り依頼者を現場に入れない措置が取られます。

 

相談内容

今回ご紹介する相談者は愛知県にお住まいのEさん(女性・20代・介護士)

Eさんは自動車関係の営業マンである旦那さんと結婚して4年目。まだお子さんは居ませんでしたが、郊外のアパートの一室を買って新居とし、あとはお子さんを授かるのを待つばかりとなっていました。

ところが、Eさんの不妊体質が病院の検査によって発覚。ショックのあまり落ち込むEさんに、旦那さんは「子供がいなくても、二人で暮らしていければ満足だよ」とEさんを励ましてくれたといいます。

しかし、探偵社に相談に来た3カ月程前から旦那さんの行動に不審な点が浮上しはじます。

浮気を疑ったEさんは旦那さんを攻めますが、旦那さんは頑として浮気を認めません。

そこで、なんとか浮気の事実を突き止め、浮気相手と旦那さんを引きはがそうとEさんは探偵社に電話してきました。

 

依頼内容

Eさんが旦那さんの浮気を疑ったのは、主に以下のポイントからでした。

 

出張が多くなった

自動車関係の営業マンである旦那さんは残業が以前から多く、休日でも時々出勤することがありました。しかし最近になり、急に仕事で出張するといって家に帰らなくなりはじめたのだと言います。

そこでEさんは旦那さんが出張している間に会社に偽名を使って在籍確認をした所、なんと旦那さん本人が電話に出たのだとか。Eさんは慌てて電話を切りましたが、これにより旦那さんのウソがハッキリとしたのです。

 

スマホをマナーモードにしている

会社からスマホの支給がない旦那さんは、帰宅後も仕事に関する電話やメールが入ることが多く、常に着信音をオンにした状態でした。

しかし最近になり、なぜか着信が減りました。

どうしたのだろうとEさんがこっそりと旦那さんのスマホを確認してみると、マナーモードのスイッチがオンになっています。そんなこと、今まで一度もなかったEさんは浮気の可能性を感じ、すぐにスマホの中身を確認しようとしましたが、ロックが掛かっていて開きません。ただ、何の理由もなくマナーモードにすることは考えられず、浮気の可能性を疑うには十分だとEさんは感じました。

これらの理由により浮気の可能性を疑ったEさんは、特に浮気相手に対する恨みを相談員に話していました。

それも当然です。もしも旦那さんの浮気の原因が自分の不妊にあるとしたら、子供を産める浮気相手を憎んでも不思議ではありません。

そのため、Eさんは費用を惜しまず、調査員4名、最長24時間の浮気調査を行う事にしたのです。

 

調査開始

今回の調査は対象者の勤務先からスタートしました。

その日、対象者は再び出張に行く予定であり、勤務終了後に空港に向かうと依頼者に話していました。

しかし、おそらくそれは嘘。浮気相手宅か、もしくはホテルに宿泊する可能性が十分にありました。

そんな予想のもと張り込みを行っていると、退勤時間を30分過ぎたころに対象者が勤務先から出てきて、車に乗り発進。そのまま自宅とは反対方向に向かって走行します。

こちらも車両尾行を開始。3台でローテーションを組みながら対象者を追っていくと、郊外にある駅の前で車を停車させます。

すると、駅の中から女性が小走りに車に近づき、そのまま助手席に乗り込んで発進。女性はスーツ姿で、年齢は対象者と同年代程度。これが浮気相手との接触となります。

駅から離れた車はそのまま住宅街を走行し、小さなアパートの敷地に停車。車を降りた二人はそのままアパートの一室へと消えて行きました。

この時点で私は状況を本部に連絡しました。

そして、伝えた情報の中には当然の如く、浮気相手の住所に関する情報も含まれていました。

 

それから30分後、私の携帯が鳴りました。

相手は弊社の相談員でした。

現場の調査員に相談員から直接連絡が来るのは、何か緊急の用事であることが多かったです。

不安に思い電話に出ると、電話口の向こうの相談員は慌てた様子でした。

「依頼者がそちらに向かうかもしれません」

どういう事かと尋ねると、浮気相手と接触した事実を伝えた所、対象者があまりの権幕で怒鳴り散らすせいで、うっかり現在地を教えてしまったそうでした。

これは明らかに相談員のミスでしたが、教えてもらったものは仕方がありません。相談員はせめて現場に一緒に付いていくため今現場に向かっていると言いました。

電話を切ったあと、私たちはしばらく周囲に目を光らせていました。すると、アパートの前に車が一台停車し、そこから依頼者と思わしき女性あ出てきました。

 

通常、現場の調査員は依頼者の顔を知りません。

しかし、女性の様子がふつうではなく、あたりを見回し、私たち調査員を探す姿を見たときに、誰かが「あれ、対象者じゃありませんか」と無線で伝えてきたのです。

その予想の通り、後を追うように到着した弊社の相談員が女性の元に走り寄ります。

そして、相談員の付き添いのもと、女性は浮気相手の部屋の中へと消えていったのです。

 

調査結果

この調査の結果、不貞行為の証拠を入手することは出来ませんでしたが、浮気相手に乗り込んだ依頼者により、対象者と浮気相手からの自白の証拠を得ました。

また、相談員が現場に介入したおかげか、修羅場にはならず、なんとか話し合いに留めることに成功したようです。

ただ、万が一ということもあります。浮気相手の自宅に乗り込むよりも、きちんと不貞行為の証拠を得られるよう、調査中は現場に乗り込むような真似はやめておきましょう。