浮気調査を行う時は、対象者の職業はとても重要な情報になります。
例えば相手が公務員で役所勤めの人間の場合、職員用出入り口のほかにも複数の出入り口があるはずですから、その分多くの対象者を投入しなければなりません。
また、相手がもしも忙しい営業マンだったら、残業が長時間にわたる可能性を踏まえた調査計画を立てないと、依頼者の調査費用が無駄になってしまいます。
そして探偵は様々な対象者を調査することによって、その職業ごとの特徴を多数把握しており「この仕事の人間はこういう行動をとりやすい」「こういう職種の場合こんなトラブルがありそうだ」と様々な予測を立て、調査の成功率を上げることに役立てているのです。
それ位対象者の職業と調査は縁深いものなのですが、最近浮気調査の対象者に増えつつある職業があります。
それは「プログラマー」
現在、日本のみならず各国でIT関連の仕事が目覚ましい躍進を遂げていますが、そのおかげでプログラマーの重要はさらに高まっているため、安定した職業を求めて多くの人間がプログラマーを目指しています。
しかしながら、プログラマーの対象者は場合によってはかなりの難敵となることが多いのです。
相談内容
今回ご紹介する対象者は、都内にお住まいのBさん(女性・29才・会社員)
Bさんの旦那さんはプログラマーとして都内のIT関連会社で働いており、Bさんも元はプログラマーとして同じ会社で働いていました。
旦那さんはとても優秀なプログラマーで、社内試験をパスし、現在はチームリーダーとして多忙な日々を送っているとのこと。Bさんは結婚後、妊娠を機に退職。現在は元職場の計らいにより別会社で時間的に自由の利く契約社員として働いていました。
しかし、その幸せな生活は長くは続きませんでした。
相談電話をする3ヵ月ほど前のこと、旦那さんの様子がおかしいことに気が付いたBさんが、旦那さんがスマートフォンを操作している最中に「ちょっと携帯貸して」と聞いてみました。すると、普段ならスマートフォンを貸してくれるはずの旦那さんは携帯電話を渡さなかったそうなのです。
これはおかしいと思い、今度は携帯電話をこっそり覗こうと思ったものの、なぜかスマートフォンを普段から持ち歩いているせいで覗き見るチャンスはありません。
これはますます怪しいと思い「ちょっと携帯電話を見せて!誰と浮気をしているの?」と、ヒステリックに怒鳴ってしまったのだとか。
その結果、翌日になり旦那さんに「ごめん、やましいことなんて何もないよ、ただ人のプライベートを見られるのが嫌だったから」と携帯を渡してきました。
しかし、LINEをチェックしても浮気相手らしき人間はいません。非表示設定を確認してもそれらしき人間もいません。
ところが、スマホの通知履歴を確認してみると、なぜか履歴は全て削除されていました。
ふつう、わざわざ通知履歴を削除する人間はいません。しかし、浮気の証拠を消していいたとしても、肝心の浮気の証拠は見当たらず、結局は旦那さんの主張を飲むことになりました。
ただ、それでも疑念は消えません。
もし旦那さんが浮気をしていたらと考えると寝れない夜が続いたBさんは、ついに意を決し、真実をはっきりとさせるために探偵社へ相談してきたのです。
依頼内容
Bさんの旦那さん(以下対象者と記す)の調査を行う前に、Bさんからは次の様な重要な情報をもらっていました。
- 勤務時間は午前9時~夕方6時まで。ただし、残業が多い
- 通勤は自転車を利用
- 勤務する会社はオフィス街にある大型ビジネスビルの8F
この情報で一番のネックとなったのは、勤務場所です。
この手の調査の場合、普通は対象者の勤務先から調査が開始しますが、事前調査を行ったところ、対象者の勤務するオフィスビルの出入り口は合計で6つ、しかもいずれの出入り口からも常に多くの人間が出入りしており、夕刻ともなれば駅の出入り口の様な込みようとなるのです。
しかも張り込み場所周辺に車を止められるスペースはないので、身を隠して張り込みを行うことが出来ない状況にありました。
また、オフィスビル一階には警備員が常駐。監視カメラの数も豊富であり、不審者と間違われない様に最新の注意をしながら張り込みをする必要がありました。
これで車でも使ってくれていればGPS調査が可能なのですが、あいにく対象者は自転車通勤。しかも車を所持していません。また、時折自転車を会社周辺の駐輪場に置いたまま電車で帰宅することもあり、駐輪場のみに集中することも出来なかったのです。
調査開始
この様に厳しい状況で調査を行うため、現場には調査員が5名、車両1台、自転車2台を投入しての調査が開始されました。
しかし、張り込みを行った初日、対象者が勤務先から出てくことはありませんでした。
夜の9時を回った頃、張り込みをしている私の元に連絡が入ります。
「今日、対象者は泊まり込みらしい」
「それじゃあ調査は明日?」
「ああ、けど、もしかしたら明日も同じ状況になるかもしれない」
その理由を尋ねてみると、どうやら対象者の担当している仕事が納期間近であると本人が証言しているとのことでした。
本当に、この男性は浮気をしているのか?
明日もまた空振りで終わるのか?
と思いつつ張り込みを行うと、翌日もやはり空振り。対象者はその日、何度か会社から出てきてコンビニに向かう様子を確認したものの、やはり仕事場に詰めている様子しか確認できなかったのです。
そして調査最終日。
この日もダメではないかという空気が現場に立ち込めるなか、定時1時間前に調査が開始されるや否や、その日はいきなり1階ロビーに対象者が姿を現しました。
しかも服装は完全に退勤の装い。ついにきたぞと現場が色めき立ちます。
ちなみに、この日も対象者は泊まり込みの仕事の予定。となれば浮気相手との接触も期待できると思い尾行を続けると、対象者は自転車を置いたまま地下鉄に入り、そのまま自宅方面へ移動。途中の駅で降りると、付近の居酒屋の前で女性と合流し、そのまま居酒屋の中へと入っていったのです。
調査結果
この調査の結果、女性と対象者が居酒屋に入る様子を確認しました。
しかし、不貞行為そのものは確認できなかったので、後日改めて調査を行うと、やはり同じ女性と共にお酒を飲んだあと、そのまま浮気相手の自宅に泊まり込む様子を確認したのです。
この様に、時間的に不定期で、張り込み場所が大型オフィスビルの中になりやすいプログラマーを追うのはかなり苦労します。
しかし、粘り強い姿勢と高い調査力があれば必ず証拠を手に入れられるはず。
対象者の職業的特徴を探偵社にきちんと伝えることで、それに見合った調査計画を立ててもらう様にしましょう。
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