実録浮気調査:事故との遭遇

調査をしていると本当に色々な出来事が起きます。

そもそも、探偵が行う調査というのは、誰にとっても非日常的な出来事ですから、仕事そのものがどこかフィクションの様に思われているかもしれません。

ただ、フィクションの世界であっても、私たちにとってここはリアル意外の何物でもありません。

男女の修羅場に、家庭内問題、行方不明、金銭問題など、普通の世界で生きていればとうていお目に掛かる必要もない社会問題を目にし続けているのが、探偵という職業の業かもしれません。

さらに、浮気調査は常にハードです。毎回何が起こるかわかりませんし、いつだってトラブルは付き物。幾ら事前準備を万全にしていても、避けられないトラブルが起きますし、そんな困りごとに常に直面してれば、嫌が応でもリアリズムを感じざるを得ません。

しかし、多くの現場をこなして来た探偵は、どんなトラブルに出くわしても冷静に調査を進めていきます。そして、それこそフィクションの様に淡々とトラブルを解決していく姿は、本物の探偵なのかもと思う事もあります。

 

相談内容

今回ご紹介する依頼者は関西圏にお住まいのGさん(女性・40代・アパレル店員)

Gさんは全国的に有名なファッションブランドのショップ定員として長年勤めており、依頼時にはある店舗の店長を務めていました。

そんなGさんの旦那さんは、県内の有名ホテルのシェフ。

夫婦そろって非常にハイセンスな仕事についているだけあって、Gさんは旦那さんの豊かな才能を非常に誇りに思っていらっしゃりました。

 

しかし、ある日から旦那さんとGさんとの間に亀裂が起き始め、現在は家庭内別居状態となってしまいました。

その原因はGさん自身も良く分からないそうなのですが、本当に些細なすれ違いを切っ掛けに、夫婦中はどんどんと冷え込んで行ってしまったそうなのです。

その結果、数か月前から旦那さんに浮気相手がいることが判明。

その事実を発見したGさんは旦那さんを攻めましたが、旦那さんは「していないし、もしもしていたとしても関係ないだろう」と、なんなら離婚しても良いとい冷たい姿勢を見せたと言います。

 

しかし、Gさんは夫婦関係の修復を諦めたくありませんでした。

なんとかして以前の様な夫婦に戻るためにも、なんとか浮気の証拠を手に入れ、もしもそれでも関係が悪化し続けた場合に備えるためにも、やはり浮気の証拠をしっかりと握ろうと探偵社に調査を依頼してきたのです。

 

依頼内容

Gさんの旦那さん(以下対象者と記す)が浮気相手と会う時には、以下の様な行動が多くなるとGさんは仰いました。

 

休日に何処かへ出かける

浮気が発覚する以前から、対象者は休日に行先も告げずに出かけることが多くなりました。それ以前までは、幾ら夫婦仲が冷えきっていたとしても、出かける時には行先を伝えていたのですが、浮気がはじまってからというもの、ついに無言のまま何処かへと消えるように出かけて行く様になったのです。

 

朝帰りが増える

お酒を飲むことがあまり好きではなかった対象者は、以前から仕事が終わったらすぐに家に帰るのが習慣となっていました。

しかし浮気が始まってからというもの、仕事が終わっても2~3時間は必ず何処かに寄っている事が多くなり、最近には朝帰りまで行う様になったといいます。

この様子から、明らかに浮気相手宅に入り浸っている感じたGさんでしたが、携帯電話は旦那さんが常に持ち歩いており、浮気の証拠となるものは一切手に入れられない状態にありました。

 

調査開始

今回の調査は平日、対象者の勤務先からスタートする事になりました。

現場に投入された調査員は私と上司の2名。建物の出入り口は複数あり確認が難しいため、退所者の車両が駐車されている地下駐車場から対象者の車が出てくる様子を確認することにしました。

そうして張り込みを行うこと1時間。地下駐車場から一台の車が出て来る様子を確認。対象者の車かと思い目を凝らすも、対象者の車ではありません。

なんだ、別の車か…と思いながらも、一応シャッターを切っていると、無線から上司の声が聞こえました。

 

「その車の助手席を撮影しとけ、対象者だ」

「え?」

 

と、つい無線を入れずにつぶやきながら、とにかくシャッターを切り続けると、運転席席に女性、そして隣には確かに対象者らしき人間が乗っています。

しかし、時刻はすでに夕方。車内が薄暗いため、本人かどうかはっきりと確認できません。

 

「この車を尾行するから、写真を確認して本人か確かめろ」

 

そういわれ、上司はそのまま車両の尾行へ。私はその場に残り慌てて写真を確認します。

実は、この様に対象者が予想外の行動を起こしたせいで、出てきた人物が対象者かどうか確認できない時は、一名がともかくその車を尾行し、残りの一名が判断を誤った場合にそなえて現場に残るのです。

しかし、写真を今一度確認してみると、やはりその人物は本人に違いありません。

この事実を無線で連絡すると、上司から連絡が。

 

「間違いないなら、そのまますぐにこっちに合流しろ」

 

言われるままに私は車を走らせましたが、道路状況が悪くなかなか合流できません。

このままでは、上司に一人で尾行をさせてしまうと思い焦っていると、そこへ上司から電話が。どうやら、すでに無線が届かない距離まで離されていた様でした。

 

「対象者達が近くのアパートに入っていく。ゆっくり来い、事故はまずいからな」

 

そう言われるがまま現場に到着すると、上司が無線で指示を与え、周辺の写真を撮影に回りまました。

そのアパートは対象者の勤務先から6キロ程離れた場所にある公園の前にありました。一応木造ではないものの、単身者用の古いアパートで、階段は鉄骨。対象者達が入ったという部屋の窓の周りは外壁がはがれかけています。

 

「ここが浮気相手の家ですか?」

「いや、女性が一人で暮らすような場所じゃない」

「というと?」

「たぶん、対象者が借りた部屋だろう」

 

その後、さらに調査を進めた結果、マンションの部屋は確かに対象者の物件となっており、同室には対象者以外に、同じ勤務先に努める女性も住んでいる様子を確認したのです。

 

調査結果

この調査結果、対象者は浮気相手との同棲のための部屋を借りている状況を確認しました。

この調査は私がまだ新人だった頃のものですが、もしもベテラン探偵の上司が居なければ、対象者が同僚と浮気をし、その車に乗って帰宅する事すら予想できませんでした。

そして、不足のトラブルにも対応できるのは、より多くのトラブルに揉まれてきた探偵のみ。多くの人が「ベテラン探偵事務所」を進める理由の多くはここにあるのだと思います。